小説『The Hobbit』の翻訳対比表†
概要†
ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキンの小説『The Hobbit』は岩波書店と原書房から別々の邦訳が出版されている。ここでは両者の訳語の一覧表を示す。
解説†
- 岩波書店版『ホビット冒険』について
- 岩波書店から出版されているのは瀬田貞二訳の『ホビットの冒険』。これは原著第二版(the second edition)を底本とし、1965年に出版された。原著第二版とは、トールキンが1937年の初版からビルボとゴクリのなぞなぞ遊びに関する部分を大きく改訂し、1951年に出版されたものである。これには後の1954~55年に出版される『The Lord of the Rings』との整合性を合わせる意図があった。
この第二版の邦訳『ホビットの冒険』は翻訳家の別宮貞徳によって構文面を中心に多くの誤訳が指摘された。その為か、瀬田没後にも、1983年や2000年の全面的な改訂を含む細かな改訂が数多く加えられていったが*1、構文面での誤訳が払拭されたとは言い難い現状にある。また「文庫版」「愛蔵版」等の発行形態の違いによって、改訂箇所の相違が存在する模様である。
- 原書房版『ホビット ゆきてかえりし物語』について
- 原書房から出版されているのは山本史郎訳の『ホビット ゆきてかえりし物語』。これはトールキン研究家ダグラス・A・アンダーソンによる『The Hobbit』の解説書、『The Annotated Hobbit』(1988年)の翻訳である。この解説書に載っている本文は、トールキンが『The Hobbit』の内容を『The Lord of the Rings』や自らの中つ国に関する構想と近づける為に様々な改訂を施し、1966年に出版された原著第三版(the third edition)である。正確にいうと、これはトールキンが行った最後の改訂作業だったが、出版社によって細かな違いが存在したので、アンダーソンがそれらをまとめ、トールキンが意図した最終的な形の『The Hobbit』に仕上げたものである。書中ではこのアンダーソンが編集した本文を第四版と呼称しているが、トールキン研究でいう1978年出版の第四版(the fourth edition)*2ではないので注意が必要である。
『ホビット ゆきてかえりし物語』は1997年に出版されたが、不適切な訳が多く指摘された。原著『The Annotated Hobbit』の増補改訂版である第二版が2002年に出版されると、こちらを同じく山本が翻訳し、『新版 ホビット ゆきてかえりし物語』として2012年に出版された。新版では訳文が全面的に見直され、固有名詞の訳語も岩波書店の『ホビットの冒険』に一部準じた。
人名・呼称†
スペル | 該当項目 | 岩波書店版 | 原書房版(旧版) | 原書房版(新版) | 備考 |
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Azog | アゾグ | - | アゾーグ | アゾグ | 岩波書店版(2nd edition)では名が登場せず |
Balin | バーリン | バーリン | バリン | ||
Bard | バルド | バルド | バード | ||
Belladonna Took | ベラドンナ・トゥック | ベラドンナ・トック | ベラドンナ・トック | ベラドンナ・トゥック | |
Beorn | ビヨルン | ビヨルン | ビョルン | ビヨン | |
Bert | バート | バート | バート | ||
Bilbo Baggins | ビルボ・バギンズ | ビルボ・バギンズ | ビルボ・バギンズ | ||
Bifur | ビフール | ビフール | ビファー | ||
Bladorthin | ブラードルシン | ブラードルシン | ブラドルシン | ||
bodyguard of Bolg | ボルグの用心棒 | ボルグの用心棒 | ボルグの親衛隊 | ||
Bofur | ボフール | ボフール | ボファー | ||
Bolg | ボルグ | ボルグ | ボルグ | ||
Bombur | ボンブール | ボンブール | ボンバー | ||
Bullroarer Took | - | うなり牛のトック | ブルローラ・トック | ブルローラ・トゥック | バンドブラス・トゥックのこと 『指輪物語』では「牛うなり」 |
