ロード・オブ・ザ・リングス オンライン/あらすじ

The Song of Waves and Wind (波と風の歌)


ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』エピッククエスト. The Song of Waves and Wind (波と風の歌)のあらすじ。
日本語版『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』では実装されなかった。公式の日本語訳が存在しない単語は、緑文字で表記している。

Chapter 1 : The Heirs of Castamir (第一章 カスタミルの相続人)

指輪戦争が終結してしばらく後、冒険者は新国王エレッサールに呼び出される。王は戦争で傷ついた王国の現状を自らの目で確かめるための巡行を計画していた。廷臣たちが協議した結果、ゴンドール領内は平和こそ戻ったものの、未だに新しい王の即位を快く思わない者たちが少なからず存在しており、彼らが王の身を脅かす危険が無いかどうかを確かめてからにするべきであるという結論が出され、冒険者が調査任務にあたる事となる。王の最も信頼する仲間であるレゴラスギムリもそれに同行する。

冒険者はゴンドール各地で戦火からの復興作業を支援しつつ市井の人々から話を集めて回るが、その中で冒険者とエレッサールらがペラルギルで倒したウンバール海賊の首領バラコールが生きており、遠くない内にゴンドールを正統な後継者たるカスタミルの相続人の手に取り戻すという噂が広まっている事が判明した。冒険者らはかつて同族の争いの中心となったレベンニンでさらなる情報を集め、リンヒルでカスタミルの相続人の支持者たちが行う会合に潜入する。

会合では王の廷臣たちの中に紛れた内通者から王がミナス・ティリスを出立したという知らせを受けたと明らかにされる。しかし会議の場にウンバールからの使者として参加していたTumúldo Fierce-waterとその妻Nakási Wave-reaperが告げた言葉によって事態は予想外の方向へと展開する。彼らはKindred of the Coinsという一派がウンバールの実権を掌握し、カスタミルの相続人の支配から都市を開放したと述べ、その傘下に加わるように要求した。援軍を期待していた相続人の支持者たちは動揺し、その内の一人のTrastadirが衝動的にTumúldoを殺害してしまう。ゴンドールに夫の死の代償を払わせると誓ったNakásiは「波と風の歌がゴンドールに終焉を告げる」という意味深な言葉を残して去る。町の情報屋に確認を取ると、王が都を発った事は本当らしかった。

イムロス・メルイで王の一行に合流した冒険者は目撃した事の次第を伝える。レゴラスとギムリは何者かが死んだバラコールの名を騙っているだけで、確実な脅威となる統率者はいないだろうと考えていた。また、王は自身の身を心配する様子も無く「自分には最も信頼する護衛が帯同している」と語る。その護衛は変装したアルウェン王妃その人だった。冒険者はNakásiの言っていた歌について尋ね、王妃は吟遊詩人のLínielを助言者として紹介する。Línielは「直ぐにはこれという詩歌が浮かばないが、自分も共に考える」と協力する事を約束した。

Chapter 2 : Of Dwarves and Swans (第二章 ドワーフと白鳥のこと)

エレッサール王は遠い南の地の動向を憂慮するよりもまず、傷ついた人心を癒す事の方を優先するべきだと考えていた。領主フォルロングの妻でデネソールの姉であるVanyalosは夫と弟を一度に失った悲しみに囚われていた。また、ペレンノール野の合戦が行われる以前に、彼らが戦いで命を落とす光景を夢に見ていたが、二人にそれを伝えなかったことが運命の成就に繋がったのではないかという罪悪感にも苛まれていた。王妃は「予知夢の能力を与えられる者は実際にいるが、その者に運命を改変する力まであるとは限らない」、「二人の死の責任はそれをもたらした冥王か、不幸な運命をただ見せる事しかしなかったヴァラールにある」と説き、彼女に責任が無い事を伝えて慰める。

王は次の行き先をペラルギルに定め、レベンニン上流域で起こっている事を確かめるよう冒険者に依頼する。冒険者が訪れたトゥムラデンでは白の山脈に採掘の拠点を築いている東方のドワーフ族Temámirが復興作業に協力していたが、住民たちは戦争の間山に籠って何の助力も与えなかったドワーフたちに対して不信感を募らせており、一触即発の状態となる程険悪な空気となっていた。
Temámirを率いるAsitámは、彼らがなぜ山を閉ざしていたのかを王に釈明する必要があると考えており、冒険者が王の友人であることを知ると会談の場である彼らの要塞Furukzaharへと招待して欲しいと語る。軋轢を解消したいと思案していた町の隊長Imladirもこれに同意する。王は冒険者からの知らせを聞くとその提案に応じるが、同時に南からの脅威に備えて早急に海軍を復旧しなければならないとも言った。王妃はギムリを同行させるべきだと助言した。

