押井守・映像機械論[メカフィリア]

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押井守・映像機械論[メカフィリア]

概要

かつてモデルグラフィックス誌に『迷走ガジェットFILE』という記事が連載されていた。これは『機動警察パトレイバー』『犬狼伝説ケルベロス・サーガ)』『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』『アヴァロン』『とどのつまり…』『天使のたまご』『西武新宿戦線異状なし』といった押井作品に登場するメカ(レイバーやプロテクトギアなど)について、押井氏自身がその設計やメカとしての意味といった蘊蓄、そしてアニメ演出に於けるメカとは何かといったことについて語るというものだった。その連載を1冊の単行本として纏めたのがこの本である。
この本の文中では、押井がレイバーやらプロテクトギアやらのデザインについて、(特にメカデザイナーの出渕裕について)色々と毒を吐いている。

(イングラムのデザインについて)嘘つけ手前(テメ)っちが好きなだけだろうが
手前(テメ)っちが強情はるからドツボにハマったじゃねえか(中略)出渕裕という稚気溢れるデザイナーがこの種の論理的世界観構築に最も向かない男
レイバーは空を飛んだりしてはイカン
出渕裕が「プロテクトギアの動力は原子力である」と発言し、筆者を憤慨させた
出渕裕という「メカ音痴のメカデザイナー」(中略)おのれあの馬鹿八つ裂きにしてくれる!

などと書きつつ、自分の好みをデザインに押し通し「バナナ(形弾倉)が好きだから(中略)P90なんかどぅわあああい嫌いだ」と自爆しているのが見物 である。

単行本版では、雑誌連載時にモノクロだったものが全てカラー(イラスト及び写真)となった。又『G.R.M.』の前身となった企画『NEXT』に登場する予定だった迎撃機についての記載が追加 (ただしモデルグラフィックス誌2002年12月号の「74式延命策の向こうに浮かび上がる戦車無用論」は掲載されていない)。 あと、実在する兵器などの資料写真が多く収録されたこと。そして岡部いさく氏の序文、また竹内敦志氏と、なんと言っても出渕裕氏本人へのインタヴューが追加されている。

なんかネタに詰まると僕(出渕)を出して、とりあえず叩いとくという方程式ができあがってね。もう途中から快感になって「わ、またキタ~!」って。こうなってくると、もうマゾですよ(笑)。以前この話(この本に関するコメント)を打診されたときに言った表題。あれですよ、心境は。覚えてます?『人間サンドバッグの悲哀』って。
プロテクトギアの)ヘルメットに関しては「ドイツ軍ぽい感じでデザインします」って言ったら「いや(現物の)ドイツ軍のままにしてくれ」って。理屈で考えたらヘンですよね。
(中略)
で、なんか自分としてのせめてもの抵抗のつもりで側面にデザインとして穴を五つ開けたんですけどね……それがいまじゃあ自分のトレードマークに。

つまりは、プロテクトギアのヘルメットに、押井はドイツ軍のヘルメットをそのまま使うことを要求してきた(日本を占領したのはアメリカ軍ではなくドイツ軍、という設定がいつ出来たのかは不明)。だが出渕はそれは設定的におかしいと反発。そこで小さな抵抗として、ヘルメットに穴を開けたデザインにしたという。それが後に、出渕氏のデザインの特徴であるいわゆる“Google:出渕穴”の発祥になった……こんな話までが語られていた。とにかく押井守出渕裕の確執、そして愛憎というものがみえてくる。だがそのようなネタだけではなく、この本は「アニメにおけるメカデザインとは」「アニメにおけるメカの演出とは」を考える良い契機となるだろう。

目次

製品

押井守・映像機械論[メカフィリア]
押井守・映像機械論[メカフィリア]

Last-modified: 2006-04-24 (月) 14:01:02 (943d)
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