Bungo Baggins | バンゴ・バギンズ | バンゴ・バギンズ | ブンゴ・バギンズ | バンゴ・バギンズ | |
burglar | 忍びの者 | 忍びの者 どろぼう | |||
butler | - | 給仕頭 | 執事 | ガリオンの役職 | |
chief of the guards chief guard | 番兵長 | 番兵長 | 隊長 | 衛兵の隊長 隊長 | ガリオンとワインを飲むエルフの役職 |
chief wolf | 親分オオカミ | 親分オオカミ | ? | 親玉 ワーグの | |
Carc | カーク | カーク | カルク | カーク | |
Dain | ダイン | ダイン | デイン | ダイン | |
Dori | ドーリ | ドーリ | ドリ | ||
Durin | ドゥリン | デューリン | デューリン | ドゥーリン | |
Dowalin | ドワーリン | ドワーリン | ドワリン | ||
elf-friend | エルフの友 | エルフの友 | 〈エルフの友〉 | エルフ王からビルボに与えられた名 エルロンドもエルフの友であるとされる*3 | |
Elrond | エルロンド | エルロンド | エルロンド | 原書房(新版)では外見のfairが「色白金髪」と訳された | |
Elvenking | エルフ王 | エルフ王 | 〈エルフ王〉 | ||
Fili | フィーリ | フィーリ | フィリ | ||
Galion | ガリオン | ガリオン | ガリオン | 原文では他のエルフから「old」と呼ばれているが、岩波書店版では訳出せず 原書房版では「爺さん」と呼ばれている | |
Gandalf | ガンダルフ | ガンダルフ | ガンダルフ | ||
Girion | ギリオン | ギリオン | ギリオン | ||
Gloin | グローイン | グローイン | グロイン | ||
Golfimbul | ゴルフィンブール | ゴルフィンブール | ゴルフィンブル | ||
Gollum | ゴクリ | ゴクリ | ゴクリ | ゴラム | |
Great Goblin | 大ゴブリン | 大ゴブリン | ゴブリンの首領 | ||
Kili | キーリ | キーリ | キリ | ||
King of All Birds | - | あらゆる鳥たちの王 | ? | 〈鳥の王〉 | ワシの王の後の称号 |
King under the Mountain King beneath the Mountain | - | 山の下の王 | 山の王 | 〈山の王〉 | 山の下の王国の王、あるいははなれ山に巣食うスマウグのこと |
Lord of Dale | - | 谷間の町の領主 | 〈谷の王〉 | ギリオンのこと | |
Lord of the Eagles | ワシの王 | ワシの王 | 鷲の王 | 〈ワシの王〉 | |
Master of Lake-town Master of the Lake-men | 湖の町の統領 | 湖の町の統領 | 湖の町長 | 〈湖の町〉の町長 | |
Master who ruled them | - | その昔のゴクリのむれをとりしまっていたゴクリの | 指輪の王 | 指輪を | 指輪王(Lord of the Rings)ことサウロンのこと*4 |
my precious | いとしいしと | いとしいしと | 僕チン | 原著初版ではゴクリの自分自身に対する呼びかけ 原著第二版以降は一つの指輪に対する呼びかけにもなった ゴクリは歯擦音を好むので、語尾のsが多くなる場合がある | |
Nain | ナイン | ナイン | ネイン | ナイン | |
Necromancer | 死人占い師 | 死人うらない師 | ネクロマンサー*5 | ||
Noli | ノーリ | ノーリ | ノリ | ||
Oin | オイン | オイン | オイン | ||
Old Took | トゥック翁 | トックじいさん トックじいさま | 長老トック 老トック 祖父トック | 長老トゥック トゥック老 トゥック爺さん トゥックのお爺ちゃん | |
Radagast | ラダガスト | ラダガスト | ラダガスト | ||
Roäc | ロアーク | ロアーク | ロエク | ロアク | |
