2023年2月9日に行われた、『ダロス』HDリマスター化を記念した上映会・トークショーのダイジェスト映像がYouTubeにて公開されました。ダイジェストとは言え50分はあるボリュームあるものになっています。『ダロス』Blu-rayは発売中。

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押井守監督が審査委員長を務めている、第1回新潟国際アニメーション映画祭についての押井氏のインタビューで目についたものを。私も何度も書いていますが、日本のアニメ業界、映画業界では、とにかく「商売相手と仲良く付き合う」ことばかり考えて、批評の「批判」がまるで存在しない、「今後の付き合いに影響するから」と配慮の結果、日本でラジー賞みたいなものは絶対にできないという重大な欠陥があると以前から考えております。日本のマスコミでの作品の取り上げ方は、公開前は宣伝費に比例、公開後は「売れたから、これの記事を載せれば視聴者を集められる」という打算のもとに作られるものばかり。「売れてないけど注目すべき」はあまりないし「金かけたはずなのに、どうしてこんなにひどいものになった」はさらにない。

『火狩りの王』第2シーズン発表

WOWOWにて10話まで放送された『火狩りの王』ですが、「第2シーズンの制作決定」とのことです。というか最初から決まっていたのだろうから「制作決定」とは言わず正しく「第2シーズン制作を発表」と言って欲しいですが、作業は既に始まっているはずだし。ただ第2シーズンの放送開始日は発表されていません。

西村純二×押井守 WOWOWオリジナルアニメ「火狩りの王」 第2シーズンの制作決定!先行カットも公開!オンデマンドでは第1シーズンを全話配信中!|株式会社WOWOWのプレスリリース

2023年2月9日に行われた、『ダロス』HDリマスター化を記念した上映会・トークショーのレポート記事が出ています。このトークショーには押井守氏と、ゲームクリエイターの小島秀夫氏が出演しました。

押井守監督に小島秀夫が鋭く切り込む『ダロス』40周年記念上映&トークショーレポート - ぴあ映画

押井監督が師匠と仰ぐ鳥海永行監督との共同監督体制について、押井監督は「半分ずつ話数を担当することになって、自分の持ち話数に関しては脚本も絵コンテも演出も全部担当した。お互いの担当話数がどうなっているか全く知らずにコンテを切ったから、初めて相手の作品を観た時にそういう話だったのかと驚いた」と語り、本作の特殊な制作体制を明らかにした。 

そして、「(作中に登場する)“ダロス”って何だったんでしょうか?」と劇場のファンも気になっていた質問に突然切り込む小島監督。「それを言われると辛い(笑)」と返しつつ、「当初は(構想されていたシリーズの)真ん中の美味しい4話だけを作って、作品として成功したら、第1世代から続く大河ドラマとして月面を舞台にした独立闘争を描こうと思っていた」と押井監督。

さらに押井監督の口から「ダロスは地球からは見えない月の裏側にあって、外宇宙に顔が向いている。オズマ計画のように、ここに人類がいるぞと外宇宙に向けてメッセージを送るために、第1世代の開拓者たちが作った」と語られ、謎に包まれていた設定が明らかになった。

もともとTVシリーズとして作られていた企画を強引に全4話のOVAにしたため“序章で終わっている”という雰囲気が否めなず、でも物語は面白くなる可能性を感じられただけに、4話しか作られなかったのが残炎です。

気がついたら2カ月このブログを更新してなかったのでヤバいと。ネタ自体は見つけたらTwitterにあげているんですけど、Movable Type(このブログのシステム)のエディタが使いにくくてなかなか手が。ブログ記事にするならちゃんと体裁整えないと、と思うのもあり。

本題。押井守に学ぶアニメ・映画というストリーミング動画による講座が公開されています。合計時間は約300分とのことで、視聴金額は10,000円、現在は期間限定割引中で7,980円とのこと。共に税込。テスト視聴できないので高いか安いかの判断もできないのですが。内容はインタビューとワンシーン分析、そして映画理論や制作についての押井監督による講義によって構成されているとのことです。

  1. 押井守先生と出逢い、アニメと出会う(7分)
  2. 駄作こそ人生を変える(8分)
  3. 監督による分析:不可視の映像表現と『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(7分)
  4. 嘘も方便(9分)
  5. ディテールの塊(9分)
  6. 監督による分析:『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の限界に学ぶ(7分)
  7. 監督業、すなわち、戦争(8分)
  8. サスティナブル ワーク(9分)
  9. 監督による分析:『イノセンス』に見る、人間と人形(7分)
  10. 一本のフィルム、一人の監督(6分)
  11. アニメと手仕事(6分)
  12. 監督による分析:『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』のアニミズム(8分)
  13. 監督になるな(5分)
  14. 魚、犬、鳥、妄想(19分)
  15. シネマティック トライアングル(23分)
  16. キャラクターの本質(38分)
  17. アクションのない場面(20分)
  18. 世界観の構築(29分)
  19. レイアウトの重要性(22分)
  20. シーン探求力(30分)

詳細はプレスリリースに。氷川竜介氏によるコメントもあります。

正直、ベンチャーの企画立ち上げ時などに宣伝のため押井守監督の名前が使われ、そのままそのベンチャーは潰れるというのを何度も目にしているため、どうしても疑いの目で見てしまうのですが。

