スターウォーズ Episode VIの修正

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スター・ウォーズ トリロジー DVD-BOXに収録されるEpisode VI『ジェダイの帰還』でアナキンがマスクを取るシーンの顔が、ヘイデン・クリステンセンに差し変わっているという。nikkansports.comの記事からすると、これはルークにマスクを取られた、今際の際のヴェーダー(セバスチャン・ショウ)ではなく、3人のジェダイが並んでいるシーンのもののようだ。デヴィッド・プラウズはEpisode IVからヴェーダーのマスクを被ってきた人物である。

とにかく身長が高いということでヴェーダー役に選ばれたデヴィッド・プラウズ。だが彼の喋りは農民のような訛りが強く、“ダース・ファーマー”と陰口を叩かれていたという。それで「彼にはヴェーダーの威圧感ある喋りは無理」ということで、代わりにヴェーダーの声に抜擢されたのがジェームズ・アール・ジョーンズ。この事にプラウズは気を悪くしたらしい。更に、殺陣のシーンでも別のスタントマンに演じられてしまっているし、ついでに言うと脚本を出演者にも秘密にしておく(最低限しか教えない)ルーカスの秘密主義により、Episode Vの試写では「私がお前の父だ」というジョーンズの声を聞いて「俺が(撮影の時に)言った台詞と違う!」と、プラウズは椅子からずり落ちたという。彼は撮影の時には、「オビ=ワンがお前の父を殺したのだ」と喋らされていた。

私はEpisode VIのラストに出てくるアナキンがプラウズ本人だとは知らなかったが、これがやっと彼本人が出てくるチャンスだったというわけだ。それなのに、その場面を塗り潰されてしまったということである。(訂正 元記事の間違いで、立っているシーンもセバスチャン・ショウ)
そういえば彼はEpisode IIIに出たいと意欲を燃やしていたそうだが、実際に撮影に参加したという話も聞かないし、やっぱり出られなかったのだろうか。余りに不遇すぎる……。

で、スターウォーズはEpisode Iの公開前に、オリジナル版に追加シーンの挿入やCGによる場面差し替えを行なった『特別編』が公開され、今回のDVDはその特別編が元になっているわけだが、相変わらず「オリジナル版を出してくれ」というファンは多い。しかしルーカスにとってはオリジナル版は「出来の悪い妥協の産物」であって葬り去りたいと思っているものだ。それでも、美化された当時の思い出に浸りたいのか、とにかくCGが嫌いだからか、オリジナル版を欲するのである。

勿論私はCGが万能だとは思っていないし、CGでは手に入れられない画面というのも確かにある。しかし人々のCG嫌いというのは、「昔からのワイヤーや着包みに慣れ親しんでいるだけ」というのが大きいのではないか。舞台でも、慣れてしまえば黒子の姿など視界に入らなくなるのと同じである。だが制作者にとっては、合成の境目などという“黒子”が見えるヴァージョンを欲しがられる(制作者にとってはそう言われているのと同じだろう)のは、チープな過去の恥辱を要求されているのと同じで、たまったものではないだろう。結局は、CGによる補正と演出の追加で得られるものと失うもの、どちらを重く見るかという話なのだが。

まあ、今では撮影が何でもCGで出来るようになってしまったので、映像を見ながら「これはどうやって撮ったんだろう」と想像する楽しみが無くなってしまったのは寂しいものではある。