Sackville-Baggins | サックビル=バギンズ | サックビル・バギンズ | サックヴィル・バギンズ | サックヴィル=バギンズ | オソやロベリアのこと 『終わらざりし物語』では「サックヴィル=バギンズ」表記 |
skin-changer | - | 皮をとりかえるひと | ? | 毛皮をかえる | ビヨルンのこと |
Smaug | スマウグ | スマウグ | スモーグ | スマウグ | |
Thorin Oakenshield | トーリン・オーケンシールド | トーリン・オーケンシールド | ソーリン・オウクンシールド | トリン・オウクンシルド | |
Thrain | スライン | トレイン(改訂前) スライン | スレイン | トライン | |
Thrain the Old | (スライン一世) | - | ? | 〈父祖トライン〉 | 原著第三版で言及される。岩波書店版には登場しない |
Thror | スロール | トロール(改訂前) スロール | スロール | トロール | |
Tom | トム | トム | トム | ||
William | ウイリアム | ウイリアム ウィリアム | ウィリアム | ||
Barrel-rider | - | たるにのるぞう | 樽乗り | ビルボがスマウグに言った名乗り(以下同) | |
clue-finder | - | 手がかりをつかむ者 | 鍵の発見者 | カギの発見者 | |
he that walks unseen | - | 見えずに歩く者 | 姿を消して歩く者 | ||
Luckwearer | - | 運のよしお | 幸運を帯びる者 | 幸運はこび人 | |
Ringwinner | - | 指輪ひろっ太郎 | 指輪を獲得する者 | ||
stinging fly | - | 剣でさすハエ | 針のある蝿 | 針のあるハエ | |
web-cutter | - | くものす破り | ? | クモの糸切り |
種族名†
スペル | 該当項目 | 岩波書店版 | 原書房版(旧版) | 原書房版(新版) | 備考 |
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Big People | 大きい人 | 大きい人 | 大男 | 人間のこと | |
Deep-elves | - | 地のエルフ | 地の | 〈深いエルフ〉 | ノルドールのこと |
dragons | 龍 | 竜 | ドラゴン | ||
dwarves | ドワーフ | ドワーフ | ドワーフ | 悪いドワーフはゴブリンと仲間になることがあるという | |
eagles | 大鷲 | ワシ | 鷲 | ワシ | |
elves | エルフ | エルフ | エルフ | ||
goblins | ゴブリン | ゴブリン | ゴブリン | ||
Good People | - | みなさん よい種族 | ? | 〈善き者〉たち 〈善き人々〉 | エルフのこと |
Gnomes | ノウム | ノウム | ノーム | Deep-elvesつまりノルドールの別名 原書房(3rd edition)の本文には登場せず解説で説明される | |
Great Worms | 龍 | 大長虫(竜) | 邪竜 | 大ドラゴン | スロールの地図に描かれた翼の無い竜 |
High Elves of the West | 上のエルフ | 西のくにの上のエルフ | 西の高地の | 〈西〉の〈高貴なエルフ〉 | Light-elves, Deep-elves, Sea-elvesの総称 この三つは西の世界に行った 岩波書店(2nd edition)では三つとも西の世界から戻ってきたとされる 原書房(3rd edition)では一部が戻って来たとされる |
hobbits | ホビット | ホビット | ホビット | ||
hobgoblins | ホブゴブリン | ホブゴブリン | ホブゴブリン | トールキンの著者注によると、大きいゴブリンのこと 岩波書店版にこの注は収録されていない | |
Lake-men | 湖の人 | 湖の人間(たち) 湖の人(たち) 湖のやつら 湖の町の人々 | ? | 〈湖の人間〉 〈湖の人〉 〈湖〉の人間 | |
Lake-people | 湖の人々 | ? | 〈湖〉の人々 | ||
