日本の携帯電話通信はWebではない?

iPhoneにMobile Firefoxが載らない理由

この記事にJohn Lilly氏の発言は日本の携帯も「ウェブではない」と切り捨てる。という記述がありました。記事の内容そのものとはあまり関係はないのですが、ちょっと個人的に印象的な言葉でした。

考えてみたら、日本の携帯電話コンテンツがウェブであるわけはないんですよね。技術的な用語の定義はさておき、インターネット(のハイパーテキストシステム)が「World Wide Web」と呼ばれるのは、「世界中のネットワークが蜘蛛の巣のように繋がっている」から「World Wide Web」なんです。

ところが、一般的な日本の携帯電話コンテンツは、ほとんどがそのコンテンツ内で完結しており、外部に飛ぶリンクがありません。「自社のコンテンツから顧客を逃がさない」ことを最優先に作られており、コンテンツに行くには、携帯電話各社のトップサイト(iMenuなど)から飛ぶことが前提になっています。蜘蛛の巣のように広がっているのではない、非常に閉鎖的なネットワークです。そもそも各コンテンツも有料でないと見られないものばかりのため、「余所の携帯サイトを紹介する意味も価値もない」という状態になっています(金銭的契約のもとに紹介しているのでない限りは)。

そういう意味では、WWWから派生して誕生した日本の携帯電話によるネットは、WWWではなくむしろ過去のパソコン通信の方向へ逆行していると言えるのではないでしょうか。パソコン通信も、個々の会社が閉鎖的なネットを構築し、その中に金を払ってくれる会員を集め囲い込むことで商売をしていたのですから。

はたして、この方向がいいことなのか悪いことなのかはわかりませんが。