押井守監督の「勝つために見る映画」 『マネーボール』後編

「クビにする人に、理由を説明する必要はない」 「マネーボール」(2011年 ベネット・ミラー監督)【承前】:日経ビジネスオンライン

押井:「オンリー・ユー」の時は、何を最初に実現するのかという順番が明解じゃなかったんです。いろんな方面に気を配って、あれもこれも全て満たそうとした。

押井:だけど「あれもこれも」は無理なんです。1番目は何で、2番目は何で、3番目は何でという、まず最初にそれを決めなかったら監督なんか仕事ができるわけがない。状況によっては、とりあえず映画を実現させるというのが1番の場合もあるんだよ。その場合は2番目3番目は隠れてやるの。今の僕がそうであるように。

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