#author("2023-09-05T00:14:45+09:00","","")
#author("2024-01-27T00:08:32+09:00;2023-09-06T12:13:33+09:00","","")
-冷血龍に殺された灰色山脈の統治者ダーイン一世(Dáin I)については、[[ダーイン一世]]を参照してください。
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* ダーイン二世 [#f7488a21]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Dáin II|
|~異訳|ダイン二世|
|~その他の呼び名|鉄の足ダーイン(Dáin Ironfeet) &br; [[山の下の王]](King under the Mountain)|
|~種族|[[ドワーフ]]([[長鬚族]])|
|~性別|男|
|~生没年|[[第三紀]]2767~†3019年3月17日(享年252)|
|~親|[[ナーイン]](父)|
|~子|[[ソーリン三世]](息子)|

** 解説 [#Explanation]

|>|>|~[[長鬚族]]の王|h
|CENTER:先代&br;[[ソーリン二世]]&br;2850~2941|CENTER:''ダーイン二世''(鉄の足)&br;[[第三紀]]2941~3019年3月17日(78年間)|CENTER:次代&br;[[ソーリン三世]]&br;3019~不明|

『[[ホビットの冒険]]』及び書籍版『[[指輪物語]]』の表記は''ダイン''。『指輪物語』[[電子書籍版]]の翻訳改定で''ダーイン''に変更された。

''鉄の足ダーイン''と呼ばれる。[[ナーイン]]の息子。[[ソーリン三世]]の父。
[[くろがね連山]]の統治者であったが、彼の家系は[[長鬚族]]王家の分家にあたるため、[[ソーリン二世]]の死後は本家にあたる再興された[[山の下の王国>エレボール#Kingdom]]の王となった。

*** [[ナンドゥヒリオンの合戦]]におけるダーイン [#se8c3b13]

>かれの後から赤いまさかりを持ったドワーフが一人跳ぶように階段を駆け上って行った。ナーインの息子、鉄の足のダーインである。ちょうど[[入口>ナンドゥヒリオン#gate]]の前でかれは[[アゾグ]]に追いつき、かれを討ち取って、その首を&ruby(は){刎};ねた。これはたいへんな手柄といえた。なぜならダーインはドワーフの年齢からいえば、まだほんの青二才だったからである。しかしかれの前途には長い生涯と数々の闘いが横たわっていた。((『[[指輪物語]] [[追補編>指輪物語/追補編]]』「ドゥリンの一族」))

ダーイン二世の祖父[[グロール]]は、[[長鬚族]]の王であった[[ダーイン一世]]の三男であった。ダーイン一世が[[冷血竜]]に殺された後、長男の[[スロール]]は[[エレボール]]に戻って[[山の下の王国>エレボール#Kingdom]]の王となったが、グロールは[[くろがね連山]]に移り住んだ。
スロールが[[アゾグ]]に殺されたことに端を発する[[ドワーフとオークの戦争]]に、グロールの息子[[ナーイン]]はくろがね連山の郎党を引き連れて加勢し、ダーインもそれに同行した。[[第三紀]]2799年、決戦となる[[ナンドゥヒリオンの合戦]]において父ナーインはアゾグに挑戦して殺されたが、ダーインは逃げるアゾグの後を追いかけてこれを討ち取り、父と大伯父の仇を取るという大変な武勲を立てた。

この時、[[モリア]]の[[東門>ナンドゥヒリオン#gate]]に足をかけたダーインは[[バルログ]]の脅威を感じ取ったらしく、華々しい手柄を立てた直後にも関わらずその顔は恐怖に襲われた者のように土気色をしていたという。そのため、スロールの息子の[[スラーイン二世]]が勢いに乗じてモリアを奪回しようと呼びかけた時にはこれを諌め、次のように忠言した。

>「あなたは[[われら一族>ドゥリンの一族]]の父です。われわれはあなたのために血を流しました。これからも流しますよ。しかし、われわれは[[カザド=ドゥーム]]の中にははいりません。あなたもおはいりにならないでください。わたしは門の陰の暗闇をすかし見ただけです。暗闇の向こうで今もまだあれが、[[ドゥリンの禍>バルログ#DurinsBane]]が、あなたを待っています。ドゥリンの一族がふたたびモリアを歩くまでには、世の中が変わり、われわれ以外の別の力が出現しなければならないのです。」((同上))

