摂政 †
概要†
カテゴリー | 役職・組織・団体 |
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スペル | regent |
異訳 | 代行者 |
解説†
主に何らかの理由で王が国内で政治を行えない場合に設けられる、王権の代行者の役職を指す語。
ゴンドリン†
ニルナエス・アルノエディアドの際、ゴンドリンの王トゥルゴンの甥であるマエグリンが摂政となった。だがマエグリンは摂政としてゴンドリンに留まることをよしとせず、出陣してトゥルゴンの傍らで戦った。
エリアドール†
『終わらざりし物語』によると、第二紀の力の指輪を巡る戦いの後に開かれた会議で、裂け谷がエレギオンに代わるエリアドール東部のエルフの拠点に定められ、ノルドールの上級王ギル=ガラドは裂け谷を築いたエルロンドをエリアドールにおける副摂政(vice-regent)に任じたとされている。
ヌーメノール†
『終わらざりし物語』によると、ヌーメノールの王タル=アルダリオンが国を留守にして中つ国への航海に出る際、ヌーメノールでは摂政が置かれた。
最初はアルダリオンの即位間もない第二紀883年、もしくは884年に彼がヌーメノール王として初めて国を離れることを決めた時で、この時は王の会議またはアルダリオン自身の指名でハッラタンが摂政に任じられた。初めはメネルドゥルに依頼したが、断わられたという。
アルダリオンの世継であったアンカリメも、航海へ出るアルダリオンによって摂政に任じられたことが一回以上はあったという。
ゴンドール†
- ミナルカールの例
- 安楽な生き方を好んだゴンドールの王ナルマキル一世によって、第三紀1240年に彼の甥であるミナルカールが摂政に任じられた。ミナルカールはそれから自身が王位に就くまで、すなわち1304年までの伯父ナルマキル一世と父カルマキルの治世を摂政として実際に統治し、東夷との戦争を指揮した。
『The Peoples of Middle-earth』によると、ここでの摂政とはナルマキルがミナルカールに実権を与えるために新設した、Karma-kundo(カルマ=クンド)*1という役職のことである。ミナルカールはナルマキル及びカルマキルの名の下に統治したが、戦争と国防に関しては完全に権限を握っていたので、王の名を出さなかった。
- ファラミルの例
- 『終わらざりし物語』によると、第三紀1944年の馬車族とハラドリムとの戦いで、オンドヘル王は次男ファラミルを代行者としてミナス・ティリスに残し、長男アルタミルと共に出陣した。だがファラミルは変装して都を抜け出し、エーオセーオドの軍勢に加わって戦死した。
これについては、大きな戦いでは世継を後に残した上で王自ら軍を率いるのがゴンドールの慣習であったとも、オンドヘルの二人の息子が同時に戦場へ出るのは法に反することだったとも述べられている。
- 統治権を持つ執政
- 『終わらざりし物語』には以下の記述があり、王が不在となったゴンドールでは執政が王権の代行者として統治した。
キリオンはそのエレンディルの裔の王を代行する執政であったが、ゴンドールに関する限り、王の権限を全て代行できた。――王帰ります時までは。
Cirion was the Steward of the Kings descended from Elendil, and so far as Gondor was concerned had as regent all their powers - until the King should come again.*2
その他†
regentと表現はされないが、ホビット庄のセインは本来、北方王国(アルセダイン)の臣民であった庄民のホビットが王国滅亡後に王権の代行者として選出した役職である。
王ではないが、ホビット庄では庄長が庄内で職務を行えない場合は、助役(Deputy Mayor)がその代行者となる。フロド・バギンズとトルマン・コトンがこの職を務めたことがある。
コメント†
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