『機動警察パトレイバー』はヘッドギア原作による、一連のメディアミックス作品の名前。
OVA、TVシリーズアニメーション、劇場用アニメーション、コミック、小説、ゲームなどで展開した。
元々は、ゆうきまさみと出渕裕が、架空の企画を立てて遊んでいたのが元とされる。そこに伊藤和典と高田明美が参加し、メディアミックス作品として進行することが決定。ゆうきがコミックを連載し、伊藤、高田がOVAシリーズのスタッフとなる。出渕はその双方にメカニックデザインとして参加という形になった。
当初OVAは全6巻制作され、それぞれ各話ごとの演出担当の人物に一任されるという予定だった。だがシリーズとして制作される以上、全体の監督がいた方がいいということになり、押井守に声がかかる。押井は当時仕事がなかったことと、『紅い眼鏡』で伊藤に世話になったことへの返礼として参加を決定。OVAシリーズの監督となった。
結果としてこの作品はヒットし、コミックは長期連載。アニメーションはTVシリーズや劇場版までもが制作される形となった。
20世紀末、ロボット工学が急激に発達。人間が乗り込んで捜査するロボットはレイバーという名前で、土木工事などに大きく利用されることになった。
だが、レイバーを使用した犯罪、いわゆるレイバー犯罪の件数も急激に上昇し、一般の警察での対応が困難となる。そのため警視庁は、警視庁警備部特車二課パトロールレイバー中隊を設立してレイバー犯罪の対処に当たらせる。いわゆるパトレイバーの誕生である。
| 名前 | 声優 | プロフィール(劇場版パトレイバー2以前のもの) |
| 泉野明 | 富永みーな | 特車二課第二小隊一号機パイロット、巡査。レイバー好きが高じて警察のレイバー隊員になってしまった婦人警官。北海道出身。 |
| 篠原遊馬 | 古川登志夫 | 特車二課第二小隊一号機バックアップ、巡査。日本のレイバー産業で大きな地位を占める篠原重工の御曹司なのだが父親との対立によって警察のレイバー隊員に。既に他界した兄がいたという設定あり。 |
| 山崎ひろみ | 郷里大輔 | 特車二課第二小隊一号機トレイラー運転手、巡査。巨漢だが存在感は小さく心優しい。よく特車二課の温室の野菜の世話をしている。沖縄出身。 |
| 太田功 | 池水通洋 | 特車二課第一小隊二号機パイロット、巡査。猪突猛進、俺に銃を撃たせろ。 |
| 香貫花クランシー | 井上瑤 | 特車二課第二小隊二号機バックアップ、巡査部長。ニューヨーク市警より特車二課に出向しているハワイ出身の日系三世。両親を犯罪でなくしたため犯罪を憎んでいる。おばあちゃんっ娘。ワンマンアーミーの傾向あり。 |
| 熊耳武緒 | 横沢啓子 | 特車二課第二小隊二号機バックアップ、巡査部長。男のような名前だが女性。ニューヨークに戻った香貫花の後任として入る。通称おたけさん。文武両道のスーパーウーマンだが怪談話が苦手という弱点あり。 |
| 進士幹泰 | 二又一成 | 特車二課第二小隊二号機トレイラー運転手、巡査。小心な性格でいつも胃痛に悩まされている。妻帯者。 |
| 後藤喜一 | 大林隆介 | 特車二課第二小隊長、警部補。かつては「カミソリ後藤」と呼ばれた切れ者だが現在は昼行灯を決め込んでいる。妻と死別したという設定あり。 |
| 南雲しのぶ | 榊原良子 | 特車二課第一小隊長、警部補。警視庁キャリア組のエリートだが上司との不倫疑惑で特車二課に飛ばされたという設定あり。 |
| 榊清太郎 | 阪脩 | 特車二課整備班長。昔気質の職人で、車両整備の神様といわれる。通称おやっさん。 |
| シバシゲオ | 千葉繁 | 特車二課整備主任。榊の一番弟子で整備班を束ね、榊についていっている。時折頑固な榊と整備班連中との間の緩衝剤になる事も。 |
| 実山 | 辻村真人 | 篠原重工八王子工場長。遊馬の父とは旧知の仲で、遊馬にも「じっちゃん」と呼ばれて慕われている。 |
| 松井 | 西村知道 | 警視庁捜査課の刑事。後藤とは旧知の仲で、よく後藤に便利に使われている。 |
『機動警察パトレイバー』の劇場用アニメーションは、以下の4作が制作された。
当初は全6巻のはずだったが、人気があったため1本追加で制作され、全7巻となった。押井守は6巻までの監督を務め、7巻は吉永尚之が監督となっている。
| 発売日 | 話数 | サブタイトル | ストーリー |
| 1988/04/25 | 1 | 第二小隊出動せよ! | 特車二課に第二小隊が発足された。埋め立て地に集結する第二小隊の面々。だが装備の最新式レイバー『98式AVイングラム』は輸送のトレイラーが渋滞に巻き込まれて、いつまで経ってもやってこない。そんな中で出動命令がかかり、第二小隊は直接レイバーを受け取りに行き、高速道路上で起動、そのままテロリスト逮捕に向かうがあっさり最新レイバーは破壊され……。 |