『火狩りの王』第1話が先行無料配信

構成・脚本を押井守が、監督を西村純二が担当するアニメ『火狩りの王』の放送開始が間近ですが、それに先駆けて第1話がYouTubeにて先行無料配信されております。

HDリマスターされ、2023年3月にBDが発売予定の『ダロス』ですが、その発売に先駆けて2023年2月9日、新宿ピカデリーにて上映会とトークショーが行われることになりました。登壇者は押井守監督と、特別ゲストとして小島秀夫氏。何度も書いていますが、『メタルギア』『DEATH STRANDING』などを手がけた小島氏は、押井氏のファンであることを公言しており、自身のPodCastへ押井氏をゲストとして呼んだほか、対談などを行っております。押井氏も『DEATH STRANDING』などのゲームをプレイしたことを話しています。EMOTION 40th Anniversary Program『ダロス』40周年記念上映&トークショーは2023年1月15日までチケットが抽選販売中。

また『ダロス』BD化を記念して、「第2部 ダロス破壊指令!」が2022年12月23日15時までYouTubeにて無料公開中(どうせならYouTubeもHD画質にして、HDリマスターでどうなったのか見せて欲しかったのに……)。この第2部(全4話のうちの第2話)は押井守氏が絵コンテ、演出を担当しましたが、本企画の原案者である鳥海永行氏が担当した第1話とは演出、雰囲気がまるで違って笑えるほどです(第3~第4話では、戦闘パートは押井氏が担当、それ以外は鳥海氏が担当と切り分け)。この第2部では、銃撃時に空薬莢が飛び散るなどの場面で、押井氏のテイストを見ることが出来ます。

ところで思い出しましたが、2022年3月に『ダロス』サウンドトラックCDリマスター版が限定で発売されたのは、このBD用HDリマスターが行われていたためだったのでしょうね。

押井守氏が『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を高く評価しているというのはたびたび語られている話ですが、かつて庵野秀明氏が作った同人誌『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会』にも押井守氏がインタビューで参加しております。この同人誌、なかば伝説的な存在となっており非常に希少なものとして扱われておりましたが、商業ラインで復刻することが決まりました

まずコミックマーケット101で先行販売されたあと、Amazonなどでの販売も行われるとのことです。この本、私も読んだことがないのでこれ以上語れませんが、興味深く発売を待たせていただきます。

Amazonでの受付が開始されています。

最近はアニメをdアニメストアで見ることが多くなっています。dアニメストアはPCによるWebブラウザ、PS4などのゲーム機(PS5は現在未対応)、Amazon端末(Fire TV StickKindle Fireなど)、スマートフォンで使用可能で、ストリーミングだけではなく事前にダウンロードしての視聴も可能、また2倍速再生まで可能、最高でフルHD画質(コンテンツによって異なる)とかなり使い勝手が良くなっています(Amazon Prime Videoのインターフェースでdアニメストアのアニメを見るdアニメストア for Prime Videoという契約形態もあり、すでにAmazon Primeに契約しているならそちらを使う手もあるのですが、倍速再生などが使えないため私は両方を単独で契約しています)。

ただ、最近PCにてFirefoxで再生しようとすると「エラーコード 40013」と表示されて正常に再生されないという現象が発生していました。

“世界初のOVA”として有名な、押井守氏とその師匠である鳥海永行氏が手がけたOVA『ダロス』がBlu-rayで発売されることになりました。

Amazon.co.jp ダロス[EMOTION 40th Anniversary Edition] [Blu-ray] 

もともとこのアニメは1年間のTVシリーズとして鳥海氏が企画したものですが、「作中に、おもちゃ(グッズ)として売れそうなアイテムが登場しない」ということでTVシリーズ化は見送られました。ただ物語は面白そうなので「では、ビデオで売ってみようか」ということになり、全4話に再構成され、OVAとして発売されることになったものです。

1年のTVシリーズの予定だったものを全4話にしてしまったため、「壮大な物語の序章」という印象は否めませんが、それでもなかなか魅力的な話になっております。演出的な点では、鳥海氏と押井氏が担当しましたが、“監督がふたりいて、どちらの指示に従ったらいいのか判らない”ということにより時折現場は混乱、鳥海氏も押井氏も、相手が不在の間に、相手の指示をこっそり書き換えてしまうということもあったそうです。そんな感じで、鳥海氏が担当したパートと押井氏が担当したパートは、かなり毛色が違ったものになっており、その差を比較してみると面白いでしょう。鳥海氏は王道のアニメ演出を狙っているのに対し、押井氏は「テロリストの話」として、かなりリアル寄りの演出を行っております(押井氏は『アルジェの戦い』などを意識したといっていたはず)。考えてみれば、押井氏が本格的にアニメでテロリストを扱ったのはこの作品が初になるのかもしれません(押井氏は、自分はテロリズムばかり映画で描いてきたと言っております)。

BD化に際し、押井守監督監修による新規HDマスターを使用とのこと。映像特典は、以前発売されたDVD版をHDアップコンバートしたものなどが収録されます。正直、映像美がどうこうというアニメではないので、DVDを持っている人が敢えてBDに買い換える価値があるのかというのは微妙なところですが、DVD版を持っていないという人は買う価値はあると思います。映像特典では、今は亡き鳥海永行氏も含めたスタッフ陣による、作品に関して矢初期のスタジオぴえろ(現ぴえろ)の事情などの貴重なインタビューが収録されております。

『火狩りの王』PV公開

遅くなりましたが(最近こればっかりな気がしますが)押井守構成・脚本、西村純二監督のアニメ『火狩りの王』のPVが公開されています。WOWOWで2023年1月より放送予定。

灯子役:久野美咲 煌四役:石毛翔弥 明楽役:坂本真綾 炉六役:細谷佳正 綺羅役:早見沙織 緋名子役:山口愛とキャスト情報も公開されています。