スロールの地図†
概要†
カテゴリー | 物・品の名前 |
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スペル | Thror's Map |
解説†
エレボール(はなれ山)の秘密の入口を示したドワーフの地図。
その名の通りスロールが製作し、モリアへ旅立つ前に息子のスラーイン二世に与えた。後にスラーインは地図と秘密の入り口の鍵を携えてエレボールへ向かったが、道中で死人占い師に捕らえられ、所持していた七つの指輪の一つを奪われたが、地図と鍵は奪われなかった。これをドル・グルドゥルの地下牢に潜入していたガンダルフが発見し、スラーインは地図と鍵を「息子へ」渡すよう言い残して息絶えた。
ガンダルフは後に地図と鍵をソーリンを説得する切り札として使い、13人のドワーフとビルボ・バギンズはこの地図を手がかりとしてエレボールに潜入した。
内容†
図柄や書かれている文字の詳細は実物の地図を参照。
羊皮紙に描かれており、ドワーフの流儀にしたがって(北ではなく)東が上になっている。
左端には手の印で、はなれ山の隠し戸の在り処が指し示されており、その側にはルーン文字で以下のような隠し戸の説明が書き込まれている。
入口ノ高サオヨソ一メートル半、ハバ三人ナラビテ歩ケルテイド
Five feet high the door and three may walk abreast
さらに月光文字を使って、隠し戸を開く手順が書かれていた。これは普段は目に見えず、文字が書かれた時と同じ形・同じ季節の月の光を裏側から当てることによってのみ、透かし見ることができる。このことはエルロンドによって発見された。地図の右下付近にある細い線で示されているルーン文字がそれである。
ツグミガタタクトキニ、クロキ岩ノソバニ立テ、でゅーりんノ日ノシズム日ノサイゴノアカリガ、カギアナニサシイルヲミヨ
Stand by the grey stone when the thrush knocks and the setting sun with the last light of Durin's Day will shine upon the key-hole
備考†
トールキンが『ホビットの冒険』のために当初デザインしていた「スロールの地図」は縦長で、通常の地図と同じように北が上になっていたが、出版社のアレン・アンド・アンウィンは費用削減のためにこの地図を荒れ地の国の地図と共に本の見返しに載せるという方針を譲らなかったため、トールキンはそれに合わせて横長の地図に書き直した。横長にしたことで東が上になり、トールキンは原書第三版の著者註でこれを「ドワーフの流儀である」と説明した。
トールキンはこの地図に非常にこだわっており、特に月光文字だけを紙の裏側に反転して印刷することによって、読者が実際にそれを透かして読めるよう工夫を施すことを強く希望していた(上述のスケッチには実際にその工夫が施されていた)。だがこれも費用削減のため実現せず、出版された地図では月光文字が細い線で描かれるに留まった。
スケッチでは左下にThror's Map. Copied by B. Baggins. For moon-runes hold up to a light(スロールの地図。B.バギンズによる写し。光にかざすことで月光文字が浮かび上がる)と題されており、この地図をトールキンはビルボによる写しと設定していたことが窺える。
コメント†
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