トーキング・ヘッド

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トーキング・ヘッド

ストーリー

大作アニメーション『Talking Head』は劇場公開を2ヶ月後に控えていた。しかしこの映画の監督の丸輪零は失踪し、アニメの制作スタジオ「八百馬力」では監督行方不明のまま、色も絵もキャラクターもコンテもシナリオの初校すらない状態で作品は放置されていた。この状況を打開すべく八百馬力に送り込まれたのが、渡り演出家の《私》である。
《私》はどんな監督のどんな作風でも模倣して作品を作り上げ、その監督のものとして作品を捏造するという「渡り演出家」であった。その《私》のところに、『Talking Head』を完成せよとの依頼が舞い込んできたのである。
前任者の監督は一体どんな作品を作ろうとしていたのか? 《私》はそれを明らかにすべくスタッフへの聞き込みから開始する。だが『Talking Head』のスタッフが次々と何者かに殺害され、非業の死を遂げていったのだ。犯人の狙いは? 作品は完成するのか?

概要

「不条理、ここに極まれり」という作品である。アニメスタジオ内部で繰り広げられる連続殺人事件。こう聞くとサスペンスタッチのものを想像されるだろうが、実際は全く違う。謎のオブジェが立ち並ぶ“劇場”で、登場人物がひたすら、ただひたすら映画について語りまくるのだ。これは正しく映画評論映画、 「映画を語る映画」なのである。
評論といっても何か特定の作品について語っているのではない。映画(あるいはアニメ)について、その歴史、表現、演出などといったことがとうとうと、しかし極めてエキサイティングに語られる。映画やアニメが好きな人間ならぜひ見ておくべき映画である。

さてこの映画、予算5000万円で作られた映画だが、その低予算を逆手に取ったような演出が使われている。撮影はすべて、『紅い眼鏡』にも使われた映画館(伊藤和典氏の実家)の中に、演劇の舞台のようなセットを構築して行われた。その狭い舞台で繰り広げられる悲劇、喜劇。そして延々とどこまでも語られる「映画について」。この「映画」を見るときには、十分に頭をほぐしてから観る事をお勧めする。

この映画で一番金がかかったのは冒頭のアニメシーンだそうだが、そのシーンは美樹本晴彦がキャラクターデザインを行い、アニメーション制作プロダクションI.G?が担当している(他の劇中アニメもI.G担当)。

タイトルについて

この映画の予定タイトルは 『ゲーデルの首』であった。クルト・ゲーデルとは20世紀の数学者・哲学者で、不完全性定理で有名である。これは簡単に言うと、「人間は不完全なものであり、完全なものを証明することは不可能」というものらしい。

サウンドトラックについて

この映画のサウンドトラックは、なんともふざけた「正立方体さいころ型ジャケット」として発売された。さらにブックレットは、この箱型ジャケットの蓋に貼り付けられて屏風のように折りたたまれた構造となっており、CD自体はブックレット最後のページに固定されている。非常に収納に不便なジャケットである。
ある意味、あの不条理な映画にふさわしい不条理なジャケットだが、CDはサウンドトラック1枚と、オリジナルドラマCD『ゲーデルを夢見て~録音監督1993年』が収録されている。

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Last-modified: 2006-10-31 (火) 22:24:48 (666d)
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