冒険者一行は献上品を携えてFurukzaharを訪問し、彼らの主であるHámisarとの会談に臨む。その結果、彼らの要塞をKindred of the Coinsの使者を名乗るKhôltekhというドワーフが訪れ、盟約を持ちかけていた事が明らかになった。争い事を避けたいHámisarはすぐには返答できないと言って使者を帰したと言うが、ギムリはそれ以外にも隠し事があるのではないかと疑いを募らせる。ギムリが怪しい気配を感じたという部屋の扉を調べようとすると、かつて旅の途上で探索に協力した長鬚族のGangur Farwendが冒険者を呼び止める。彼は冒険者ら来る数日前にKhôltekhが要塞を再訪するのを目撃しており、立ち聞きした会話から彼らが北方から運ばれた何らかの器物を持ち込んだことを知ったという。GangurはKhôltekhがまだ要塞内の何処かに滞在しているかもしれないと考えており、冒険者と王に長く留まるべきではないと警告した。王は同行する書記官CaebarにGangurから得た証言を基にKhôltekhの似顔絵を作らせる。王は彼らの隠し事を暴くのは賢明ではないと判断し、Furukzaharを去る事にする。要塞を去る日、HámisarはGangurが王に密告した事を知って要塞から追放したと話すが、ゴンドールとの友好を望む気持ちに偽りが無いことも強調し、草むらに隠れた蛇に気を付けるべきだと忠告した。王が不在の間、アルウェンも単身で遠出しギルラエン川の乙女Roamingstarと会い、同伴する者たちを動揺させていた。王妃は「内密に話したい事があった」と言った。

王の一行は国内を西へと進み、カレンベルを経てドル・アムロスに至る。王がイムラヒル大公と共に沿岸地域の脅威にどう対処するかを議論する間、アルウェンはAvorrim(キールダンがエゼルロンドを守るために派遣した組織)の長であるDorthanethと会う。王妃はギルラエン川から汲んだ水を水盆に注ぎ呼びかけると、水の中からRoamingstarが現れてDorthanethへ謝罪の言葉を口にした。また、王妃はDorthanethの本当の名であるニムロデルと呼んだ。
かつてRoamingstarはモリアで目覚めた禍いを避けてエゼッロンドへ向かう旅の途上にあったニムロデルと出会い、同族とはぐれた彼女を川辺で休ませ、歌を聞かせてその疲れを癒そうとした。しかし長年独りで川辺を流離っていた彼女は寂しさから美しい訪問者を自分の下から去らせたくないという気持ちを抱き、魔法でニムロデルを眠らせた。しかしその眠りは自身の意図した以上に深く長いものになり、ニムロデルが目覚めた時には既に仲間のエルフたちは西方へと去っており、取り残されたニムロデルは彼女を探そうと海に飛び込んで姿を消した夫のアムロスを探して長い間海岸を彷徨ったという。自身の過ちが不幸をもたらした事を悔いるRoamingstarに対しDorthanethは許しを与える。王はアルウェンが旅に同行した目的が二人のわだかまりを解く事にあったと明らかにした。

Chapter 3 : The Lands of Langstrand (第三章 長浜の地)

イムラヒルは冒険者の友人を自称する海賊が町にいる事を明かす。大公によるとその男は城の外に潜んでいた所を発見し拘束したものの、冒険者の知人である手前無下に扱う事もできず、やむなく監視付きで市中を出歩かせていた。冒険者が市内を探すと、それは以前冒険者が旅の途上で出会った海賊のJajaxだった。仲間の裏切りで危機に瀕した所を冒険者に助けられ、一時的にゴンドールに味方したJajaxとその兄弟のDaxamatは、その後一度ウンバールに戻って新しい船と部下を調達し稼業を再開しようとした。だが既にKindred of the Coinsの支配が行き届いていたウンバールでは、組織の傘下に加わらない者たちへの取り締まりが始まっており、身の危険を感じた兄弟は逃げるように街を出たという。彼らに粛清の対象とならないようにと警告したのはKhôltekhだった。

