「押井守と映像の魔術師たち」および展覧会図録について

遅ればせながら、八王子市夢美術館で9月5日まで開催中の「押井守と映像の魔術師たち」に行ってきました(11月20日から2011年2月6日までは出雲市立・平田本陣記念館で開催予定)。

押井守と映像の魔術師たち 会場近くの案内板押井守と映像の魔術師たち 会場ロビー入り口
左写真 会場近くの案内板
右写真 会場ロビー入り口

『鉄人28号』にて使用されたタペストリー降下猟兵Temjinのフィギュア
押井守と映像の魔術師たち 受付押井守と映像の魔術師たち 受付

左上写真 ロビーに張られていた、舞台『鉄人28号』にて使用されたタペストリー。モデルは押井氏の愛犬ダニエル。
受付は売店状態になっており、押井守関係グッズ・書籍が色々と販売されていました。『真・女立喰師列伝』『アサルトガールズ』に登場した降下猟兵"Temjin"のフィギュアも販売されていました(右上写真)。定価35000円の所特別価格30000円で限定10個の販売だそうです。

写真撮影可能なのはロビーだけなので、写真は残念ながらここまで。

さて展示内容ですが、前回感想サイトを紹介しましたし、他にも

「天使のたまご」の絵コンテを観てきました ~押井守と映像の魔術師たち~ - うつせみ日記 (Utsusemi Nikki)
観て、メモって、うpして。:押井守と映像の魔術師たち
Cyber Rave : 久々に押井 守
八王子夢美術館「押井守と映像の魔術師たち」: ぶらぶら製作屋の日記
「押井守と映像の魔術師たち」展 #oshii: ひねもすのたりの日々
■八王子市夢美術館「押井守と映像の魔術師たち」 『ガルム戦記 G.R.M. THE RECORD OF GARM WAR』: ★究極映像研究所★

とあちこちで紹介されているので私の方では省略します(手抜き)。個人的には、押井氏が学生時代に使用していたという16mmカメラが非常に印象に残りました。

代わりに、あまり触れられていなかった『押井守と映像の魔術師たち 展覧会図録』について詳しく。

押井守と映像の魔術師たち 展示図録 表紙押井守と映像の魔術師たち 展示図録 裏表紙

これは文字通り、会場に展示されている展示品の図録で、『天使のたまご』『機動警察パトレイバー』『人狼 JIN-ROH』『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』『イノセンス』『スカイ・クロラ』『宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-』などの原画、絵コンテ、設定画、カット、ロケハン写真、作画参考用立体物写真などが掲載されています。
ただし、全展示品が網羅されているわけではありません。展示会場では『立喰師列伝』にて使用された(ミッ○ーマウスの代わりに使われた)ネズミのかぶり物、『ケルベロス』のプロテクトギア、『鉄人28号』『28 1/2』の鉄人コントローラーなども展示されていましたが、この図録には含まれていません(『めざめの方舟』関係の写真掲載も不十分)。さらに展示の目玉であり、今後二度と見る機会はないかもしれない『G.R.M.』関連についての模型なども全く掲載されていません。『G.R.M.』については権利関係がややこしいと小耳に挟んだことがあるのでそのためと思われますが、片手落ちの感が否めません。むしろ『天使のたまご』から『スカイ・クロラ』にいたるほとんどの作品に関しては、既に単独で絵コンテ集や設定資料集などのムックが発売されているため、「それらから抜粋して再録した」という印象すら受けてしまいます。

ただ、けっこうインタビューが充実しています。押井守監督の他、写真家の樋上晴彦氏、アニメーターの西尾鉄也氏、竹内敦志氏、VFXの佐藤敦紀氏、監督・演出の西久保瑞穂(利彦)氏のインタビューが掲載されており、ひとつの作品に限定されず語っているとのはあまりないパターンなので面白いです。

そしてこの展覧会図録ですが、価格3150円。既に色々な押井作品の設定資料集を持っている私からすると重複分が高く感じられますが、設定資料集をあまり持っていない人にとっては、まとめ的なものとしていいのではないでしょうか。結局は「直接展覧会を見に来るべき」ということなのですが……。

この図録は書店売りは行わないとのことですが、既にブログのコメントで触れていただいております通り、美術館で通販の受付をしているということです。送料は1冊500円。購入希望者は八王子市夢美術館に電話連絡の後、現金書留か口座振り込みで代金を支払ってほしいということでした。