イシルドゥルの巻きもの†
概要†
カテゴリー | 物・品の名前 |
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スペル | Scroll of Isildur |
異訳 | イシルドゥルの自筆の記録 |
解説†
イシルドゥルが手に入れた一つの指輪について書き記した記録。
ミナス・ティリスの文書庫に保管されていたが、その存在は忘れ去られていた。
長らくその存在はゴンドールの伝承に通じるサルマンのみが知るところであり、彼はここから「一つの指輪には暗黒語の銘が入っている」という指輪学上の知識を得ていた。第三紀3017年、ガンダルフはサルマンの言葉を手がかりにこの巻きものの存在に辿り着き、そこから「火中に投じれば暗黒語の銘が浮かび上がる」という一つの指輪の判別法を得ることができた。
『大いなる指輪は、今後北方王国重代の宝器となすべし。されど、これら大いなる事どもの記憶が薄れいく時の至らんを恐れ、同じくエレンディルの世継の住むゴンドールに、その記録を残すべし。』
『予が初めてそれを手に取りし時、指輪は火のごとく熱く、予が手を焼きたり。ために予はその痛みのふたたび癒さるる日あるやを疑いしほどなりき。されど、今予がペンを取るうちにも、それは熱を失い、収縮せるがごとく見ゆ。ただしその美質、その外形を何ら失うことなし。当初は赤き焔なして鮮やかに見えし表面の文字もすでに薄れ、今はただ辛うじて読むにたるのみ。書かれたる文字は、エレギオンのエルフ文字なり。けだしモルドールにはかかる精緻なる細工に向く文字のなきがためぞ。されど、その文字のしるす言葉は予の知らざるところなり。思うにその音のひどく不快にして耳障りなるよりすれば、かの黒き国の言葉か。いかなるまが事を述べたるかは知らず。されどその文字の読みがたきまで薄れ去るを恐れて、予はここに、その写しを記録す。指輪は、かのサウロンの手の黒くして、火のごとく燃えいたる熱気を恋うるなり(ギル=ガラドの滅びしもその手のためなりき)。かりにこの金をふたたび熱するとせんか、書かれたる文字もふたたび明らけくならん。しかれど、予としては、ゆめ損なう心あらず、サウロンのありとある業のうちにて唯美しきはこれのみ。このものを贖うに、大いなる痛手をはらいたるも、予にとりていとしきものなればなり。』*1
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