野良犬の塒
トップページ 検索・過去アーカイヴ このサイトについて 管理人へメール
[an error occurred while processing this directive]

KILLERS 公開初日舞台挨拶

2003年6月14日のKILLERS公開初日の舞台挨拶について。ここでは5人の監督と2人の出演者(.50 Womanの仁乃唯とCANDYの星野マヤ)が登場したが、押井氏の発言を掲載してみる。
「オムニバス映画っていのは難しいんですよね、5人が考えているのが全然っているので。でも出来上がったものを見たら、みんな普段と同じことをやっただけで、僕も結局同じことになっちゃったんですけど(笑)」
「僕が初号の後に真っ先に思ったのは、これは菓子パンを5個食べた気分だという。それぞれがみんな菓子パンなんだけどちょっとずつ種類が違う。僕のは、あんこも何も入ってないすっぽいパンで、ちょっとチーズの臭いがするかなっていう(笑)。多分甘いの辛いの一杯食べた後で、僕の5本目というのは生地の味自体、映画それ自体を楽しんでもらいたいなという。咄嗟の思いつきを、作品として完成させるために何が必要かというのを、それだけを考えて作りました。見た方は呆然となったかもしれませんが(笑)」
「要するに映画というのはパンの皮なんだという、そこにあんこ入れるのか何入れるのかは監督の自由なんだけど、パン生地自体が実は美味しいんだよということがやりたかった。訳のわかんない話ですけど(笑)」

「ここにいる5人は鉄砲、ガンアクションが大好きで、それが映画を作るモチベーションのひとつになっている人間なんですよ、(日本で)ここにいる5人が全てかもしれないくらい少ないんですよ。鉄砲映画というのは問題があったり手間暇かかったり殺伐としたりと、最近のお客さんは好みじゃないのかなと思う一方で、メル・ギブソンとかハリウッドのガンアクションは当たったりしているのに、何故日本じゃできないのかなというようなことがそもそもの原因で始まったものなんです」
「アクションというのは映画の原点にあるので、そっから何でも映画が生まれ変わるための故郷みたいなところだと僕は思っているんですよ。そのなかでもガンアクションというのは特殊な世界ではあるけれども、一番瀕死の状態にある。チャンバラは滅びちゃったんだけど、これでガンアクションも滅びちゃうと、本当に映画のカルトがなくなっちゃうよという。(ガンコンは)そういう危機感を持って始めた企画です」
「動機はかなり切迫した危機感から始めたんだけれども、結局始めたらいつものように遊んじゃったというようなこともあると思うんですけれども、TVの世界では拳銃はほとんど追放されちゃったし、Vシネはどんどんなくなっちゃうし、このままだと本当に鉄砲映画はなくなっちゃう。是非ですね、お客さんが一杯入ったり、ロードショーがのびたり、DVDが爆発的に売れたりとかですね(笑)そういうことがないと本当になくなっちゃうよと。無くなってからだと二度とできないんですよ、怪獣映画と一緒で。ガメラという例外がありますけど」
「そういうことがあるので、鉄砲映画というのは色々な見方ができるし面白いジャンルなので、是非鉄砲映画をみんなで見ましょう、できたら帰りにモデルガンでも買ってですね、自分で振り回して(笑)なおかつ今度はそれで自分で映画も作っちゃおうと、映画というのはそういうふうにして作るもんだと。その点は5人とも共通だと思います。そっから先はバラバラなんですけれども。そういう趣旨で、ひとりの民間人(くろがねゆう氏)がほとんど個人でここまでこぎつけました。そういうようなことで、今ある映画の世界の中でも依然志にあふれた世界であると。表面的にはともかくですね(笑)。一度ならず二度三度、それでDVDは今から速攻予約に行くくらいにやっていただくと凄く嬉しいなという、それだと僕らはまた鉄砲映画作れるし、そういうのが(お客さんとの)望ましい関係ではないかと(笑)」

一つ上の階層のページへ戻る

野良犬の塒