Light-elves | - | 空のエルフ | 光の | 〈光のエルフ〉 | ヴァンヤールのこと 光のエルフ (Elves of the Light) との混同を避ける為か、他の作品には用いられない呼称 |
Longbeards | 長鬚族 | 長ひげ族 | 〈 | 岩波書店(2nd edition)ではドワーフの二種族の一つ、原書房(3rd edition)では最も古い一族 | |
Men of Dale | 谷間の国の人間 | 谷間の町の人々 | ? | 〈谷の人間〉 | |
Men of the Lake | 湖の人 | 湖の町の人々 | ? | 〈湖の人間〉 | |
ogres | 人くい鬼 | 人くい鬼 | 人食い | 謎々の答えを考えるビルボの思考で言及 | |
orcs | オーク | オーク鬼 | オーク | トールキンの著者注によるとゴブリンのことだが、作中では別個の存在のように並記される | |
orcs of the mountains | 山の巨人 | 山の | 山のオーク*6 | ||
Sea-elves | - | 海のエルフ | 海の | 〈海のエルフ〉 | ファルマリのこと |
stone-giants | 石の巨人 | 石の巨人 | 岩石巨人 | 〈石の巨人〉 | |
spiders | 蜘蛛 | クモ | クモ | ||
trolls | トロル | トロル | トロル | ||
Wargs | ワーグ | きちがい犬(改訂前) アクマイヌ | ワルグ | ワーグ | |
wild Were-worms | (化けミミズ) | おそろしい長虫のとぐろをまいたやつ | どう猛なドラゴン | ||
Wood-elves | - | 森のエルフ 森エルフ | 森の | 〈森のエルフ〉 | 西の世界へ行かなかったエルフ 作中に登場する闇の森のエルフはこれに属する シンゴルとナウグラミーアに関する話も登場するので、恐らくシンダールやシルヴァン・エルフのこと |
woodmen | 森人 | 森の人 森の男 | ? | 森の住人 森の人間 | 岩波書店版では南から闇の森へとやって来た 原書房版では南から闇の森に戻って来た |
物品の名前†
スペル | 該当項目 | 岩波書店版 | 原書房版(旧版) | 原書房版(新版) | 備考 |
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Arkenstone | アーケン石 | アーケン石 | アルケンストン | ||
Beater | - | なぐり丸 | 〈たたき魔〉 | グラムドリングのこと | |
Biter | - | かみつき丸 | 〈かみつき魔〉 | オルクリストのこと | |
Black arrow | 黒い矢 | 黒い矢 | 黒い矢 | 黒い矢 黒の矢 | |
cram | クラム | たらふく | クラム | ||
Foe-hammer | - | 敵くだき | 敵を撃つ者 | 敵を | グラムドリングのこと |
Glamdring | グラムドリング | グラムドリング | グラムドリング | ||
Goblin-cleaver | - | ゴブリン退治 | ゴブリンを裂くもの | オルクリストのこと | |
Heart of the Mountain | - | 山の精髄 | 山の心臓 | 〈山〉の心臓 | アーケン石のこと |
magic ring(s) | - | 魔法の指輪 | 指輪 魔法の指輪 | 魔法の指輪 | 力の指輪のこと |
My birthday-present | - | たんじょうびのおいわいのしな | 誕生日プレゼント 誕生プレゼント | アタシの誕生プレジェント | ゴクリにとっての一つの指輪のこと |
Orcrist | オルクリスト | オルクリスト | オルクリスト | オークリスト | |
ring of power | 力の指輪 | 魔法の指輪 | 魔法の指輪 | ||
Sting | つらぬき丸 | つらぬき丸 | スティング | ||
Thror's Map | スロールの地図 | トロールの地図(改訂前) スロールの地図 | スロールの地図 | トロールの地図 |
地名†
スペル | 該当項目 | 岩波書店版 | 原書房版(旧版) | 原書房版(新版) | 備考 |
