押井氏が日本への加速器誘致運動“ILC Supporters”発起人に

計画自体はけっこう以前からあった、日本への国際リニアコライダー(International Linear Collider)加速器)誘致の動きですが、押井守氏がその新たな誘致運動“ILC Supporters”の発起人になったとのことです。

押井氏の他にも、メンバーとして押井守氏、東京大学特任教授の山下了氏、アニメーションプロデューサーの竹内宏彰氏、アニメーション監督の森本晃司氏、クリエイター・声優の木村優氏、ゲームディレクターの鈴木裕氏が参加。会見には不参加となったが作曲家の川井憲次氏もメンバーに名を連ねる。と、大物の名前が並んでいます。

押井守が挑む最初で最後の社会運動「ILC Supporters」が発足。人類史上最大の加速器を日本へ | ぼくらの自由研究室 - Watch Headline

ILC Supportersの発足理由について、発起人である押井守氏は、

「地上でビッグバンを再現するという学術目的以外になんの目的も持っていない装置が、大変なお金をかけて作られる、というのは良い話だと思った。戦後の日本は利便性、地上的な幸福の追求、つまりいかに豊かな暮らしをするか、というのを目指して来たが、その結果、若者が希望を持ちづらい息苦しい世界になってしまった。映画監督は夢みたいな話を作る仕事だが、そんな自分が一度は夢みたいなことを実現して、人類の役に立つことをしたい。そう思って色々な人を巻き込んでいったら、気づいたら発起人になっていた」

押井氏は「直感的に捉えたILCは、何の役にも立たないもの。以前、それが何の役に立つのか、などと連呼する政治家がいたが、それに猛烈に腹が立った」「日本人は形あるものしか尊重しない、目に見えるものしか評価しない。人間の感覚で追いきれないものをどうやってイメージで追うのか。そのためにどれだけのお金、時間、才能を使い潰すことで獲得できるのか。そういったことに日本人は無頓着」と語る。

人類史上最大の基礎科学プロジェクトを応援しよう - ILC Supportersが発足 | マイナビニュース

「60年以上生きてきて、いろいろな国家的なプロジェクトが上がっては消えていった。ILCは経験してきた中で、一番筋が通った、まっとうな取り組みだと思った。同じ、この日本という国に生きている人間として、1つくらい、世界に胸を張れることをやってもらいたいと思っているし、それにちょっとでも自分が貢献できればと思っていたら、発起人になってました」と、これが同氏にとって、最初で最後の社会的な活動であることを強調。やっていくからには、楽しくやっていくことをテーマの1つとして掲げたという。

現在ILC Supporters公式サイトではタトゥーシールの画像をダウンロードしており、賛同者はそれをつけた画像をソーシャルネットにアップすることでサポーターになれるとのことです。

国際リニアコライダー 公式サイト

押井守監督 × 山下了特任教授 × 竹内宏彰氏 スペシャルトークショー 前篇 – ILC Supporters
押井守監督 × 山下了特任教授 × 竹内宏彰氏 スペシャルトークショー 後篇 – ILC Supporters

ヒルズライフ HILLS LIFE|押井守は言った。「このままでは人類初の『世界研究所』計画が、潰えるかもしれない」と。