- ローハンの建国者である青年王エオル(Eorl)については、エオル(レオドの息子)を参照してください。
- 二つの木の光を目にしたことのない中つ国のエルフ達については、暗闇のエルフを参照してください。
エオル†
概要†
解説†
シンゴルの身内の一人であったシンダール・エルフ。星空と薄明を愛し、太陽の光を避けるようにして生活したため暗闇のエルフと呼ばれた。
元々はレギオンの森に住んでいたが、ドリアスを居心地悪く思い、魔法帯が設置された時にそれを避けてナン・エルモスの森に移り住んだ。そこでドワーフと非常に親しくなり、時折ノグロドやベレグオストに滞在して多くの技能を習ったため、フェアノールやケレブリンボールと並ぶ高名な鍛冶師となった。ガルヴォルンは彼の生み出した金属であり、遠出する時にはそれで作られた防具に身を固めた。また隕石の鉄から作り出した二振りの剣アングラヒェル(後のグルサング)とアングイレルの制作者として知られる。
一方でノルドール族のことは、同族殺害の一件およびベレリアンドに災厄を持ち込んだ元凶であると見なしていたため、忌み嫌っていた。
エオルは、
鍛冶 の仕事のために背が屈 んでしまっているとはいえ、ドワーフとは似ても似つかぬ、テレリ族の高貴な一族の血を引く丈高きエルフであった。顔こそ恐ろしげであったが、生来の品は争われず、目は、闇の中であろうと、暗いところであろうと、奥の方まで見通すことができた。*2
エオルはナン・エルモスの森に迷い込んだノルドールの姫君アルエゼルに一目惚れし、彼女の周りに魔法を巡らせて自分の住居におびき寄せ、妻に娶る(この結婚は必ずしもアルエゼルの意に反するというものではなかった)。生まれた息子が12歳になると、彼をマエグリンと名付け、自分の技術を教えると共にノグロドやベレグオストに連れて行ってドワーフの技術を学ばせた。
だがエオルはノルドール族を嫌っていたため、二人がフェアノールの息子たちやゴンドリンの同族と接触することを厳しく禁じた。
そのためアルエゼルとマエグリンはエオルとの生活に倦み、彼が不在の隙を突いてゴンドリンへ逃亡する。これに気付いたエオルは激怒して二人を追跡し、ゴンドリンの門がある枯れ川に入り込んだところを衛兵に捕えられ、トゥルゴン王のもとに引き出された。
エオルは父としてあくまでマエグリンを連れ帰る権利を主張するが、マエグリンはそれに応じなかった。トゥルゴンはエオルを妹婿として歓迎したものの、ゴンドリンの秘密を守るため、その地から出て行くことを禁ずる。これにエオルは逆上し、隠し持っていた投げ槍をマエグリンめがけて投げつけた。投げ槍は息子を庇ったアルエゼルの肩に当たったが、その穂先に毒が塗ってあったため、アルエゼルは急死する。
このためエオルには何の慈悲も与えられず、カラグドゥールの断崖から投げ落とされて処刑された。
この時エオルはマエグリンに向かって、それではお前は、お前の父と、父の一族を見捨てるのだな、不孝者めが! この地でお前は、お前の望みのすべてを失うであろう。そしてお前も、いつかここでわたしと同じ死を死ぬがよい*3と呪い、彼の死を予言した。
コメント†
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