友引高校は翌日に控えた学園祭を前に、上を下への大騒ぎだった。あたるたちは喫茶店開店準備の為、学校に泊まり込みで作業を行っていた。だが何日経っても、学園祭の当日は訪れる事なく「学園祭前日」という日が繰り返されている。だが、誰一人その事に気がつかない……。
何か異常なことが起こっていると感じた温泉マークはサクラに相談、だがその温泉マークが失踪してしまう。その温泉マークに学校を追い出された、連日学校に泊まり込んでいた生徒達が帰宅しようとすると、友引町の外に出ようとしてもいつのまにか友引町に舞い戻ってしまうことに気がついた。そして次の日がやってきてもやはり学園祭当日ではなく学園祭前日で、誰もその事に気が付かない……。
何かがおかしい。そして遂にこの「何か」異常事態の謎を解明しようとした一同。彼らは友引高校の調査を行い、そして面堂の戦闘機ハリアーで友引町の空へと飛び上がるが……。
『うる星やつら』の映画化第2弾。TVシリーズチーフディレクター(監督)の押井守が、前回の映画オンリー・ユーに引き続き監督を行った作品である。ストーリーも押井氏のオリジナル となっている。劇場公開時は、『すかんぴんウォーク』という映画と同時上映となった。
押井自身が失敗作と認めた『うる星やつら オンリー・ユー』だが、(押井やスタッフにとっては非常に不可解ながら)原作者の受けは良く、そして興行収入もまあまあだった。そこでもう一本映画を作ろうという話が出てきて、前作で失敗したと打ちのめされていた押井氏に復讐のチャンスが訪れたのである。
映画化の企画は出たもののストーリーはなかなか上がってこず、結局押井氏本人が脚本もやる事になった。「いちいちあちこちに気を配っていたら映画にならない、今度作るときは、絶対に好き勝手に作ってやる」と誓った押井は「時間がないのでコンテから入ります」といきなりコンテを描き始めたが、そのコンテを見てプロデューサーは「こんな『うる星やつら』でいいのか」と青くなったという。だが押井はそのまま強行、そして一本の「映画」が出来上がった。
興行収入は前作を割り込んだが、この作品は人々に大きな衝撃を与えた。毎日繰り返される学園祭前日、廃墟の中の夢。押井守の妄想が映像化されたこの作品は(元来の『うる星やつら』ファンや原作者の受けは悪かったが)多くの作家に影響を与え、またそれまでアニメに見向きもしなかった映画評論家を引き付ける効果も得たのである。
この作品の後、押井氏はスタジオぴえろ?を退社、フリーとなって『うる星やつら』からも離れた。
「うる星やつら」の各劇場作品が皆DVD化された中で、この作品だけはDVD化が遅れていた。この作品だけ東宝が権利を持っていたのが原因だが、散々待たされた末に遂に登場することになったDVDは非常に豪華な作りとなった。
この映画は、制作はTVサイズで行なわれたが、上映は上下をカットしてのヴィスタサイズで行なわれた。DVDも、押井氏の演出意図を優先してヴィスタサイズとなっている。
2009年に東邦より発売予定であったが、発売中止となっている。
5.1chドルビー・ディジタル音声(日本語及び英語)とドルビー・サラウンド音声、日本語字幕及び英語字幕収録。(楽天で検索)
少年サンデーグラフィック うる星やつら10 ビューティフル・ドリーマー
小学館から出ていたムック。押井守インタヴューもある。