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Bag-End | 袋小路屋敷 | 袋小路 | 〈ふくろの小路屋敷〉 | ||
Beorn's house | ビヨルンの家 | ビヨルンの家 ビヨルンのやしき | ? | ビヨンの家 | |
Bywater | 水の辺村 | 水のべ村 | 〈みぎわ丁〉 | ||
Carrock | カルロック | 見張り岩 | キャロック | 古英語で岩・石のcarrと現代英語rockの合成語 | |
Dale | 谷間の国 | 谷間の町 | 〈谷〉 | ||
Desolation of the Dragon Desolation of Smaug | スマウグの荒らし場 | 竜の荒し場 スマウグの荒し場 | 〈ドラゴンのあらし野〉 スマウグのあらし野 | ||
doorstep | - | 入口の階段 | はなれ山の秘密の入口の前にある空間のこと 実際に階段や敷居があるわけではない | ||
Dorwinion | ドルイニオン | ドルウィニョン | ドルウィニオン | ||
Edge of the Wild | 荒地のくにのさかい | 荒地のくにのさかい 荒地のくにの入口 | 荒野の果て | 〈あれ野のへり〉 | ブルイネンの浅瀬辺り |
edge of the Land Beyond | - | おくの国の入口 | ? | 〈その先の国〉の | |
Elf-path | エルフ道 | エルフ道 | ? | エルフの道 | 闇の森北部を東西に横断する道 |
elf-road | ? | 〈森のエルフ〉の道 | |||
Elvenking's Halls | エルフ王の岩屋 | エルフ王の岩屋 | ? | エルフ王の宮殿 | |
enchanted stream | 魔の川 | 魔の川 | 魔の川 魔法の川 | ||
Esgaroth | エスガロス | エスガロート(改訂前) エスガロス | エスガロス | ||
Eyrie, the | ワシの巣 | ワシの巣 | ? | タカの巣(地図上) | |
Faerie in the West | - | 西のくにの妖精族(改訂前) 西のくに | 西の妖精の国 | 西の〈妖精の国〉 | アマンのこと。特にエルダマールのことか |
Ford | (ブルイネンの浅瀬) | 渡り場 | ? | 渡り場 | 地図上の表記 |
forest-gate gate of the forest | - | 森の入口 | ? | 森の入口 | エルフ道の西側出入口 |
Forest River | 森の川 | 森の川 | 森の川 | 〈森の川〉 | |
Front Gate | - | おもて門 表門 | 正面の門 | 〈おもて門〉 | はなれ山から早瀬川が流れ出る門 |
Front Porch | - | 玄関の間 | ? | 〈おもて玄関〉 | 本道の山道に面した洞窟の、ゴブリン達の名称 一行が野宿してゴブリンに捕まった場所 |
Goblin-gate Goblin Gate | - | ゴブリンの裏門(地図上) ゴブリンの門 | ? | ゴブリンの門 | 下の門(lower gate)のこと |
Goblin-town | ゴブリン町 | ゴブリン町 | ? | ゴブリン | |
Gondolin | ゴンドリン | ゴンドリン | ゴンドリン | ||
great chamber of Thror | - | スロールの朝見の間 | スロールご自慢の部屋 | トロールご自慢の集いの部屋 | |
Great House | - | 官邸 | 大舘 | 〈 | 湖の町にある建物 |
Great River | 大河 | 大川 | 大川 | 〈おお川〉 | アンドゥインのこと |
Great River of Wilderland | 荒地川 | ? | あれ野のおお川 | ||
Great Shelf | 大岩だな | 大岩だな | ? | 〈 | 大鷲に助けられた一行が運ばれた場所 |
Green Dragon Inn | 緑竜館 | 緑竜館 | 〈グリーンドラゴン亭〉 | ||
Grey Mountains | 灰色山脈 | 黒ぶせ山連山(改訂前) たそがれ山連山 たそがれ山の山脈 たそがれ山 | 灰色山脈 | 〈灰いろ山脈〉 | |
Gundabad | グンダバド | グンダバード | グンダバッド | ||
High Pass | 本道 | 大峠 | 山道 | 〈山道〉 | |