| 1988/06/25 | 2 | ロングショット | ニューヨーク市警から香貫花クランシー巡査部長が特車二課に訪れた。来日するニューヨーク市長を狙ったテロの動きがあり、それを阻止するための警備活動に協力するため、特車二課を訪れたのである。そして警備中、テロリストの仕掛けたロケット弾を搭載した車両が発見される。遊馬は香貫花の指示で怯えて愚痴りながら解体にかかるが……。 |
| 1988/07/25 | 3 | 4億5千万年の罠 | 東京湾で謎の怪獣騒ぎ。海岸に停めてあった車が中の人間ごと消え去り、それを調査しようとした水中レイバーは謎の巨大生物に襲われる。怪物に対抗するために出動した特車二課だが、その前に怪物の生みの親と称するマッドサイエンティストの平田が現れ、怪物に対処する方法を模索するが妙案がない。そしてそこに謎の装置を持ったシゲの姿が……。 |
| 1988/09/25 | 4 | Lの悲劇 | 太田の勢いに任せた発砲などあまりの「成績の悪さ」により、富士の隊員養成校で再訓練を命じられた第二小隊。だがそこで謎の幽霊騒ぎが発生する。その幽霊は、嘗て訓練中にレイバーの発砲により死んだ少女で、そのレイバーの銃に対する無念さを伝えようと太田の前に現れたのだというが……。 |
| 1988/11/10 | 5 | 二課の一番長い日/前編 | 年末年始で休暇中の第二小隊。隊員はおのおの帰省したが、自分の親と対立していた遊馬は北海道の野明の実家に転がり込んでいた。一方特車二課に残っていた後藤は、特車二課が何者かによって監視されているのに気が付く。何かの不穏な動きに気が付いた後藤は南雲と相談して対策を練る。そして、東京で自衛隊によるクーデターが発生した。クーデターの首謀者は甲斐。かつて後藤を指導した男である。 |
| 1988/12/10 | 6 | 二課の一番長い日/後編 | 南雲は警視庁の前で自衛隊と対峙することになり、一方後藤は甲斐の行方を追う。事件の結末は? |
吉永尚之が監督となり、サンライズで制作されたシリーズ。内容的にはオリジナルの話と、コミック版のシャフト・エンターブライズおよびグリフォンが登場する話が混在している。ヘッドギアの面々も制作に関わり、伊藤和典がシリーズ構成を担当。監督から身を引いた押井守は、以下の話の脚本を担当している。
| 放送日 | 話数 | サブタイトル | ストーリー |
| 1989/11/08 | 3 | こちら特車二課 | 埋め立て地に隔絶された特車二課の食糧事情は厳しい。それを補うのが鶏の飼育による卵の供給、ビニールハウスでのトマトの栽培、そしてハゼ漁である。だが整備班の高速艇(不法改造済み)がハゼの漁(密漁)に出航中、座礁してしまう。更にそれを回収しようとしたイングラム太田機も海の中へ。そこに榊がやってくる。もし榊にこんな事を知られたらどんな大目玉になる。整備班員と第二小隊連中はどうにか事件を隠蔽しようとするが……。 |
| 1989/12/13 | 9 | 上陸 赤いレイバー | 後藤の元に公安部の高畑という男が現れ、何故か山形にレイバー隊を派遣して欲しいと要請。後藤は取り敢えず遊馬、野明の人間二人だけを貸すということで妥協した。山形の港では、犬走というテロリストが、ソヴィエトの船に隠された軍用レイバーを奪おうとしているのだという。世界各国の諜報機関が監視している中、「レイバー隊がここにいるぞ」と知らしめるために制服姿の遊馬と野明を連れてきたというが、すっかり観光旅行気分ではしゃぐ遊馬と野明。一方後藤は高畑の事を調べるが、妙なことに気が付いた。そこで急遽イングラムを現地に派遣して遊馬達に合流させる。そこに犬走が現れ……。 |
| 1990/01/24 | 14 | あんたの勝ち! | 出動命令があったが、警視庁の柔道大会の試合で太田と遊馬が負傷したため、香貫花が野明のイングラムを指揮することに。しかし二人の性格によりうまく噛み合わず、失態を演じてしまう。そこで後藤は第二小隊全員の親睦を深めるため、連れて飲みに行くことに。その飲み会で野明と香貫花は理解し合えるのだろうか? |
| 1990/05/23 | 29 | 特車二課壊滅す! | 上海亭。埋め立て地の僻地にある特車二課に、唯一出前を運ぶ中華料理店である。だがそこの出前がいつまでたってもやって来ず、激昂した太田が上海亭のオヤジと口論。だがそんな事をしても出前はやってこない。業を煮やした太田達は警備車両で上海亭へと向かうが彼らは戻ってこず、無線にも応答しない。第二波として遊馬達が向かったが、彼らが出て行った直後、上海亭からの電話が特車二課に届いた。電話をかけてきたのは太田と共に上海亭に向かった進士で、「来ては……いけない……」という言葉と共に電話は切れてしまった。太田達が上海亭のオヤジに逆襲された!? 応援と復讐のため、シゲは整備班員を率いて上海亭へと突撃する……。 |
