押井守とAIなどに関する記事 2つ

Twitterのほうで上げていましたがこちらに上げ忘れていたので、旧聞も含みますが紹介しておきます。

機械による人類の新たな進化はどこへ向かうのか ~豪華メンバーが議論、京セラ「異種格闘技戦 2019」レポート

 押井氏は、「ある時期までは人間を革新することに興味があった」という。「宗教もイデオロギーもだめだったが、もしかしたら技術は人間を革新する余地があるかもしれない。でもわからなかった。だから『攻殻機動隊』も曖昧な終わり方になっている」と述べた。

 だが続編の『イノセンス』の頃から人間の運命に興味がなくなったという。むしろ生き物として失敗だったのではないか、そしてそのダメな人間が、自分たちの後継者として何を作り出すかに興味がシフトしたという。だから「ポストヒューマン」だというわけだ。

 押井氏は「人間の次に来るものに、ある種の期待感を持っている。それが人間のなせる最後の仕事ではないか」と考えており、だから「AIと人間とを比較してどうこうといった議論には興味がない」し、「人間ではないもの、ある種の合理性の先に出てくるもの」に興味があり、人間には理解できないものを目指すべきだと語った。

 1つ目のステップとしては人間以外の動物に目をむけるべきで、彼ら、たとえば犬に近づくことに興味があるとし、押井氏自身は「犬とつながってみたい」と語った。犬のような人間以外のものと生を共有し、見えない尻尾を持ち、犬として世界を見てみたいと語った。そして「人間ではないものを生み出せるのは科学だけ」であり「科学に最後に課せられたのは人間に役に立たないものを作り出すことなんじゃない」と述べた。

「攻殻機動隊」の押井守が語る「日本人は進んで未来を捨ててきた」

 かつてのソニーやホンダみたいな、技術というものを面白がる企業って今はほとんどない。眼前の状況への適応に特化することで、最大の利潤を引き出そうというあり方に、ほとんどの日本企業が移行しちゃったんですよ。企業である以上、利益をまず出さなきゃいけないとか、最小のコストで最大の利潤を引き出すにはどうするかといった発想は、一見すると正しく見える。

 でもちょっと考えればすぐ分かるように、この発想じゃ中長期的には右肩下がりになるに決まっている。スティーブ・ジョブズがやったような、世の中に合わせるんじゃなくて、自分が生み出すものが世の中を変えていくっていう発想と全く逆を日本企業はやっているんだもん。