Hill, the | お山 | お山 | 丘 | 〈丘〉 | |
hobbit-hole | ホビット穴 | ホビット穴 ホビットの穴 | ホビット穴 ホビットの穴 豪邸 家 わが家 | ホビット穴 | |
Hobbiton | ホビット村 | ホビトン町(改訂前) ホビット村 | ホビトン市 | 〈ホビット村〉 | |
Iron Hills | くろがね連山 | くろがね山 | 鉄の丘 | 〈くろがねの丘〉 | |
Lake-town | 湖の町 | 湖の町 | 湖の町 | 〈湖の町〉 | |
Last Desert | いやはての砂漠 | いやはての砂漠 | 最後の砂漠 | 〈さいはての砂漠〉 | |
Last Homely House | 「最後の憩」館 | 「さらばふるさと」荘(改訂前) 「さいごの憩」館 | 最後の寛ぎの家 | 〈最後のくつろぎの家〉 | |
Lone-lands | (さびし野) | - | 無人境 | 〈わびしい国〉 | ホビットの土地の東を旅している時に言及される地名 岩波書店版(2nd edition)では登場しない語 エリアドールのことか |
Lonely Mountain | はなれ山 | はなれ山 | 寂しい山 | 〈はなれ山〉 | |
Long Lake | たての湖 | たてのうみ(改訂前) たての | 細長い湖 | 〈ほそなが湖〉 | |
Long Marshes | たての湖(沼地) | たての | ? | 〈ほそなが沼〉 | 闇の森から出た森の川の下流域に広がる沼地 岩波書店訳では湖で統一? |
lower gate, the | - | 下の門 裏門 | ? | 〈下の門〉 山腹に出る門 | 霧ふり山脈の東側に出るゴブリン町の裏口(back-door) ゴブリン達の名称 |
mines of Moria | モリア | モリアの鉱山 | モリアの炭鉱 | モリアの坑道 モリア鉱山 | |
Mirkwood | 闇の森 | やみの森 | 〈闇の森〉 | ||
Misty Mountains | 霧ふり山脈 | 霧ふり山 霧ふり山連山 霧ふり山の山脈 霧ふり山脈 | 霧の山脈 | 〈霧の山脈〉 | |
Mountains of Mirkwood | 闇の森山脈 | やみの森山 | ? | 闇の森の山々 | |
Mount Gram | グラム山 | グラム山 | グラム山 | ||
Old Ford | 渡り場 | わたり場(改訂前) 渡り場 | ? | むかしの渡り場 | 古森街道がアンドゥインを横切る渡り場 岩波書店版ではOldの部分が訳されていない |
Old Forest Road | 古森街道 | むかしの道 むかしの森の道 | ? | 森の古道 | |
Ravenhill | からすが丘 | からすが丘 | 鴉の丘 | 〈大がらすの丘〉 | Ravenとは大ガラスのこと |
Rivendell | 裂け谷 | さけ谷 | リヴェンデル | 〈さけ谷〉 | |
River Running Running River | 早瀬川 | 早せ川 | 〈ながれ川〉 | ||
Side-door | - | 秘密の入口 秘密のわき戸 | ? | 山腹の秘密扉 秘密の抜け穴 隠し扉 | |
town-hall | - | 官邸 | ? | 町役場 | 湖の町にある建物 |
Trolls' lair | - | トロルの岩屋 | トロルのほら穴 | ||
Underhill | 山の下 | 山の下 | 〈丘の下〉 | ||
Waste, the | - | 荒野 | ? | 〈あれ地〉 | 黄金を持ち逃げした湖の町の統領が餓死した場所 |
Water, the | 川 | 「流れ」 | 「川」 | 〈川〉 | |
Western Lands | - | 西のくに | ? | 西の国々 | 地図上の表記 |
Wide World | - | 荒地のくに | ? | 〈広い世界〉 | 中つ国のこと 岩波書店版はWilderlandと同じ訳があてられている |
Wild, the | 荒れ地の国 | 荒地のくに | ? | 〈あれ野〉 | 原語のwild及び訳語の「荒れ」は「野生の地」くらいの意味 闇の森等が存在するように、不毛なわけではない |
Wilderland | 荒れ地 | ||||
