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ルパン三世:脚本に押井守起用の裏側 「初めて見るルパン」「やったことがない表現」 - MANTANWEB(まんたんウェブ)

 (シリーズ構成の)大倉さんは「ダメ元で頼んでみたんです」と押井さんへのオファーの経緯を語る。

 「押井さんと私は、空手仲間なんです。推理作家の今野敏先生が主宰されている空手塾がありまして、押井さんは私が入塾するもっと前から空手をやってらっしゃった。だから兄弟子なんです。ずっと一緒にけいこをしていて、殴ったり、殴られたりしていて(笑い)。私が『ルパン三世』のシリーズ構成をやることになった時、空手のけいこ終わりの汗まみれの状態で、ダメ元で『今度ルパンをやるんですけど、押井さん、やりません?』と聞いてみたら『あ、いいよ』と即答だったんです。まさか即答してくれるとは思わなかったので、勝手に『お願いします』と言ってしまったんです」

 野崎プロデューサーに押井さんの脚本を読んだ感想を聞いた。

 「テーマ選びや独特の言葉遣い、一度見ただけでは分からない難解な感じなど、まさに押井さんならではという脚本でした。制作としては、本当にこれを作って大丈夫なのかな?というところも頭の中ではあったんですが、ただこの作品は見ていて面白いし、初めて見るルパンだったんです。これまでのルパンではやっていないような表現でした。その上でやりましょうと決断した形です。映像を見ていただければ分かるのではないでしょうか」

押井守氏が空手道場に通っていることはよく知られていますが、まさか発端がそんな繋がりとは。

押井守監督インタビュー「ドラえもんの監督オファーがあったら喜んで受ける」70歳の現在も変わらぬ“アニメ現場”への思い | ふたまん+

 宮さんからは、レイアウトの重要さを勉強したし、いろいろとパクって学べたこともある。宮さんは「半年は食えなくても大丈夫なだけの貯金はしておけよ」とも教えてくれました。『天空の城ラピュタ』(1986年)を撮るまでは、宮さんも“どうやって食いつないでいくか”を考えるような状態でしたから。

 本当に面白かったのはその頃までですね。それから宮さんとスタジオジブリは国民的アニメ映画を作り、批評されることがない、誰からもいいことしか言われない存在になってしまった。

 僕は宮さんと長く語り合って、作品を観て、内実も考え方も分かっている。年の離れた友人ではあるけど、お互いにリスペクトしているという関係でもない。そんな僕だからこそ、語れることがあるんじゃないかと、今回『誰も語らなかったジブリを語ろう 増補版』(発行:東京ニュース通信社 発売:講談社)という本を出しました。宮さんの目が黒いうちに、こういう本を作るべきだと思ったんですよね。

 今はオリジナル作品をやりたいという気持ちがまったくないんです。

 自分の色を出すのに、原作があるもののほうがやりやすい。この年齢になって、与えられたお題に自分がどう反応するかが面白いと思うようになりました。オリジナルだと“距離”を置けなくなってしまうんですよ。だから、仮に「『ドラえもん』の監督をやってくれ」とオファーがあったら、僕は喜んで受けるでしょう。ただ、受けた以上、内容は自分流にしますけどね。

まあ『ぶらどらぶ』も実のところ昔の『ちまみれマイらぶ』というディジタルコミックのリメイクみたいなところがありますが。