一人の女が大きな荷物を引っ張り、コンビニで大量の食料を買い込んだ。そして高層ビルの無人の一室へと入り込む。彼女の荷物は50口径の特大狙撃銃「リサーチアーマメント・インダストリーズ・モデル500」。彼女はそれを組み立て、そしてコンビニで買ってきた食料を食べながら、狙撃銃のスコープを窓の外へ向けて標的を待つ。その標的とは、悪徳アニメプロデューサーの鈴木敏夫……。
ミリタリー雑誌Gunで「ガン・アクション・ムービー・コンペティション(ガンコン)」という、アマチュアのガンアクション映画コンテストが行われている。そこで優秀賞を取った二人の監督、河田秀二、辻本貴則の両氏をプロデヴューさせようという話が持ち上がった。
これを実現するために、ガンコンの審査員3人、きうちかずひろ、大川俊道、そして押井守が協力することが決定。以上の5人で、オムニバス形式の映画を作るという話が出来上がったのである。
5人とも上映時間は20分。撮影はデジタル・ヴィデオにて1週間以内に完了すること。予算は一人600万円*1。そしてテーマは「殺し屋」で銃が出ること。それ以外は何でもあり。
こうして5人の監督によって作られたオムニバス形式の実写映画が『KILLERS』であり、押井のパートのタイトルが『
上記のような条件のため制約は多いのだが、それを逆手に取ったような押井演出が目を引く。予算の半額が注ぎ込まれたという、映画初登場となる銃、RAI(リサーチ・アーマメント・インダストリー) モデル500の質感、重量感、怪物感が素晴らしい。そして「やっぱり押井守の映画だ」という犬のモチーフも出てくる。
主演女優の仁乃唯は実はニューハーフ。これに関しては押井氏は、「銃を持って画になる女優は少ない。だが、重要なのは女に見えることであって、実際に女である必要はないということに気が付いた」と、彼女(?)の起用の理由を語っている。
また彼女の標的には、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー本人が実名で「友情」出演しており、これもまた見所だ。
映画は2003年6月に、テアトル池袋及び大阪シネマ・ドゥで上映された。
ヤングマガジン アッパーズ 2002年3号に、原作押井守、作画神崎将臣による読み切りコミック『殺人者たち The Killers』が掲載された。
これはヘミングウェイの短編小説"The Killers"を元にした、映画とのタイアップ企画(?)の漫画で、映画とのストーリーなどにおける直接的な関連はない。一応作中には『紅い眼鏡』などの主人公である都々目紅一の名前が出ているが、本当にただ出ているだけで、『紅い眼鏡』などとの関連性もほとんどない。
後にこの漫画は杉浦守作画によってリメイクされ、エース特濃に掲載された。そちらでは『紅い足痕』に連なるストーリーであるという体裁にするための加筆が行われている。その後『THE KILLERS』というタイトルで、『紅い足痕』単行本に収録された。
メイキング及びオーディオコメンタリー2種収録(担当した監督本人によるものと、担当監督以外の4人によるコメンタリー)。
KILLERS オリジナル・サウンドトラック
東宝オンラインショップのみでの販売。押井のパートは、川井憲次が音楽を担当している。
主題歌「voice of love」の入ったCD
5人の監督がそれぞれ自作について語った本。押井守が映倫の規制を食らったとか色々面白い裏話があるが、内容はネタバレに満ちているので、映画本編を見るまで封印しておくのが吉。