*** [[五軍の合戦]]におけるダーイン [#fca4bdf1]

ダーインは郎党を引き連れて[[くろがね連山]]に戻り、その統治者となった。

[[第三紀]]2941年、[[スラーイン二世]]の息子で今や[[長鬚族]]の王となっていた[[ソーリン・オーケンシールド>ソーリン二世]]は、[[スマウグ]]に奪われた[[エレボール]]の[[山の下の王国>エレボール#Kingdom]]とその財宝の奪回を試みる(『[[ホビットの冒険]]』)。
スマウグは[[エスガロス]]の[[バルド]]に討たれたが、これによりエレボールの財宝を巡って諍いが発生する。ソーリンは財宝を我が物とするために[[大ガラス]]を使って又従兄弟のダーインに援軍を要請。ダーインはこの呼びかけに応え、郎党を引き連れてエレボールまで遠征した。

エレボールの門前に達したダーインの軍勢は、そこで門を包囲するエスガロスの[[人間>湖の人]]および[[闇の森の王国>闇の森#Realm]]の[[エルフ]]の軍勢に阻まれる。あくまでソーリンと合流しようとするダーインは強行突破を試み、両者一触即発の事態となったが、そこに[[ゴブリン]]と[[ワーグ]]の連合軍が襲来した。ダーインは人間・エルフとの休戦調停に応じ、かれらは協同してゴブリン・ワーグの連合軍と戦ってこれを打ち破った([[五軍の合戦]])。

しかしこの戦いでソーリンは戦死。実子がいないソーリンの後継者にして甥であった[[フィーリ]]と[[キーリ]]も戦死する。そのため再興された[[山の下の王国>エレボール#Kingdom]]はダーインが継ぐこととなり、彼は[[長鬚族]]の王となった。
[[山の下の王]]となったダーインは、ソーリンの遺言と[[ビルボ>ビルボ・バギンズ]]の意向を尊重し、エレボールの財宝の14分の1を[[バルド]]に分け与える。こうしてダーインの下で山の下の王国は、再建された[[谷間の国]]や[[エスガロス]]、[[闇の森の王国>闇の森#Realm]]との友好関係を確立し、昔日の繁栄をほぼ取り戻した。

*** [[指輪戦争]]におけるダーイン [#f585eb6d]

>しかし[[フロド>フロド・バギンズ]]は、今はもう老齢の(二百五十歳を過ぎた)ダーインが、徳高く、莫大な富をかかえ、今なお[[山の下の王]]として君臨しているという話を興味深く聞きました。((『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「数々の出会い」))

ダーインとその民は[[エレボール]]で平和を謳歌していたが、やがてその心に影が兆すようになる。
[[第三紀]]2989年、若者たちの意を受けた[[バリン]]は賛同者を引き連れて[[モリア]]再興のために旅立とうとする。ダーインはこれに反対したものの、彼らを引き留めることはできなかった。結果バリン一党は行方不明となる。
3017年、[[モルドール]]からの使者がダーインのもとに現れ、[[サウロン]]が[[ビルボ・バギンズ]]と彼の持つ[[小さな指輪>一つの指輪]]を捜しており、捜索に協力するよう暗に脅迫される。ダーインはこれに一切の返答を与えなかったが、大きな懸念を抱いた。
そこで第三紀3018年([[大いなる年>大いなる年#year3018]])、[[グローイン>グローイン(グローインの息子)]]とその息子[[ギムリ]]を[[裂け谷]]に派遣し、ビルボへ警告を伝えるとともに[[エルロンド]]の助言を仰いだ(『[[指輪物語]]』)。

[[指輪戦争]]において[[山の下の王国>エレボール#Kingdom]]と[[谷間の国]]はモルドールへの臣従を拒み、そのためサウロンの意を受けた[[東夷]]の攻撃を受ける。
3019年の[[谷間の国の合戦]]において[[ドワーフ]]と[[谷間の国の人間]]はエレボール山中に籠城して抵抗した。この時、谷間の国の王[[ブランド]]は討ち死にし、ダーインは彼の亡骸を守ってエレボールの門前で討ち死にした。