| 1990/07/25 | 38 | 地下迷宮物件 | 特車二課の備品や食料が盗まれるという事件が発生した。やがて、埋め立て地の地下水路の存在が明らかになる。何者かがここに潜伏し、特車二課の物を失敬しているらしい。太田と進士がその地下水路~迷宮~に向かうが、無線で謎の悲鳴を残して連絡が途絶する。彼らを救出するため、二次捜索隊として遊馬、野明、熊耳、ひろみが迷宮に入り込む。そこで彼らが見たものは……。 |
吉永尚之監督作品として制作されたシリーズ。内容的には、TVシリーズ版の後日談という形になっており、やはりオリジナルの話と、コミック版のシャフト・エンターブライズおよびグリフォンが登場する話が混在している。だが、コミック版に比べるとシャフト・エンターブライズの話は別の展開を遂げている。
| 発売日 | 話数 | サブタイトル | ストーリー |
| 1991/05/23 | 6 | 黒い三連星 | ガス漏れによる爆発で、風呂が使えなくなってしまった特車二課。そこで第二小隊の面々は、皆で銭湯へと行くことにした。すると一行は、途中の道に倒れていた公安の刑事に出会った。彼はテロリストを追っていたのだが、テロリストの手がかり「脇の下の三つのほくろ」を話すと意識を失ってしまう。道の先は行き止まりで、先には銭湯があるだけ。テロリストが銭湯に入ったのは間違いない。野明は応援を呼ぶために帰され、残りの特車二課の男の面々は、銭湯の客の誰がテロリストなのかを確認するため男湯に入るが……。 |
| 1991/07/25 | 8 | 火の七日間 | 連日の出動とそれに伴う整備で疲労困憊の整備班。シゲは整備班の疲労を榊に訴え、榊は宿直室で疲れ果てて眠り込む整備班員を見舞った。だがその時、整備班員のエロ本が榊に発見される。そして宿直室の押入から、天井裏から、床下から、畳の中から次々と発見されるエロ本、エロビデオの山、山、山……。激怒した榊はそれらを全て焼却処分にし、更にハゼの干物など、整備班員のありとあらゆる娯楽を禁止。さらにはシゲを感化させ、徹底的な整備班の綱紀粛正を図った。こうして娯楽を求める整備班員と、榊を崇めるシゲ達整備班員が二派に分かれ、血で血を洗う(?)抗争が始まった。 |
| 1991/09/26 | 10 | その名はアムネジア | 悪夢から目覚めた太田はマンションの一室にいたのだが、彼は記憶を失っていた。そして(彼にとっては見知らない)遊馬、進士、山崎、シゲの死体がそこに転がっている! 恐ろしくなり部屋を飛び出した太田。彼らを殺したのは本当に自分なのか? 自分は一体何者なのか? 太田は街を一人放浪する。 |
| 1992/01/23 | 13 | ダンジョン再び | かつての迷宮騒ぎで、第二小隊を襲った白いワニ。そのワニは水族館に収容されて余生を送っていたが、そのワニが時価一億円相当という巨大な白い真珠を産み落としたというニュースが流れた。もしかしたらあの地下迷宮のどこかに巨大真珠が転がっているのではないか? 一攫千金を夢見た整備員数名が地下迷宮に潜り、怒った榊は迷宮の入り口をコンクリで永久に封鎖して二度と出てこられないようにしてやると宣言。シゲは第二小隊の面々に、整備班員を連れ戻してくるように懇願する。そこで、遊馬、野明、太田、進士、ひろみ、熊耳の、六人となったパーティーがダンジョンに再び潜入する……。 |
ゆうきまさみによるコミック作品。
全部で6作が制作された。
第1巻は、一本の短編と、一本の長編で構成される。長編の「風速40メートル」は、伊藤和典による 『機動警察パトレイバー 劇場版』のノベライズ版。
第2~5巻は横手美智子による小説。オリジナルのストーリーとなっており、コミック版やアニメ版では語られていない設定も登場する。
『機動警察パトレイバー』では多数の機種で複数のゲームが発売されている。
うち、マーバより発売されたメガドライブ版『機動警察パトレイバー ~98式起動せよ~』では、押井守が直接制作に関わっている。
プレイヤーは第2小隊3号機のパイロットとして特車2課に配属されたが、特車2課の建物をテロリストが占拠。唯一拘束されずに済んだプレイヤーは、他の特車2課の面々を救出しつつ、テロリストを駆逐するというロールプレイングゲームである。
大雑把な作りの感じだが、なかなか押井テイストが入っている。何故か信楽焼の狸を被ってテロリストと対決したり、シゲさんに物質転送機に閉じこめられて転送されるがその時壁にハエが……などなど。またこのゲームでは、「しま あずみ」という名前のオリジナルキャラが登場する。
OVA/TVシリーズがすべて入ったBOX
初期OVA
TVシリーズ
後期OVA
PS版ゲームには、機動警察パトレイバー実写版のパイロット映像が収録されている。