白 の木 †
概要†
カテゴリー | 植物 |
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スペル | White Tree |
その他の呼び名 |
解説†
ゴンドールを象徴する木。
ゴンドール王の紋章には、王冠、七つの星と並び、花をつけた白の木が中心に描かれている。
「王の宮廷には、一本の白の木が生えていた。イシルドゥルが大海原のかなたより持ち来ったかの木の種から育ったものである。この木の種はその前にはエレッセアから来たのである。さらにその前はといえば、もともとは、この世界の太初の時代に先だって、さいはての西方世界より、もたらされたものである。」*1
「白の木」はテルペリオン、ガラシリオン、ケレボルン、ニムロスの呼び名としても使われるが、本項目ではそれらの木々の末裔であるゴンドールの白の木について述べる。
歴史†
始源の木テルペリオンを模して作られたガラシリオンはエルダマールに広がり、そこからトル・エレッセアに運ばれてケレボルンと呼ばれるようになった。第二紀にアヴァッローネから航海してきた上のエルフは、その実生の一つをヌーメノールに持ち込み、アルメネロスの王宮に植えられてニムロスと呼ばれるようになる。
ヌーメノールのニムロスは、タル=パランティルによって王家の運命と結びついていると予言されたが、サウロンに誑されたアル=ファラゾーンによって伐り倒される。だがその前にイシルドゥルが危険を冒してその実を救い出した。芽吹いた実生はイシルドゥルの船に乗せられてヌーメノールの没落を逃れ、中つ国にもたらされた。これがゴンドールの白の木である。
- 初代の木
- ニムロスの実生である白の木は、イシルドゥルの居城であるミナス・イシルに植えられた。第二紀3429年にミナス・イシルがサウロンの攻撃で陥落した際、この白の木は焼かれたが、イシルドゥルはその実生を携えて脱出した。
- 二代目の木
- 第三紀2年、イシルドゥルは最後の同盟の戦いで落命した弟アナーリオンを偲び、実生を弟の居城ミナス・アノールの城塞に植えた。
1636年、悪疫の流行によってテレムナール王が病死すると、この白の木も枯死した。
- 三代目の木
- 1640年にタロンドール王は保たれていた実生をミナス・アノール(後のミナス・ティリス)の城塞に植えた。
2872年に当時の執政ベレクソール二世が死ぬと、白の木は再び枯死する。既に王統は絶えており、新たな実生の若木が見つからなかったため、枯れた木は「王還ります時まで」そのまま噴水の庭に残された。下記の若木が見つかった後、この枯木はラス・ディーネンに移されて憩わされた。
- 四代目の木
- 白の木はめったに実が熟さないが、もし熟した場合であってもそこから芽が出るまでには長い時間がかかり、何人もその時を予測することはできなかった。このため熟した実は必ず地中に埋められた。そうして忘れ去られていた実の一つが、ミンドルルイン山の高所にある古の聖所に隠されていた。
3019年6月25日、帰還を果たしたエレッサール王(アラゴルン)はガンダルフに導かれて聖所を訪れ、この忘れられた実から生じた若木を発見した。
若木は王の手によって噴水の庭に移植され、花を咲かせた。かれはその荒れ地によじ登り、雪の終わるちょうどその際から、高さ三フィートにも満たぬ若木が生え出ているのを見ました。長くて形のよい若葉が、葉の表は色濃く、葉裏は銀に、すでに萌え出ていて、ほっそりした頂には、小さな花房が一つついており、その白い花弁は陽に照る雪のように輝いていました。*2
由来の異伝†
『指輪物語 王の帰還』において、ガンダルフは白の木の系譜を以下のように述べている。
「まことにこれは美しきニムロスの子孫の若木じゃ。そしてニムロスはガラシリオンの実生の木じゃった。そのガラシリオンも、あまたの名を持つテルペリオン、木々の中の始源なるものの実生なのじゃ。」
しかし刊行された『シルマリルの物語』では、テルペリオンの子孫は(その最後の花である月を除き)存在しないと述べられており、ガラシリオンはあくまでテルペリオンを模して作られた別の木である。
「ガラシリオンはテルペリオンの実生」というガンダルフの発言はこれと矛盾している。
画像†
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定†
アラゴルンが若木を発見するくだりはない。ただ、負傷したファラミルがデネソールの命によってラス・ディーネンへ運ばれるとき、枯れた木に一輪の花が咲いているカットがある。アラゴルンの戴冠式では、白の木は満開の花を咲かせていた。
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ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定†
コメント†
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