Sankei Webの書評より

ファンタジー万華鏡(カレイドスコープ)Sankei Web 読書 【書評】児童書 『ファンタジー万華鏡(カレイドスコープ)』(07-18 0500)

 世界中の子どもたちをとりこにした「ハリー・ポッター」に象徴されるネオ・ファンタジーの魅力とは、いったい何処にあるのか? 著者はそれを現代における「リアルとは何か」をキーワードにして巧みに解読してみせる。

 「タイム・ファンタジーとしての『指輪物語』」を論じながら、萩尾望都の『ポーの一族』のようなマンガ作品から、北村薫、村山由佳、宮部みゆきの作品にまで言及する。押井守のアニメ『イノセンス』を取り上げて、フィギュアに見られる身体と魂を論じ、小野不由美の『十二国記』を「メタフィクションの視点をトッピングしたキメラ小説」と断ずるというように、著者の関心はまことに多岐にわたっている。

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