wild lands on this side of the mountains | 山のこちらがわのさびしい地方 | 山々のこちら側の荒野 | 山々のこちら側の荒れ野 | ||
Withered Heath | ヒースのかれ野 | ヒースのかれ野 | ? | 〈ヒースのかれ野〉 | |
wolf-glade | オオカミ広場 | オオカミ広場 | 狼の集合場所 | オオカミの集合場所 | ワーグが集う空き地 |
Wood-elves' realm, the | 闇の森の王国 | 森エルフの王国 | ? | 〈森エルフ〉の国 |
その他†
スペル | 該当項目 | 岩波書店版 | 原書房版(旧版) | 原書房版(新版) | 備考 |
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a great autumn feast | - | 秋の夜祭り | 秋の大宴会 | ||
Battle of the Green Fields | 緑野の合戦 | 緑ガ原の戦い | グリーン・フィールドの戦い | 〈グリーンフィールドの戦い〉 | |
Battle of Five Armies | 五軍の合戦 | 五軍の | 五軍の戦い | ||
Durin's Day | ドゥリンの日 | デューリンの日 | デューリンの日 | ドゥーリンの日 | |
Goblin-wars | - | ゴブリン戦争 | ゴブリン | 第一紀の宝玉戦争のこと | |
language of the Wargs | - | オオカミ語 | ワルグ語 | ワーグ語 | |
Messrs Grubb, Grubb, and Burrowes | うじ・うじ・もぐり商会 | うじ・うじ・もぐり商会 | グラブ・グラブ・バロウズ商会 | 『指輪物語』では、Grubbは | |
moon-letters | 月光文字 | 月光文字 | ムーン文字*8 | ||
There and Back Again, a Hobbit's Holiday | - | ゆきて帰りし物語、あるホビットの休暇の記録 | ゆきてかえりし物語―あるホビットの休日 | ビルボが旅の記録につけようと考えていた題名 後に西境の赤表紙本の原本となる | |
The Lord of the Rings | 指輪物語 | - | 『指輪の王』 | 『指輪物語』 | 解説文の訳の表記 |
Thorin and Company | トーリンとその仲間 | トーリンとその仲間 | ? | トリンおよび仲間 トリンと仲間 トリン一味 | |
Wain | ヴァラキアカ | 北斗七星 | 北斗七星 | ||
Yule-tide | ユール | 年のくれの祭り | クリスマスの季節 | 本来は古代ヨーロッパのゲルマン人が行った冬至祭のこと ホビット庄暦ではホビットの年末年始の祭のこと |
原書房版で問題とされた言い回し | ||||
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スペル | 岩波書店版 | 原書房版(旧版) | 原書房版(新版) | 備考 |
Great Elephants! | うどの大木じゃな! | ナンタルチア! | こりゃ、おどろき、ももの木、バナナの木じゃね! | |
Confusticate and bebother these dwarves! | このかきまわしやの、やっかいでかしのドワーフたちめ! | ごくつぶしのろくでなしめ! | ドワーフなんて、サーラバイバイ! さっさとオサラバ、去っちまえ! | ホビット穴へ押しかけたドワーフへの悪態をつくビルボ |
-without the burglar, confusticate him! | 忍びの者がいないんだ。いまいましい! | さて | さて、押入はどこへやら? あんなやつ、サーラバイバイ、サーラバイ! | 霧ふり山脈で行方不明になったビルボへの悪態をつくドーリ |
Hi! hobbit, confusticate you, where are you? | ごたごた野郎、どこへいった? | おい、ホビット! もうお前なんかサーラバイバイだぞ! どこにいるんだい? | おーい、ホビ公! もうお前なんかサーラバイバイだぞ! どこにいるんだい? | 闇の森でビルボを探すドワーフ達の呼び声 |
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