#author("2022-08-31T20:54:00+09:00;2020-02-16T01:10:09+09:00","","")
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* 語録 [#pf89f7e0]

|~カテゴリー|[[言葉・単語]]|

** [[ガンダルフ]] [#gandalf]
:しかしどのような代に生まれるかは、決められないことじゃ。わしらが決めるべきことは、与えられた時代にどう対処するかにある。|But that is not for them to decide. All we have to decide is what to do with the time that is given us.
--自分の生きる時代に[[サウロン]]が力を盛り返したことを嘆く[[フロド>フロド・バギンズ]]に対して。『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「過去の影」

:死んだっていいとな! たぶんそうかもしれぬ。生きている者の多数は、死んだっていいやつじゃ。そして死ぬる者の中には生きていてほしい者がおる。あんたは死者に命を与えられるか? もしできないのなら、そうせっかちに死の判定を下すものではない。すぐれた賢者ですら、末の末までは見通せぬものじゃからなあ。|Deserves it! I daresay he does. Many that live deserve death. And some that die deserve life. Can you give it to them? Then do not be too eager to deal out death in judgement. For even the very wise cannot see all ends.
--[[ゴクリ]]は死んだっていい者だと言い募る[[フロド>フロド・バギンズ]]に対して。後に実際にゴクリに対面したフロドは、ガンダルフのこの言葉を思い返してその命を助けた。『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「過去の影」

:わしの心の奥底で声がするのじゃ。善にしろ悪にしろ、かれには死ぬまでにまだ果たすべき役割があると。そしてその時が至れば、[[ビルボ>ビルボ・バギンズ]]の情は多くの者の運命を決することになるかもしれぬと――。少なからず、あんたの運命もな。|My heart tells me that he has some part to play yet, for good or ill, before the end; and when that comes, the pity of Bilbo may rule the fate of many - yours not least.
--[[フロド>フロド・バギンズ]]に対して述べた、[[ゴクリ]]の運命についての言葉。『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「過去の影」

:絶望ではない。絶望とは、疑いようもない破局を見る者だけにある言葉じゃ。わしらはちがう。ほかのあらゆる方法を考慮に入れた後、それしか已むを得ぬとすることは、偽りの望みに&ruby(こしつ){固執};する者にはたとえ愚挙と見えようとも、これは叡智のなすところじゃ。|It is not despair, for despair is only for those who see the end beyond all doubt. We do not. It is wisdom to recognize necessity, when all other courses have been weighed, though as folly it may appear to those who cling to false hope.
--[[一つの指輪]]を[[滅びの罅裂]]に送るのは絶望か愚挙の道であると言う[[エレストール]]に対して。『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「エルロンドの会議」

:&ruby(やけど){火傷};を負った手が一番よく教えてくれる。そのあとなら火についての忠告も胸にこたえるからな。|the burned hand teaches best. After that advice about fire goes to the heart.
--[[ピピン>ペレグリン・トゥック]]が[[パランティール]]を覗き込んでしまった後、その危険性を語った際の言葉。『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』「パランティアの石」

:しかし現存する世界で&ruby(きたい){危殆};に&ruby(ひん){瀕};している一切の価値あるもの、これこそ、わしの関心事です。そしてわしとしては、たとえ[[ゴンドール]]が滅びようと、なおも美しく育つもの、また未来にふたたび実をつけ、花を咲かすことのできるものがこの夜の時を通りすごせば、わが任務に完敗したことにはなりませんぞ。なぜならかく申すわしもまた執政ですからな。殿はご存じなかったかな?|But all worthy things that are in peril as the world now stands, those are my care. And for my part, I shall not wholly fail of my task, though Gondor should perish, if anything passes through this night that can still grow fair or bear fruit and flower again in days to come. For I also am a steward. Did you not know?
--[[デネソール二世]]に対して。『[[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「ミナス・ティリス」

:気高い心から出た行為というものは冷ややかな助言によって押しとどめられるべきものではないからなあ。|for generous deed should not be checked by cold counsel.
--[[ピピン>ペレグリン・トゥック]]が[[デネソール二世]]に奉公を申し出たことを押し止めなかったことについて。『[[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「ミナス・ティリス」

:殿はいつものように、[[ゴンドール]]のことのみをお考えですな。(中略)とはいえ、ほかに[[人間]]がおり、ほかに生物がおり、なお&ruby(きた){来};るべき時がありますぞ。そしてわしとしては、[[かの者>サウロン]]の奴隷をさえ&ruby(あわ){哀};れと思うのです。|You think, as is your wont, my lord, of Gondor only, ... Yet there are other men and other lives, and time still to be. And for me, I pity even his slaves.
--ゴンドールが滅びれば西方世界は滅びたも同然であると述べる[[デネソール二世]]に対して。『[[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「ゴンドールの包囲」

