『よみがえる空』実写映画化

押井守とは全く関係ないのですが、どうしても触れたかったので。

航空自衛隊航空救難団を題材にし、2006年に放送されたTVアニメ『よみがえる空 -RESCUE WINGS-』が、『空へ ~救いの翼~ RescueWings』というタイトルで実写映画化されることになりました。

■よみがえる空 -RESCUE WINGS-■:「よみ空」映画化決定です! - livedoor Blog(ブログ)

私はとにかく『よみがえる空』が大好きで、未だに「ここ数年で、個人的にベストのTVアニメ」だと思っております。その作品とこんな形で再会できるなんて、本当に嬉しい限りです。

高山侑子、映画初主演 天国の父が導いた空自ヘリ操縦士:芸能:スポーツ報知

 昨年女優デビューした高山侑子(15)が、航空自衛隊の女性救援ヘリコプター操縦士の活躍を描く映画「空へ~救いの翼~」(手塚昌明監督)に主演することが2日、分かった。高山の父・和士さんは空自の新潟救難隊員で、05年の墜落事故により37歳の若さで死去。高山は和士さんの追悼式に出席するため初めて上京した際、芸能事務所にスカウトされた。高山は「お父さんがこの作品に導いてくれた」と語った。

 高山は新潟に住む15歳の高校1年生。昨年2月放送の2時間ドラマで女優デビュー。映画は2本の短編に出演しているが長編はこれが初めてだ。

 映画で描かれる空自の航空救難団は、警察や消防では対応できない現場に出動する"最後の砦(とりで)"。先ごろの岩手・宮城内陸地震にも投入された。高山はその救難団で、命がけの救助活動を通して成長する新人ヘリ操縦士を演じる。

 高山の父・和士さんは04年の新潟県中越地震などで活躍した新潟救難隊員だった。05年4月14日、和士さんら隊員4人が乗った救難捜索機が訓練中に墜落し、全員死亡した。高山は「実感できなかった。でも(小6の弟と小4の妹の)お姉さんなので、いつまでも悲しんでいられません」

 意志の強そうな目は父親似と言われる。小学校ではバスケット部のエースで今はYOSAKOIダンス部に所属。スポーツ万能だった父から抜群の運動神経も受け継いだ。

 役柄は実年齢より8歳上の23歳。「年齢より上に見られるので」と不安はない。主演のプレッシャーは感じるが、強みは間近で父の救助活動を見てきたこと。「ヘリからロープで洪水の中に降りて行くビデオを見た。お父さんは『助けた人にお礼を言われるのが一番うれしい』と。救助の大変さ、尊さは人より知っているつもりです」

 父から命の大切さを教わり獣医師を目指したこともある少女は、父の追悼式で初めて上京した05年5月、原宿でスカウトされた。製作の角川映画は「神秘性とスター性を持った正統派女優」とほれこんでおり、早くも次作の主演を決めている。

 高山は「この作品に運命的なものを感じます。人命救助という素晴らしい仕事が世間に広まったらうれしい」と話している。クランクインは7日を予定。共演は三浦友和、木村佳乃、井坂俊哉、渡辺大ら。来年新春公開。

◆高山 侑子(たかやま・ゆうこ)1992年10月13日、新潟生まれ。15歳。07年、日テレ系ドラマ「30億円ダイヤ強奪!」でデビュー。同年TBS系「パパとムスメの7日間」で連続ドラマ初出演。今年は短編映画「UFO食堂」「ポイズン山田のディープナイトジャパン」に出演。昨年4月から雑誌「ピチレモン」の専属モデルを務める。身長165センチ。血液型AB。

実写映画版では、15歳女優が、23歳の女性自衛官パイロットを演じるようです。

アニメ『よみがえる空』の主役は男性自衛官パイロットですが、当初の企画段階では、女性パイロットが主役になる予定でした。要するに、女性パイロットを「華」として「客引き」をするつもりだったのですが、女性パイロットを主役にすることに、監督の桜美かつし氏やシリーズ構成の髙山文彦氏、アニメ制作会社J.C.STAFFのプロデューサー松倉友二氏が反対。彼らは航空自衛隊航空救難団を取材しているうちに、その世界にどんどん魅せられ「空自に女性パイロットが実在しないわけではないが、リアルに骨太に『男の世界』である航空自衛隊の救難部隊を描きたい。それに1クールでは『なぜ女性なのにパイロットになったのか』ということを描けない」と判断したそうです。

一方で、「人知れず人々のために空を飛んでいる、自衛隊の救難部隊を描きたい。航空救難団の存在を知って欲しい」とこの企画を立ち上げた、根っからの自衛隊マニアであるバンダイビジュアルの杉山潔氏(自衛隊を何度も取材して、自衛隊の紹介DVDも作っています)は、スタッフの主張に対し「(女性主人公は)売るためには仕方ないんです」と言っていましたが、

桜美+髙山「お前が本当にやりたいのはこんなアニメなのか! 違うだろ」
杉山「白状します、本当は違うんです」
松倉「じゃ、本当に作りたかったものを作ろうじゃないか」

というやり取りの結果、最終的には男が主人公になったということです(『よみがえる空 公式ガイドブック』より)。なお、アニメ『よみがえる空』最終巻のDVDにはパイロットフィルムが収録されています。そちらでは当初の企画通り主役は女性パイロットで、キャラクターデザインももっとアニメチックでした。さらにアクション要素もかなり強いものであり、なんと小型ロボット(レイバー?)みたいなものまで出てきます。しかし、実際に制作されたTVシリーズアニメ『よみがえる空』は、男性パイロットを主役とし、地味でリアルな路線を突き進むことになったのです。その結果「女が主人公のアニメだというから制作を許可したのに、なんでこんなアニメになったんだ」と、杉山氏はバンダイビジュアル社内でつるし上げられたそうですが……。

一方で、TVシリーズよりも短い映画の枠内で、女性パイロットを主役としてどのように描くのかというのが少々気になるところですが、実写版には杉山氏も「原作・協力プロデューサー」として参加しているということですから、期待せずにはいられません。

なお、アニメと同時期にメディアミックス展開したコミック版『レスキューウイングス』では、主人公は女性パイロットとなっております。映画では、こちらの設定がベースとなるようです。