血液型判断と差別

テレビ: 血液型判断で「いじめ」 番組で「性格決めつけ」--視聴者から抗議相次ぐ

血液型による性格判断を扱うテレビ番組が、今春から増えている。特定の血液型を「いい加減な性格の持ち主」「二重人格」などと決めつける内容が目立ち、NHKと民放が設立した第三者機関「放送倫理・番組向上機構(BPO)」には、視聴者から「子供が血液型でいじめを受けた」「一方的な決め付けで不快」などの抗議が4月以降、50件以上寄せられた。

立命館大の佐藤達哉助教授(社会心理学)によると、血液型性格判断は80年代にブームになった。学者らが「統計上の違いはわずか。科学的には何も実証されていない」などと批判し、沈静化したが、再び雑誌などが取り上げ「大衆の常識のように定着してしまった」という。

私も昔、仕事の面接に行った時に血液型を聞かれたことがある。「あくまで参考に」とか言っていたが、血液型を判断基準にしていないなら何故聞く必要がある? そして血液型を判断基準にするということは「あんたの人種(or性別)はいい加減だからうちでは雇わないよ」というのと同じ事であり、とんでもない差別だ。

では何故血液型判断が人気なのかというと、結局のところ(少なくともその一因は)人間は差別が大好きだからということになるだろう。

「どうせ○○はああいう奴らなんだよ」「ほら、○○がまたあんな事やってる」

この○○には何でも当てはまる。黒人、ユダヤ人、韓国人、在日米軍、イスラム教徒、オタク……。まず、何かに対する差別意識(或いは単に攻撃的意識でもいいが)をもっている人間は、その対象を攻撃できる材料、つまり「ほら、○○がまたあんな事やってる」という情報をとにかく好む。2ちゃんねるとかの「晒し」はその典型だが、人々が寄ってたかって「相手を攻撃できる材料」を自分から捜し、それをお互いに広め合って喜んでいる(これには、人間が「何かに対して腹を立てるのが好き」というのも大きい)。パレスティナ人が、「アラファトはイスラエルに暗殺された」と80%もの人々が信じ込んでいたのも同じである(アラファトの医療結果が発表されても、この説は永遠に消えまい)。

最近「アキバ族」とか何とかいって流行っている、おたく晒しの番組もそれと同等といえるだろう。そういうのを見て「うわっ、こいつらってやっぱりこんな事やってるんだ」と喜び、そしてマスコミは何か事件があると「オタクが犯罪を犯す」という方向に繋げたがる。とにかく、自分とは違う人間を攻撃したがるのだ。
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そういうのが喜ばれるからこそ、TV局は適当な統計とヤラセで番組を作り(TVだけではないが)、視聴者はそれを見て「ほら、○○がまたあんな事やってる」といって喜ぶのだ。