>「そして今度はダーインがまたも谷間の国で戦って死んだという知らせじゃ。ちょうどわしらがここで戦っている頃のことじゃのう。これは重大な損失というべきじゃろうが、かれがあの高齢でエレボールの門の前でブランド王の亡骸の傍らに立ちはだかり、暗闇が襲うまで、人々のいうごとく力強くまさかりを揮うことができたとは、むしろ驚異ではないか。」((『追補編』「ドゥリンの一族」))

ダーインの死後、山の下の王位は息子の[[ソーリン三世]]が継いだ。

*** 年表 [#h6fb1e69]

-2767年 生誕。
-2770年 3歳。[[スマウグ]]襲来により[[エレボール]]の[[山の下の王国>エレボール#Kingdom]]が滅亡。
-2790年 23歳。[[スロール]]の死。[[ドワーフ]]連合軍の召集始まる。
-2793年 26歳。[[ドワーフとオークの戦争]]始まる。
-2799年 33歳。[[ナンドゥヒリオンの合戦]]。父[[ナーイン]]の死。[[アゾグ]]を討ち取る。
-2941年 174歳。[[五軍の合戦]]。[[ソーリン>ソーリン二世]]の死。[[山の下の王]]となる。
-2951年 184歳。[[サウロン]]、[[モルドール]]で公然と名乗りを上げる。
-2989年 222歳。[[バリン]]、賛同者を引き連れて[[モリア]]再興へ旅立つ。
-3017年 250歳。サウロンの使者、[[ビルボ>ビルボ・バギンズ]]と[[指輪>一つの指輪]]の消息を尋ねる。
-3018年 251歳。[[裂け谷]]に[[グローイン>グローイン(グローインの息子)]]と[[ギムリ]]を派遣。
-3019年 252歳。[[谷間の国の合戦]]。[[エレボール]]の門前で討ち死にする。

**映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

[[The Lord of the Rings Trading Card Game]]に、Weta監修のもとにダーインのカードが実写で作られている。

&ref(a29b7b9a-d05a-40fa-af1b-fa15d711ef5e_l.jpg,,40%);

** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]

|~俳優|[[ビリー・コノリー]]|
|~日本語吹き替え|[[石塚運昇]]|

字幕及び吹替での名前は『[[ホビットの冒険]]』書籍版及び『[[指輪物語]]』書籍[[新版]]に従い''ダイン''。

[[ソーリン>ソーリン二世]]の「いとこ(cousin)」と呼ばれている((‘cousin’には「いとこ」のほかに「親戚、親類、同胞」の意味もある。))。原作の年齢はソーリンより21歳年下であるが、映画では同年代に設定されていると思われる。
猪に跨り、赤い戦鎚を振るう。たてがみのような髪に牙を模した鬚など、自身も猪を彷彿とさせる風貌。

[[くろがね連山]]の[[ドワーフ]]を率いて[[エレボール]]に馳せ参じた際には[[闇の森の王国>闇の森#Realm]]の[[エルフ]]軍を罵倒し、一歩も譲らない構えを見せていたが、[[ドル・グルドゥル]]の大軍が現れると瞬時に共同戦線を張るなど、言動こそ好戦的だが、優れた指揮官としても描かれている。自軍が苦戦を強いられる中で、大型の[[オーク]]数体を一度に相手にしても全く怯まない強靱さを見せた。

劇場公開版では、あくまでくろがね連山の王として描かれており、エレボールの王位を継いだ経緯は省略された。[[エクステンデッド・エディション]]では原作通りソーリンの葬儀の後、跡を継いで山の下の王として戴冠している。
また、特典映像には[[谷間の国の合戦]]で[[東夷]]とオークの大軍を相手に戦う、老いたダインの姿を描いたコンセプトアートが収録されている。

*** 画像 [#wd1dd7d4]

&ref(vlcsnap-00006.jpg,,25%,『ホビット』におけるダーイン二世); &ref(ブランド/CU_9DMFXAAA-xeO.jpg,,30%,老いたダイン(右)とブランド王のコンセプトアート);

*** グッズ [#xe8a1fca]

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** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

指輪戦争時のはなれ山の王として登場するほか、アザルヌビザール(ナンドゥヒリオン)の合戦時の回想シーンで登場。

&ref(ScreenShot00546.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるダーイン二世); &ref(ScreenShot_2021-06-26_212109_0.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるナンドゥヒリオンの合戦でのダーイン二世);

** コメント [#Comment]

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