鈴木謙介氏インタビューに『攻殻SSS』の話

Business Media 誠:2030 この国のカタチ:ネットワーク化で社会を変革せよ―― 社会学者、鈴木謙介氏インタビュー(後編)

確かに世代間対立の感覚はじわじわと広がっています。2009年・2010年に映画が公開されたアニメ『東のエデン』なんかはそうですね。実はこの作品の監督で、『攻殻機動隊 Stand Alone Complex』テレビシリーズの監督でもあった神山健治さんが、『攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society』の中で描いた話が、ちょっと面白いかもしれません。

近未来の話なんですけれども、子どもを持たずに高齢者になってしまった世代が、機械につながれて介護を受けているんですね。でも、もう死んでしまうっていうことで、「彼らの遺産をどうするか」という問題が出てくるんです。老人たちは「自分たちの遺産を国に回収されるくらいなら、誰か特定の人に相続させたい」と考えている。そこに児童虐待を巡る大きな陰謀が絡んできて……というのが話の筋書きですが、ある種のリアリティがありますよね。