イムラヒルはJajaxの語った話を信用していなかった。また宮廷にはアンファラスの沖合いでドル・アムロスの艦船が海賊の襲撃を受けて沈没したという報告が入り、会議の場に現れたJajaxに対して参議者たちは敵意を露にした。その場はイムラヒルの一喝で沈静化したものの、自分に向けられた憎しみを意に介する事もなく、Jajaxは立ち去った。イムラヒルは一度ミナス・ティリスの都に戻るべきだと諫言し、王は大公の懸念に同意して警戒を強めるものの、巡行を続ける意向は変えなかった。

ドル・アムロスを出立した王の一行はアンファラスの首府Lond Cirionに至り、黒門の戦いで命を落とした領主ゴラスギルの妻Mallaとその息子Orgolasと会う。王はゴラスギルが出征前に残していた遺言状を自ら読み上げ、その内容を忠実に実行するよう立ち合った者たちに命じた。Mallaは海賊の脅威が続く中、まだ幼い息子が父と同様の運命を辿る事を案じていたが、広い世界への見聞を広めたいという思いを抱いていたOrgolasは、王の巡行への同伴を願い出る。

Chapter 4 : Knight of the Green Hills (第四章 緑が丘の騎士)

王の一行は次にアンファラスの北にあるピンナス・ゲリンの首府Ost Arndírを訪れる。沿岸部から離れた同地にも川を遡上してきた海賊が出没していたが、領主Naurielが指揮するKnights of the Green Hillsが警戒にあたっていた。ペレンノール野で戦死したヒルルインの娘で、自身も騎士団の一員であるNaurielは息子のソロンギルを紹介する。ヒルルインは、かつて若き日にソロンギルの名でゴンドールに仕えていた当時の王とは友人の間柄で、Naurielの息子の名はその友人の名前を孫に与えたものだった。かつて海賊を討伐した英雄としてゴンドールの人々の間で語られているソロンギルだったが、その姿を実際に見て知っている人物は殆んど残っておらず、そのソロンギルと新しいエレッサール王が同一人物である事を知る者は冒険者を含めたほんの一握りに限られていた。そのためエレッサールは自分の正体をわざわざ明かす必要は無いと考えていた。

Orgolasは同年代のソロンギルとすぐに親しくなり、王が滞在する間共に行動するようになる。冒険者は彼らの護衛を務めるが、Naurielの配下から領内に海賊の一団が侵入したという報せを受け、王自らが率いる討伐部隊と共にIáphelに急行する。襲撃を退けた一行は丘陵地帯に隠れた敵の掃討にあたるが、密かに討伐隊の後の後を追ったソロンギルが海賊に連れ去られた事をOrgolasから聞く。海賊の頭はWave-reaperと呼ばれており、冒険者はそれがリンヒルで見た使者Nakásiだった事を知る。王は襲撃者がどの方面に逃げたかを探るよう冒険者に依頼する。

冒険者は川沿いを下りつつ海賊を追跡し、地元民の証言で彼らが数日前に沿岸の森Tumbamálëに物資を隠していたらしい事を突き止める。森に入った冒険者は、エルフの弓が安置された木立ちに出て、森の主のエントLeafshadeと遭遇する。Leafshadeは数ヵ月前にオークの毒矢を受けて負傷したエルフを発見し、自身の住み処に連れ帰って手当てしたという。エントからはNestinanessornëと名付けられたそのエルフは治療される間、友人たちに危機を知らせねばならないと語っていた。Nestinanessornëは、数日前に現れたNakásiらがゴンドールへの宣戦布告として森を焼き払うのを阻止するため、自ら捕虜となる取り引きを持ちかけ、傷が完全には癒えないまま海賊たちと去ったという。Nestinanessornëの正体は、以前冒険者と共にローハンを旅したが、角笛城から偵察に出たまま消息不明となっていたCorudanだった。

報告を聞いた王は冒険者に紛争を避けるため、秘密裏にソロンギルを救出する任務を与える。またCorudanの妹Sigilethへ、兄弟の消息が掴めた事を知らせるための伝令をエルケンブランドに送る。ソロンギルを引き留めなかった事に責任を感じつつも、幼少の身故に同行できないOrgolasは考えた末、父の遺言により自分に与えられた旗艦Wave Hunterを冒険者に提供する事を申し出た。アンファラスの継承者は、今自分にできる事は母や領民たちを守るという父の意向を引き継ぐことだと言って、友人の命運を冒険者に託す。

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