ER

ちょっと前の話だが、ノア・ワイリー、「ER」を降板予定 - FLiXムービーサイト
これで(脇役の看護師とかを除けば)1stシーズンから登場し続けているレギュラーキャラは一人も残らなくなってしまった。

先日、NHK BS2でのER IXの放映が終わってしまった。その最終話は、アフリカでのNGO活動に参加したカーターとコバッチュの話で、2人以外はレギュラーメンバーが全く登場しないアフリカの話だった(以前、田舎町を舞台にしたベントン一人の話の時もあったが)。実写で、たった一話のためにこんな撮影をしてしまうのだから、やはりERは桁が違う。

その1話前も、非常に演出的に面白い話だった。同じ日の朝と昼の事件を同時に描くのだ。「朝の出来事」「夜の出来事」「朝の出来事」「夜の出来事」と、同じ日の朝と夜の出来事を平行して画面に映しながら、一つの物語を作り上げる。例えば、朝病院に患者が担ぎ込まれて治療している様子と、夜に同じ患者が死んでいく様子を同時に映し出す、しかも台詞をシンクロさせながらだ。事前に、非常に緻密に計算しなければまともに撮影することも出来ないだろう。昼、一人の老僧が、念仏の声と友に死んでいく。その念仏の声に重なりながら、夜に新しい命が生まれる……。

9thシーズンでは、時間をどんどん逆に遡って描く話というのもやっていた。5時の出来事、4時の出来事、3時の出来事……といったように。時に、こういう奇抜な演出があるからERは面白い。逆に言うと、こういう事をしないとマンネリ化してしまうからやらざるを得ないのだろう。

日本のアニメでも、こういった演出的・構成的に冒険した話をもっと見たいものだが。