:それでも後世に生じるかもしれぬ災いはほかにいくらもあろう。なぜなら[[サウロン]]自身、一個の召使、あるいは使者にすぎぬからじゃ。じゃがこの世の時の流れをすべて支配するのがわしらの役目ではない。わしらの役目はわしらの置かれた時代のためにわしらのよく知る田野の悪を&ruby(こんぜつ){根絶};すべく持てる力をつくすことであり、そうしてこそ後代に生きる者たちがきれいになった土地で耕作ができようというものじゃ。その時の天気までは責任が持てぬが。|Other evils there are that may come; for Sauron is himself but a servant or emissary. Yet it is not our part to master all the tides of the world, but to do what is in us for the succour of those years wherein we are set, uprooting the evil in the fields that we know, so that those who live after may have clean earth to till. What weather they shall have is not ours to rule.
--[[黒門]]への陽動攻撃を提案した後に続けて。『[[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「最終戦略会議」

:では親愛なる友人たちよ、いよいよここなる[[大海]]の岸辺において、[[中つ国]]でのわしらの仲間の&ruby(えにし){縁};が終わることになった。&ruby(つつが){恙};なく行かれよ! わしはいわぬ、泣くなとはな。すべての涙が&ruby(あ){悪};しきものではないからじゃ。|Well, here at last, dear friends, on the shores of the Sea comes the end of our fellowship in Middle-earth. Go in peace! I will not say: do not weep; for not all tears are an evil.
--[[灰色港]]での別れに際してのガンダルフ最後の言葉。『[[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「灰色港」

** [[ハムファスト・ギャムジー(とっつぁん)>ハムファスト・ギャムジー]] [#hamfast]
:『[[エルフ]]だの、[[竜>龍]]だの、ぬかすな!』わしは[[伜>サムワイズ・ギャムジー]]にいうんじゃ。『わしやおめえには、キャベツだの[[じゃがいも>じゃが]]だののほうが似合っとらあ。旦那方のことにかかわりあうんじゃねえ。さもねえと、手にあまるような難儀にひっかかるぞ。』とな。だがそういいたいのは伜に限ったわけじゃねえ。|Elves and Dragons! I says to him. Cabbages and potatoes are better for me and you. Don't go getting mixed up in the business of your betters, or you'll land in trouble too big for you, I says to him. And I might say it to others,
--[[つたの枝館]]での発言。『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「待ちに待った誕生祝い」

:『わしはなんでも様子が今までと変わることには我慢ならねえ。』と、かれはいった。『わしの生きているうちはごめんですだ。それも、最悪の変わり方じゃ。』『最悪の変わり方』という言葉を、じいさんは何度も繰り返しておった。|“I can't abide changes,” said he, “not at my time of life, and least of all changes for the worst.” “Changes for the worst,” he repeated many times.
--[[エルロンドの会議]]で[[ガンダルフ]]が語った、[[袋小路屋敷]]の新しい持ち主([[ロベリア>ロベリア・サックビル=バギンズ]]と[[ロソ>ロソ・サックビル=バギンズ]])についてのハムファストの発言。『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「エルロンドの会議」

:長生きはするもの! と、おやじは常々いってたが。だが、おやじの考えてるのは庭仕事のことで、鳥みたいに止まり木で眠ることじゃないし、[[くも>蜘蛛]]のように渡り歩くことでもない。[[アンディ叔父>縄作りアンドワイズ]]だって、こんな芸当はしてみせたことねえものな!|Live and learn! as my gaffer used to say. Though he was thinking of gardening, not of roosting like a bird, nor of trying to walk like a spider. Not even my uncle Andy ever did a trick like that!
--[[銀筋川]]を綱で渡り終えた[[サム>サムワイズ・ギャムジー]]の発言から。『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「ロスローリエン」

:『仕事はかからなきゃ、終わりっこない』ってね、おやじがいつもいってましただ。|It's the job that's never started as takes longest to finish, as my old gaffer used to say.
--[[ロスローリエン]]での[[サム>サムワイズ・ギャムジー]]の発言から。『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「ガラドリエルの鏡」

:おめえはまったくの抜け作よ、サム・ギャムジー、何かちゅうととっつぁんはおらにそういってたっけなあ。とっつぁんの口癖よ。|You're nowt but a ninnyhammer, Sam Gamgee: that's what the Gaffer said to me often enough, it being a word of his.
--[[エミン・ムイル]]の崖下りで[[ヒスライン]]のロープを持っていることを思い出した[[サム>サムワイズ・ギャムジー]]の発言から。『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』「スメーアゴルならし」
--[[エミュン・ムイル]]の崖下りで[[ヒスライン]]のロープを持っていることを思い出した[[サム>サムワイズ・ギャムジー]]の発言から。『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』「スメーアゴルならし」

:とっつぁんが今のおらを見たら、ひとこというのは&ruby(まちげ){間違};えなしだ! 足もと気いつけんと、ろくな死にざませんぞとしょっちゅういっとったからな。|My word, but the Gaffer would have a thing or two to say, if he saw me now! Often said I'd come to a bad end, if I didn't watch my step, he did.
--[[黒門]]の前まで来た時の[[サム>サムワイズ・ギャムジー]]の発言から。『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』「黒門不通」

