エスガロス†
解説†
たての湖に築かれた人間の水上都市。ソーリンとその仲間が訪れた頃には単に湖の町と呼ばれていた。
闇の森のエルフと、荒れ地の国の人間との交易の中心地。この町の民は湖の人と呼ばれ、湖の町の統領を中心に自治を行っていた。
構造†
たての湖の西岸、森の川の河口の北にある静かな入り江の水上に築かれた町。水上に町を築いたのは防衛のためであるという。
町は大部分が木造で、湖底に打ち込まれた杭の上に家々が建てられている。町の中心には大きな家に囲まれて池のようになった市場があり、そこから船で町の外へ漕ぎ出していくこともできた。
西の湖岸とは一本の大きな木造の橋によって繫がれており、周辺には畑や牧草地などが存在する。
山の下の王国と谷間の国が健在だった頃はエスガロスもより繁栄した大きな町だった。湖の水が引いた時には、その時代の名残である残骸の杭が町の外側に立ち並んでいるのを見ることができた。
『ホビットの冒険』でのエスガロス†
第三紀2941年、はなれ山に向かうソーリンとその仲間は、エルフ王の岩屋を脱出して湖の町に辿り着いた。
スマウグが襲来した当時(2770年)のことを覚えている町の人間はいなかったが、山に巣食う龍のことや、いつかはなれ山に山の下の王が戻ってきて町も繁栄を取り戻すといった予言が歌として語り継がれていたため、住民はソーリン達を盛大に歓迎し、山へと送り出した。
しかしそのために町はスマウグの怒りを買い、襲撃を受けることになる。住民は橋を落として抵抗したが、木造の家々はスマウグの火によって焼き払われた。最終的にスマウグはバルドによって射落とされ、その落下と断末魔のあがきによって町は完全に破壊された。
被災した住民は闇の森のエルフの援助を受けて町の再建に取り掛かり、またその一部はバルドに率いられてはなれ山に向かい、五軍の合戦を戦った。
合戦後、より大きな町として復興したが、その場所はスマウグの死骸を避けて元あった場所より北の湖面に移った。また住民の一部は再建された谷間の国へ移住した(バルドの一党)。
画像†
映画『ホビット』における設定†
トールキンが具体的な町の面積について述べた資料は無いが、トールキン直筆の挿絵と比べると遥かに広大かつ複雑な町並みになっている。町の位置も挿し絵より沖合いで、桟橋が大幅に長くなっている。原作で言及されていた農地の描写はない。劇中ではほぼ“湖の町”と呼ばれているが、闇の森のエルフには“エスガロス”と呼ばれている。
ソーリンの一行が訪れた時にはエレボール滅亡の影響で貿易が衰退しており、食糧供給などの生活事情は厳しく、政治に対する住民の不満がくすぶっていた。
スマウグの襲撃で町自体はほぼ完全に壊滅したように描かれているが、生き残った住民は(統領がスマウグ襲撃の中で行方不明になっていたこともあり)バルドの指揮の下、冬を越すためデイル(谷間の国)の廃墟へと向かっている。
画像†
ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定†
Update22で、一つの指輪破壊直後の湖の町(エスガロス)が実装。湖上都市が再現されているほか、湖の町の南にはEsgaroth-of-old(旧エスガロス)として、スマウグの死骸で破壊され、スマウグの骨が残っている古いエスガロスの廃墟があり、密輸屋などが徘徊している。
『一つの指輪:指輪物語TRPG』における設定†
五軍の合戦後に再建された町並みが登場する(ピーター・ジャクソンの映画との世界観の繋がりは無いため、映画版のエスガロスが再建された姿ではない)。
コメント†
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