グリーマ†
概要†
カテゴリー | 人名 |
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スペル | Gríma*1 |
異訳 | グリマ |
その他の呼び名 | 蛇の舌(Wormtongue)*2、蛇(Worm) |
種族 | 人間(ロヒルリム) |
性別 | 男 |
生没年 | 不明~†第三紀3019年11月3日 |
親 | ガールモード(父) |
解説†
蛇の舌と呼ばれる。
セーオデン王の相談役だったがサルマンに買収されて裏切り者となり、アイゼンガルドの利益となるようにローハンを誘導していた。グリーマはセーオデンに毒の言葉(或いは本物の毒物?)を注ぎ込んで彼の気力を萎えさせて健康を害し、エドラスの実権を握ったが、大いなる年にガンダルフによって正体を暴かれて追放された。その後は凋落したサルマンに影のように付き従った。
また足許には賢人めいた青白い顔に瞼の重たくかぶさる目をした、しなびた男が一人、階段に腰を下ろしていました。*3
王の相談役†
ガンダルフによるとこやつも元来こうであったわけではない。かつては人間だったこともあり、この者なりに殿にご奉公をしたこともある*4という。
だが『終わらざりし物語』によると第三紀3014年頃より術策を弄してセーオデンの健康を損ね、彼が自らの助言に依存するように仕向けはじめる。そしてアイゼンガルドの脅威を過小評価してローハンが行動を起こすことを妨げるとともに、セーオドレドやエーオメルといった有力者たちが宮廷から排除されるよう絶えず王に働きかけた。
アイゼンの浅瀬の合戦でセーオドレドが殺されると、グリーマはエルケンブランドからの援軍要請を握りつぶし、加えてエーオメルへの不信感を王に植え付ける。
そのため翌3019年に領内に侵入したウルク=ハイを討伐するためエーオメルが自らの一存でエーオレドを出動させると、グリーマは王の命に背く行動だとしてこれを非難。さらにエーオメルがグリーマを斬ろうとしたため、反逆罪の咎で彼を投獄させることに成功した。
グリーマはサルマンが勝利した暁には、エーオウィンを我が物にしようと目論んでおり、絶えず彼女につきまとい毒の言葉を囁きかけていた(エーオメルが宮廷で剣を抜いたのもこれに気付いたためであった)。
加えてヘルグリムをはじめとした貴重品をくすねて自らの櫃の中に隠し貯めていた。
指輪戦争†
しかし大いなる年3019年の3月2日、エドラスを訪れたガンダルフによってセーオデンは蘇生され、グリーマはアイゼンガルドへの内通を暴かれる。そこで実権を取り戻したセーオデンにより、合戦に同行して忠義を示すか、ローハンを追放されるかの選択肢を与えられると、後者を選んでアイゼンガルドへ逃亡した。
しかしグリーマが到着した時、アイゼンガルドは既にエントによって破壊されてサルマンは敗北しており、もはや行き場のないグリーマはサルマンとともにオルサンクに閉じ込められることを余儀なくされる。
ガンダルフとセーオデンの一行がサルマンと談判するためにオルサンクを訪れると、グリーマはその真価を知らずにパランティールを塔から投げ落とした。パランティールは、サルマンとガンダルフの頭すれすれを落ちていったが、アラゴルンはあいつはあなた(ガンダルフ)とサルマンのどちらをより憎んでるのか自分でも心を決めかねていたんですよ。*5と推察している。
そのままサルマンと共に塔に閉じ込められていたが、サウロンが没落するとサルマン共々塔を脱出。そしてサルマンに付き従って物乞いをして歩くようになる。故郷へ凱旋する途中の指輪所持者らの一行に出会った時、サルマンから虐待されるグリーマを見たガンダルフは彼から離れて自由になるよう薦めたが、グリーマは主人への恐怖のため、憎しみを抱きながらもサルマンから逃れることができなかった。
サルマンが旅人たちへの復讐のためホビット庄に赴いて袋小路屋敷を占拠すると、彼に命じられて眠っていたロソ・サックビル=バギンズを刺し殺す(さらにサルマンの示唆によると、空腹のあまりその死体を食べたという)。
水の辺村の合戦の後、フロドは再び彼に、サルマンの束縛から離れて自由になるよう薦め、グリーマも喜んでそれに応じる様子を見せた。だがサルマンによってロソ殺害を暴かれ、足蹴にされたことで、とうとうグリーマはサルマンの喉首を掻き切って彼を殺す。そしてフロドが止める間もなく、ホビットの射手によって射殺された。
備考†
『終わらざりし物語』の一説によると、ガンダルフがアイゼンガルドに捕らわれて脱出した後、グリーマはガンダルフを追う黒の乗手と遭遇している。そこでグリーマは黒の乗手に脅され、ホビット庄のことを話してしまった。こうしてホビット庄の存在を知った黒の乗り手は、その地へ向かうことになった。
ただしクリストファによるとこれは時系列的に無理がある話であり、後の草稿では黒の乗手と遭遇したのはグリーマではなくサルマン配下の別の男となっている。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定†
俳優 | ブラッド・ドゥーリフ |
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日本語吹き替え | 金尾哲夫 |
字幕及び吹替での名前は『指輪物語』書籍新版に従いグリマ。
原作では裏切りが知られた後、ガンダルフの言葉もあり、戦いで改めて忠誠を示すか、すぐエドラスから立ち去るかの二択をセーオデンに示される。一方映画では、セーオデンに斬り捨てられそうになったところをアラゴルンが止め、アラゴルンが差しだした手に唾を吐いて逃げ出している(この時アラゴルンのバラヒルの指輪に気付いた形となっている)。
その後、角笛城の合戦が始まる前にオルサンクに辿り着き、サルマンに角笛城の弱点や、アラゴルンのバラヒルの指輪についての情報をもたらしている。
劇場公開版では『二つの塔』にしか出番がないが、『王の帰還 エクステンデッド・エディション』では、オルサンクの頂上で背後からサルマンを刺す。その直後レゴラスの矢を受けて死亡。
画像†
グッズ†
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コメント†
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