:またやっちまっただ!『お前がでっかい口をば開く時はいつだってあとの祭りだ』とっつぁんがいつもいってたが、その通りだ。どうしよう!どうしよう!|There I go again! When ever you open your big mouth you put your foot in it the Gaffer used to say to me, and right enough. O dear, O dear!
--[[ファラミル]]の前で口をすべらせた[[サム>サムワイズ・ギャムジー]]の発言から。『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』「西に開く窓」

:けど、とっつぁんがよくいってたように、『命がありゃ望みがある』ですだ。『それに食いもんが必要』とね。とっつぁんはたいていそう付け加えてましただ。|but where there's life there's hope, as my Gaffer used to say; and need of vittles, as he mostways used to add.
--[[十字路]]へ向かう道中での[[サム>サムワイズ・ギャムジー]]の発言から。『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』「十字路」

:こいつの胴着はどうなりましたんじゃ。わしは金物を身に帯びるのはたとえ長持ちしようとしまいと、不賛成ですわい。|What's come of his weskit? I don't hold with wearing ironmongery, whether it wears well or no.
--[[ホビット庄]]に帰ってきた[[サム>サムワイズ・ギャムジー]]が鎖かたびらを帯びていることに対して。『[[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「ホビット庄の掃蕩」

:わしがいつもいうとおり、だれの得にもならん悪い風というのは、ないんじゃよ。それにな、終わりよければ、すべてよしじゃ!|It's an ill wind as blows nobody no good, as I always say. And All's well as ends Better!
--[[新小路>袋枝路]]三番地へ戻ったことについて、ハムファストのお決まりの返答。『[[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「灰色港」

:とっつぁんがいいよります、『短くしとくんじゃ。そうすりゃ、使う時に短く切りつめる必要はなくなるわい。』と。|The Gaffer, he says: “Make it short, and then you won't have to cut it short before you can use it.”
--[[生まれた娘>エラノール]]の命名について悩む[[サム>サムワイズ・ギャムジー]]の発言から。『[[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「灰色港」

** ことわざ・格言 [#saying]

:[[ゴブリン]]から逃げて、[[オオカミ>狼]]につかまる。|Escaping goblins to be caught by wolves!
--[[ゴブリン町]]から逃げて[[オオカミ広場]]で[[ワーグ]]に遭遇した時の[[ビルボ>ビルボ・バギンズ]]の言葉。英語の「フライパンからにげ出して火にとびこむ」((日本語でいう「一難去ってまた一難」))と同じ意味の諺となった。『[[ホビットの冒険]]』「一難去ってまた一難」

:[[竜>龍]]の目の前で、あざわらうなかれ、おろかなビルボよ!|Never laugh at live dragons, Bilbo you fool!
--侮蔑的な発言で[[スマウグ]]を怒らせてしまったことへの[[ビルボ>ビルボ・バギンズ]]の独り言。かれのお気に入りの警句となり、やがて諺となった。『[[ホビットの冒険]]』「中にはいってたしかめる」

:[[魔法使>魔法使い]]には、おせっかいをやくな、変幻自在で、よくおこる|Do not meddle in the affairs of Wizards, for they are subtle and quick to anger.
--[[ガンダルフ]]に関して[[ギルドール>ギルドール(フィンロド王家)]]が口にした言葉。『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「三人寄れば」および『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』「パランティアの石」

:[[エルフ]]に意見を求めるな、よしとあしとを、ともにいう|Go not to the Elves for counsel, for they will say both no and yes.
--上記の[[ギルドール>ギルドール(フィンロド王家)]]の言葉に対して[[フロド>フロド・バギンズ]]が言った言葉。『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「三人寄れば」

:降れば土砂降り|It never rains but it pours
--[[バーリマン・バタバー]]が口にした[[ブリー村]]の諺。英語で「悪いことは立て続けに起こる」の意味の諺。『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「躍る小馬亭で」

:東と西は&ruby(つじつま){辻褄};あわず|there's no accounting for East and West
--[[バーリマン・バタバー]]が口にした[[ブリー村]]の諺。(ブリー村の民から見て)[[ホビット庄]]の民と[[野伏]]のことは理解できないという意味。『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「躍る小馬亭で」

:凶報は悪い客|ill news is an ill guest
--[[グリーマ]]が[[ガンダルフ]]をラーススペル(凶報)と呼んで謗る時に引き合いに出した諺。『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』「黄金館の王」

:悪意はしばしば悪を&ruby(そこの){損};う|oft evil will shall evil mar
--[[サウロン]]と[[サルマン]]の[[パランティール]]やそれを覗いた[[ピピン>ペレグリン・トゥック]]のことを、[[セーオデン]]が評して言った古い諺。『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』「パランティアの石」

:夜はしばしば近い親族に便りをもたらす|Night oft brings news to near kindred
--[[ファラミル]]が兄[[ボロミル]]の船葬の[[小船]]を目撃したことを話し始める時に口にした諺。『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』「西に開く窓」

:りっぱな口より、りっぱな手|handsome is as handsome does
--[[サム>サムワイズ・ギャムジー]]が[[ファラミル]]に対して言った[[ホビット庄]]の諺。英語で「見目より心」のような意味の諺。『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』「西に開く窓」

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