ハレス

概要

カテゴリー人名
スペルHaleth
その他の呼び名ハレス姫(Lady Haleth)
種族人間エダイン
性別
生没年第一紀(341)~(420)年(享年79)
ハルダド(父)
兄弟ハルダル(兄弟)
配偶者なし
なし

解説

ハレス姫と呼ばれる。ハルダドの娘でハルダルの双子の姉妹。ハラディンの族の族長でハレス家の祖。
終わらざりし物語』によると選り抜きの女性親衛隊を従えた名高い女戦士だったという。

ハラディンの族青の山脈を越えて最初に辿りついたオッシリアンド緑のエルフたちに冷遇されたため、北上してカランシルの領地サルゲリオンに定住し、しばらくの間は安定した暮らしを営んでいた。
だがモルゴスの送り込んだオークの襲撃隊がアングバンドの包囲を迂回し、青の山脈のドワーフ道の山道を越えてサルゲリオンの南の森林に住んでいたハラディンの族を襲った。この時ハレスの父ハルダドが先頭に立って防戦を指揮し、彼は同族を率いてアスカル川とゲリオン川の間の三角地に防御柵を築いて立て篭もり、食糧が尽きるまで抗戦した。だが最後にはオークの包囲に突撃を仕掛けて討ち死にし、オークから父の遺体を守ろうとして突出したハレスの兄弟ハルダルも討ち死にした。ハレスは生き残った者たちを統率してその後七日間持ち堪え、最後の防御柵が突破された時にカランシルの軍勢の救援によって救われた。カランシルはハレスとその一族に敬意を表してもっと北の地に移住するならば彼らを庇護下に置くことを申し出たが、ハレスはそれを断り、自らが治める安全な土地と自由を求めて西へ移り住む道を選んだ。

ハラディンの族の生き残りたちはハレスを族長に戴くとエストラドに移ったが、その地でも自分たちだけで固まって住んだためハレスの族として知られるようになった。だがハレスは一族の大半の者の反対を押し切ってさらに西へ進むことを望み、エルダールの助けも案内も無しで危険なナン・ドゥンゴルセブの地を横断し、多くの仲間を失いながらも一族をブリシアハの浅瀬以西まで導いた。彼らはタラス・ディルネンに至ると再び各家族ごとに散在して暮らす生活に戻っていったが、心からハレスを慕う者たちは再び彼女に導かれてブレシルの森に入った。
ブレシルの森は魔法帯の外にあるが、人間を快く思わないドリアスシンゴル王が自国領とみなしている土地だった。そこでハレスの族の苦難を聞き及んだフィンロドがシンゴルを説得し、その結果シンゴルはブレシルの森に一人たりとオークを入れさせず、またエルダールの全ての敵からテイグリンの渡り瀬を防衛することを条件にハレスの族の居住を許した。

「わが父ハルダド、わが弟ハルダルは今はいずこにおりましょうか。ハレスが、己の肉親を滅ぼした者たちによしみを通じるのではないかと、ドリアスの王が危ぶんでおいでだとすれば、エルダールの考えられることは、人間には分からぬものでございます」*1

ハレスは死ぬまでブレシルに住まい、トゥール・ハレサ(ハウズ=エン=アルウェン)に葬られた。生涯独身であったため、族長の地位はハルダルの息子でハレスにとって甥にあたるハルダンが引き継いだ。

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • ブレシルの森に住まう条件を伝えられた際の返答が好き。
    「わが父ハルダド、わが弟ハルダールは今はいずこにおりましょうか。ハレスが、己の肉親を滅ぼした者たちに誼みを通じるのではないかと、ドリアスの王が危ぶんでおいでだとすれば、エルダールの考えられることは、人間には分からぬものでございます」
    カランシアにもシンゴルにも臆さない、女傑。
  • この人はなぜか分からないが多くの人の反対を押し切ってエストラドから恐怖の山脈とメリアンの魔法帯の間を……ということはあのナン・ドゥンゴルセブのあたりを通ってブレシルに一族を連れて行っている。なんでよりにもよってあんなところを通るのか……。しかし、その意志の強さと行動力はとても魅力的。 -- トミー
  • 「ハレスの族」と言われるのだから有名なはずなのに、ローハンでは「ハレス」は専ら男性名である。 -- 2008-08-22 (金) 02:37:51
    • 綴りは同じですが言語が違うようでローハンは古英語の「戦士」、ハレス姫はエダインの言葉とエルフ語の組み合わせのようです。 -- 2015-01-13 (火) 18:54:31
  • この方が生涯独身だった理由が、「オークとの戦いの時救援に来てくれたカランシアに惚れてしまったから」だったらすごくロマンチックでいいんだけど。でもどっちみちカランシアにその気はなかったでしょう、相手は死すべき運命の人間ですし、それに彼は既に結婚していたようですから。 -- ホビット 2008-12-31 (水) 22:46:29
お名前:

人種差別をあおるもの、公序良俗に反するもの、項目とは関係ないコメント、他コメント者への個人攻撃及び価値観の押しつけや、相手を言い負かすことが目的の非建設的な議論、現実世界の政治および近代・現代史、特定国家、団体、民族などに結びつけ批判、揶揄するようなコメントなどは削除の対象となります。その他コメントについて。
Last-modified: