野良犬の塒
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PATRIOT GAMES 愛国者のゲーム

ジャック・ライアンは休暇の為、そして妻の買い物の為、そして自身の海軍に関する本の執筆の資料集めの為に妻子と共にロンドンを訪れていた。すると宮殿近くの街角で突然爆発音が響き、ライアンは飛び上がる。何物かが自動小銃でロールスロイスに撃ちまくっている。IRAの連中が誰かを殺そうとしている、ジャックは咄嗟にそう思った。目の前で二人の悪党が人を殺そうとしている。ライアンは妻子を伏せさせてその場に残し、二人の後方から車を影にして近付いた。そして一人の男にタックルして気絶させ、その男の拳銃を奪った。そしてもう一人の男と相対し、左肩に銃弾を受けたがその男を射殺した。
兵士や警官が集まってきた。そして彼の妻と娘も駆け寄ってきた。ジャックは車の傍にへたり込み、妻のキャシーが包帯を止めた。更に人が集まってきて、車のドアを空けた。それがジャックの肩に当たり、彼は痛みに気絶した。

ジャックが気が付いた時、自分が病院にいる事を知った。ジャックは医師達に囲まれ、そして医師の一人である妻と再会した。左肩は完全にギプスに固定されていた。そしてジャックがまた眠りについて目が覚めると、傍に警官が座っていることに気付く。そして看護婦もやって来た。そこで始めてライアンは、自分が救った車に乗っていた人物が、イギリス皇太子夫妻とその子供であることを知り、自分が新聞のトップに載っているのを見た。
医師が来て去ったあと、次々と警官たちがやって来てライアンに事情聴取し、ライアンも事件の事を知った。そして一つの事に気付いた。IRAではなくULA(アルスター解放軍)の連中は、間違い無く皇太子夫妻を殺すのではなく誘拐しようとしていたのだ。
警官が去って暫くしてからやって来たのは、女王とその夫君のエジンバラ公であった。二人は感謝の気持ちを述べる為に病院まで足を運んできたのである。そしてライアンをヴィクトリア勲位二等勲爵士、つまり(ライアンはアメリカ人なので名誉上のものになるが)貴族に任ずるという事を告げられたのである。更に彼の妻子が宮殿にいる事も知った。
その後には皇太子その人がやって来た。ジャックは彼が明らかに意気消耗しているのを見て取った。皇太子は自分が人に助けられ、その間自分は何も出来なかった事を悔やんでいるのだ。それに気付くとジャックは強い調子で言った。マスコミの言う事など気にしてはいけない、車の中で動かなかった貴方の判断は間違っていなかった、立場が逆なら貴方も同じ事をしただろう、と。皇太子は明らかにましな様子になった。そしてライアンはこの時も一つの事に気付いた。ULAは皇太子夫妻の子供を誘拐して取引材料に使おうとしていたのだ。そして彼等は分かれた。
そしてライアンは妻子と再会した。二人は宮殿に宿泊し、この国の白について立派なガイド(兼護衛)をつけてもらって見てまわるという。

先日ライアンの元を訪れたMI5の男、デヴィッド・アシュリーの元にテレックスが届いた。PIRA(アイルランド共和国軍暫定派)の男が会いたいというのである。そして彼はPIRAの代表のマーフィーと接触する。彼はIRAはこの件に関わっていない、ULAの代表は恐らくケヴィン・オドネルで、SASに替わってIRAがこの男を殺したいくらいだ、と言った。そしてULAは非常に良い情報源をイギリスに持っているようだと不気味な事を告げた。

ライアンの元にTVや新聞記者などマスコミがやってきて答えざるを得なくなった。それを忌々しい思いでブラウン管を通して見ていたのはケヴィン・オドネルであった。TVではライアンがCIAの人間ではないかといっていた、ライアンはそれを否定し、オドネルも信じなかった。それが本当なら、私には分かったはずだ…。

今度ライアンの所にハンバーガーという『ご馳走』を持ってやって来たのはダン・マリー、FBIの大使館付き法務官であった。彼はCIAが、ライアンがCIAに関わっていた事が漏れたのを謝罪しているといった。そしてULAの話を色々と聞く。
CIAでは長官のアーサー・ムーアと情報担当副長官のジェイムズ・グリーアが話していた。グリーアはライアンを自分の部下に欲しがっていた。きっと彼は、ULAの資料が見たくてCIAを訪れるだろう。

ジャックはやっと退院できた。ジャックはエジンバラ公に付き添われてロールスロイスに乗り込み、宮殿に運ばれた。そこでパーティーに出席する為である。そこでSIS長官のバジル・チャールストンらに出会った。彼はライアンはCIAにいるべきだという。ライアンは一度その要請を断ったのだ。そして女王と公爵、それにキャシーがやって来た。彼女は妊娠した事を夫に告げた。そしてディナーパーティーが終わる。ライアン夫妻は久しぶりに夫婦としてベッドを共にした。

捕らえられたテロリスト、ショーン・ミラーの裁判が始まった。ライアンは証人として出廷し、弁護士の質問をかわしつつ証言した。そしてショーン・ミラーを見た。その目の持つ不気味な意味を。

ロンドン塔の観光などの後、ライアンはマリーに見送られ、コンコルドで帰国する。そしてスキップ・タイラー、ロビー・ジャクソンといった友人と再会した。これからは普通の生活が待っている。

ロンドンのオーインズのもとにたれ込みがあった。IRAの爆弾魔についての匿名の情報が入り、そしてモーリン・ドワイヤーを捕らえる事に成功した。その現場に一緒に来ていたダン・マリーは奇妙な事に気がついた。窓の角度からは室内の様子を見ることが出来ない。一体誰がたれ込んだんだ?

イギリスの刑務所からショーン・ミラー輸送のヴァンが出発した。ダミーのヴァンが前後の時間に出発し、この輸送の事を知る者もほとんどいない、厳重な機密保持の行われた輸送である。ヴァンはフェリーに乗り込み、ワイト島の刑務所へ向かうのだ。だがそのフェリーの中で自動小銃の発射音が響いた。
オーインズは報告を聞いていた。多数の警官と民間人が殺され、ミラーを連れ去った連中は完全に消えうせた。ミラー輸送の情報が漏れたのだ。PIRAのマーフィが言ったことは正しかった。連中は非常に良い情報源を持っている。
アメリカでライアン一家がジャクソン夫婦とクリスマスを楽しんでいたが、TVにショーン・ミラーの写真が映っているのを見た。奴が完全に消え去ったという事を知った。

オーインズはマリーと話していた。ミラー達はどこに消え去ったのか? 情報を漏らした奴は一体誰なのか? オーインズが去った後、マリーは一人で考えていた。彼はライアンがアメリカで報復の為襲撃される事はあるまいと思っていた。IRAやアイルランド民族解放軍はアメリカで作戦行動を起こした事が無い、そうすればアメリカの支持者からの資金が来なくなるからである。だがULAはタブーとされていた王室の人間を襲った…。ULAは何を狙っている? 彼は友人のビル・ショーに電話をかけた。

ライアンが講義を終え、生徒に貰った勲章をぶら下げて戻り、ロビーと話していたところにFBIのビル・ショーがやって来た。そして彼はダン・マリーの懸念を話した。ライアンに、ちょっと用心した方が良いと。ショーはテロリストに対してどのように用心したら良いかを説明し、去った。
話を聞いていたジャクソンは、ライアンにある男を紹介した。兵学校の警備に当たっている海兵隊員のブレッケンリッジである。彼はライアンに、拳銃の訓練をするように勧めた。ブレッケンリッジと別れたライアンは、躊躇った後ジェイムズ・グリーアに電話をかけた。そして帰宅するとライアンは、その懸念を妻にも話した。自分がCIAで仕事をした事があること、そしてULAのデータを自分の目で調べてみたいのでまたCIAに行く心算である事を打ち明けた。

ミラーとオドネルたちは北アフリカに逃れていた。そしてミラーはある計画を立て、オドネルはそれを承認した。彼等は船で長い航海に出る事になる。

翌日ライアンはCIAに到着し、ジェイムズ・グリーアと会う。ライアンがグリーアに、ULAの資料を見せて欲しいという事をいうと、グリーアはあっさりと承諾した。グリーアはそういうデータを分析する人間として、ライアンを欲しがっていたのである。ライアンはCIAに通って資料を分析するという事を始めた。そして報告を纏め、一つの結論に達した。ULAは政治的に行動する。だが自分は政治的目標ではない、したがって自分が襲われる心配は無い。帰宅するとジャックは妻にもそう話した。

月曜日が始まった。ジャックもキャシーも自分の仕事場での時間を過ごす。キャシーが仕事を終えて保育所に行き、サリーを車に乗せて帰る時、隣のヴァンのドアが開け放たれてサブマシンガンの炎が吼えた。ミラーは追跡してくる警察の車にも銃弾をぶち込むと、綺麗に逃れ去った。
ジャックの元に電話が来た。ジャクソンは、友人の顔色が変わるのを見た。ジャクソンは自分の車にライアンを乗せると病院へ向かった。ジャックを暗殺する為に待機していたネッド・クラークは、その不信さに気付いた兵学校の警備員に取り押さえられた。
ジャック達はキャシーとサリーが運び込まれたショック-トラウマ・センターに到着した。そして彼等は待った、待つしかなかった。やがて医師が現れる。キャシーは助かるが、サリーは重態でどうなるかはまだ分からないという事だった。やがてイギリス大使館の者が女王のメッセージを携えてやって来て、警護間を残して去って行った。やがて警官もやって来た。

イギリスではマリーとオーインズが話していた。現在アメリカにはIRAの政治組織であるシン・フェイン党の代表であるオニールが訪問している。そしてオドネルは何故かは分からないがIRAを困らせる事に決めた。ULAがアメリカでテロ活動を行えば、シン・フェイン党への援助が減り困る事になる。その為ULAはアメリカで行動を起こしたのだ。

ジャックはサリーが危機を脱したという知らせを受け、妻と面会した。ジャックは激しく自分を責めていた。自分が心配無いと判断したせいでこんな事になってしまった。そして冷たい怒りに決意を行った。ライアンは再びCIAに向かった。ULAの調査に参加を希望する事をグリーアに告げた。

MI5のデヴィッド・アシュリーはデニス・クーリイの稀覯本店に向かった。情報漏洩の容疑者の一人、ジェフリー・ワトキンズが、その店に前日立ち寄ったのである。クーリイは不在でアルバイトのベアトリクスが応対した。クーリイはアイルランドに行っているのである。アイルランドへ。

ライアンは衛星写真を分析していた。テロリスト・グループが使用していると思われる砂漠のキャンプの衛星写真である。その中のどこかにショーン・ミラーがいるのだろうか? そして一人の女が写っている事に気が付いた。その女はテログループ、アクシオン・ディレクトの人間かもしれない。

オドネルはクーリイから受け取った情報をミラー達に披露した。皇太子は夏にアメリカを訪問する。その機会を使えないか…。

デヴィッド・アシュリーとジェフリー・ワトキンズはクーリイに目を付けた。北アイルランド出身で、しょっちゅうアイルランドへ旅行する。そして容疑者の一人はそこに通っている…。彼等はクーリイの監視を始めた。

ミラーはアメリカで、先の襲撃の時にも作ったダベンズと接触した。ミラーは新たな計画を説明する。

サリーはやっと退院した。久し振りに家に夫婦と子供が揃い、そしてそれに新しく犬も加わった。キャシーのお腹の中の子供も大きくなり、家族に加わる日を待っていた。

マリー、オーインズ、アシュリーは皇太子夫妻のアメリカ旅行の事を懸念していた。その事を知っている者に機密漏洩の容疑者数名が含まれ、ワトキンズも入っていた。そしてULAは一度アメリカで行動を起こしている。一度出来れば、その後も出来るという事だ…。

クーリイの店で、電線が老化のせいで煙を出した。そして電気屋が呼ばれ、電線を調べた。そして彼は奇妙な物を見つけた。彼はそれが何かわからなかったが、クーリイには分かった。クーリイは青ざめ、準備すると店を飛び出した。
盗聴器が発見された! そしてクーリイは逃走した。当然警察は手配を行ったが、時間が足りなかった。クーリイは途中で『間違い電話』をかけた。それは第三者を伝わり、ワトキンズの元にも『間違い電話』があった。

ワトキンズは激怒していた。クーリイは逃げ去り、後には何も残っていない。そしてワトキンズにはメッセージが伝えられたというのははっきりしているのに、証拠として使えるような代物ではない。後はどこかで偶然クーリイが見付かる事を祈るくらいしか出来ない。

その知らせはマリーを通してCIAにも届いた。クーリイは禿げている、禿げている男なら簡単に衛星から識別できる! そして遂に彼等は願っていたものを見出した。

ライアンが帰宅すると、イギリス大使館の人間が来ていた。皇太子夫妻がライアン邸を訪問したいというのである。ライアン夫妻は歓迎の用意をする事にした。

ULAのキャンプを襲撃する事になった。ライアンが見つけたのが元で、アクシオン・ディレクトのメンバーを捕らえる事に成功したフランスが、キャンプ襲撃の仕事を請け負ってくれる事になったのである。だが衛星からの画像には襲撃時間になっても何も表れない。フランス軍も、テロリストも、誰もいないのである。やがて知らせが来た。フランス軍はリビア軍と鉢合わせして引き換えさるを得ず、そうでなくてもキャンプはもぬけの殻だったらしい。連中は消えた、どこへいったのか…。

ライアンはジャクソンに、CIAに移る心算だと告げた。ジャクソンはまた空を飛ぶ為に兵学校を去る。ライアンはジャクソンを自宅のパーティーに招待した。同じ時に皇太子殿下が来る事は秘密である。

皇太子夫妻はアメリカに到着した。オドネルもアメリカに来て、ミラーと合流した。オドネルは計画の全容を明らかにした。皇太子達を捕らえると同時に別働隊はIRAの軍事指導部の人間たちを一気に暗殺する。残ったものはオドネルをIRAに呼び戻す事になる。そうして人質を使って刑務所の同志を釈放させ、ケヴィン・オドネルは革命を指揮するのだ。

警察に垂れ込み情報があった。何者かが一件の家にマシンガンを運び込んでいるというのである。直ちに警察が気付かれないようにそこを包囲し、SWATが突入した。
犯人は逃げた後で、警察無線を傍受する無線機が動いたままであり、部屋には大量の武器が放置されていた。警察はまた少し前にここを飛び出して行くヴァンを見たという情報も得ていた。連中は警察無線を聞いて、慌てて逃げたらしい。そのヴァンには既に追っ手が差し向けられている。これで連中が捕まるのは時間の問題だ…。

皇太子夫妻はライアン邸へとやってきた。ジャクソン夫妻もそれに加わり、目を丸くして驚いている。楽しいパーティーのひとときが始まった。今やキャシーのおなかは1週間後のお産を控え、非常に大きくなっていた。外では電気会社の人間がやってきて、シークレット・サーヴィスに調べられていた。確かに現在電気の調子がおかしいので、電気会社の人間が来ることは不思議なことではない、彼らの持ち物にも不振なものはない…。実はそれは、ミラーの仲間で電気会社の技師のダベンズが仕組んだものだった。シークレット・サーヴィスのエイヴァリは彼らを通した。ダベンズは走り去って海のそばの崖の方へ向かった。嵐が近づきつつあった。
エイヴァリに通信が入る。現在逃走中の犯人の隠れ家には大量の武器があったが、そのどれにも指紋が残っていない。連中にいちいち指紋を拭い取る時間があったはずがない…。彼らは気付いたが、遅すぎた。その時、ダベンズの手引きでやってきたオドネルたちが攻撃を開始した。エイヴァリは応援を要請し、ヘリが向かった。
ライアン邸の中の護衛が倒れ、テロリストたちが窓を破って入ってきた。一人がマスクを引き剥がし、ショーン・ミラーの顔が現れた。ライアン、キャシー、サリー、皇太子夫妻、そしてジャクソンの妻のシシーは微笑しているミラーのサブマシンガンの前にいた。2度も失敗したが、今度は成功だ。その時その場にいなかった人間に、ロビー・ジャクソンがいた。ジャクソンは手を洗いに行っているときにこの災難に出くわしてしまった。ジャックは銃を持っているはずだ…。ジャクソンは静かに探し始める。
ミラーはオドネルの応援に行くために、そこをデニス・クーリイたちに任せて外に出る。クーリイは怒りに燃えていた。そしてロープを取り出すとライアンたちを縛りにかかる。
ロビーはショットガンと拳銃を見つけた。弾を込めると敵の数を数えた。家の中にいるのは…3人? もしもっといたら…もし一人でも生き残ったら…。
ヘリが進入してきたが、オドネルの部下が地対空ミサイルを発射する。ヘリは何とかミサイルを躱したが、ライアン邸からずっと離れたところに不時着してしまった。

チャンスをうかがっていたジャクソンはショットガンを撃ち、テロリストのうち二人を片付けた。残るクーリイに皇太子とジャックが体当たりを食らわし、クーリイが立ち上がろうとしたとき、目の前にロビーのショットガンがあった。ライアンたちはいましめを解き、テロリストの銃を奪った。ロビーはクーリイに銃を突きつけ、連中が崖の下に船を用意していることを知る。ライアンたちはそれを奪って逃げることにした。ライアンたちはクーリイに銃を突きつけて戦闘を歩かせ、梯子を下りて崖下の船に向かう。船の上には見張りが二人立っていた。ライアンが見張りの一人を撃ち殺したとき、クーリイが駆けだした。だが船上の見張りの一人に撃ち殺されてしまい、ライアンはそいつも撃ち殺した。

オドネルたちは状況に満足していた。護衛たちはおそらく全員死んだ。ヘリは着陸しただろうが、かなり遠い。オドネルはミラーに皇太子たちをつれてくるように命じた。だが、家の中には誰もいなかった…。ダベンズの蔑みの言葉に激怒したミラーは、ダベンズとその仲間も撃ち殺した。

船を奪ったライアンたちは海軍兵学校にたどり着いた。ロビーが通信機を借り、ブレッケンリッジを呼び出す。彼は部下を引き連れてやってきて、サブマシンガンなどの銃を持っているライアンたちと、皇太子夫妻と、船の中に転がっている死体に気がついて目を丸くした。そしてその後素早く防衛体制を整える。そしてテロリストの船が近づくと、彼らは射撃を開始し、船は逃げていった。ライアンはそこの船を使って、テロリストを追跡してどこに逃げようとしているのかを突き止めようと提案する。ライアン、ロビー、皇太子、そしてブレッケンリッジたちが船に乗り込んだ。ライアンはキャシーを海兵隊員に任せると出発した。ライアンたちは兵学校と湾岸警備隊に連絡を取った。

ライアンはミラーたちがどの船に逃げようとしているのかを考え当てた。そして警官と湾岸警備隊員、海兵隊員によってテロリストは包囲され、投降した。
ミラーは脱出の望みを捨てず、辺りをうかがっていた。そしてライアンがいることに気がつく。ライアンは拳銃を取り出し、ミラーを壁に叩きつけると銃を突きつけた。ブレッケンリッジがそれに気がついたが、ライアンは引き金を引いた。
何も起きなかった。銃の撃鉄が上がっていなかったのである。ブレッケンリッジがライアンの腕を掴んだ。ブレッケンリッジはジャックに諭した。そんな事をする必要はない、あなたは殺人者になってはいけない…。ライアンの呪縛は解け、彼は自分を取り戻した。
FBIの人質救出ティームが到着し、ライアンたちは船に乗ってアナポリスに引き上げた。

イギリスではワトキンズが自殺していた。TVはアメリカでテロリストが全員捕まったことを流していた。その光景をオーインズ、マリー、ハイランドが見下ろしていた。

ライアンの乗る船はアナポリスの病院にまっすぐ向かった。そしてライアンは妻が分娩室にいることを知り、自分も急いで向かい、息子の誕生を見届ける。キャシーが眠りにつくのを見ると、ライアンは自分の息子の名付け親となることになる者のところへと向かった。

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