#author("2022-10-25T16:14:13+09:00;2022-10-21T07:24:16+09:00","","")
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* ダゴール・ブラゴッラハ [#p21b000c]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[歴史・事件]]|
|~スペル|Dagor Bragollach|
|~異訳|ダゴール・ブラゴルラハ|
|~その他の呼び名|ブラゴッラハ(Bragollach)、第四の合戦(Fourth Battle)|

** 解説 [#Explanation]

[[シンダリン]]で「&ruby(にわ){俄};かに&ruby(ほのお){焰};流るる合戦(Battle of Sudden Flame)」の意。単にブラゴッラハとも呼ぶ。[[宝玉戦争]]における第四の合戦。
[[太陽の第一紀>第一紀]]が始まって455年目の冬の夜、[[サンゴロドリム]]から突如として火の川が流れ下って[[アルド=ガレン]]を焼き尽くし、[[鉄山脈]]が噴火した。火の川の奔流は多くの者を飲み込みながら[[ドルソニオン]]の高地と[[エレド・ウェスリン(影の山脈)>エレド・ウェスリン]]にまで達して山腹の森に火事を起こし、混乱を引き起こした。
その後に[[グラウルング]]と[[バルログ]]たち、そして夥しい数の[[オーク]]の大軍が襲来し、[[アングバンドの包囲]]が打ち破られた。これ以後、[[ベレリアンド]]において戦いが完全に終息することはなかったが、この第四の合戦自体は[[モルゴス]]側の猛攻が次第に下火になった春の訪れと共に終わったと考えられている。

襲撃の矛先をまともに受けた[[ドルソニオン]]を防衛していた[[アングロド]]と[[アイグノール]]、そして彼らに仕えていた族長の[[ブレゴラス]]を含む[[ベオルの族]]の戦士たちの大多数が討ち死にした。しかし、西側の[[シリオンの山道]]の近くで戦っていたブレゴラスの弟[[バラヒル>バラヒル(ブレゴルの息子)]]は[[セレヒ]]の沢地で包囲されていた[[フィンロド]]を多くの犠牲を払いつつ救出し、フィンロドはその謝礼として彼の一族が難渋した時には必ず助けるという誓いを立て、その証として自分の指輪をバラヒルに与えた([[バラヒルの指輪]])。
襲撃の矛先をまともに受けた[[ドルソニオン]]を防衛していた[[アングロド]]と[[アエグノール]]、そして彼らに仕えていた族長の[[ブレゴラス]]を含む[[ベオルの族]]の戦士たちの大多数が討ち死にした。しかし、西側の[[シリオンの山道]]の近くで戦っていたブレゴラスの弟[[バラヒル>バラヒル(ブレゴルの息子)]]は[[セレヒ]]の沢地で包囲されていた[[フィンロド]]を多くの犠牲を払いつつ救出し、フィンロドはその謝礼として彼の一族が難渋した時には必ず助けるという誓いを立て、その証として自分の指輪をバラヒルに与えた([[バラヒルの指輪]])。

[[ヒスルム]]の[[フィンゴルフィン]]と[[フィンゴン]]の軍勢は、多くの犠牲を出しながら[[エイセル・シリオン]]の砦への退却を余儀なくされた。[[ハドル>ハドル(ハソルの息子)]]と彼の次男[[グンドール]]は主君フィンゴルフィンの後衛を守って討ち死にした。

[[東の辺境>マエズロスの辺境国]]を防衛していた[[フェアノールの息子たち]]の内、[[ヒムラド]]の[[ケレゴルム]]と[[クルフィン]]は[[アグロン]]の山道で敵に大きな損失を与えたものの敗北し、民と共に[[ナルゴスロンド]]へ逃れた。
[[ロスラン]]の平原を守備していた[[フェアノール]]の民の乗手たちと、[[ゲリオン]]川上流の[[マグロールの山間]]を守備していた[[マグロール]]も[[グラウルング]]と[[オーク]]の襲撃を受けて敗北し、マグロールは[[ヒムリング]]の丘に拠る[[マエズロス]]の許に逃れた。
[[カランシル]]の領国である[[サルゲリオン]]も[[オーク]]の軍勢によって全土を荒らされ、オークはさらに[[ゲリオン]]川を渡って[[東ベレリアンド]]の[[アムロド]]と[[アムラス]]の領土も蹂躙した。カランシルは自分の民とアムロドとアムラスの民の残党を集めると[[ラムダル]]を越えて南へ逃れ、[[アモン・エレブ]]の丘に見張りを置きつつ、[[オッシリアンド]]の[[緑のエルフ]]の助けも得て抵抗を続けた。
兄弟の中では[[マエズロス]]の[[ヒムリング]]の丘の砦だけが持ち堪え、彼の許には[[ドルソニオン]]や[[東の辺境>マエズロスの辺境国]]から戦意を持って留まっていた者たちが集結した。マエズロスは[[オーク]]が[[ベレリアンド]]へ侵入しないよう、[[アグロン]]の山道を奪還した。

ベレリアンドの惨状と一連の敗北の知らせに逆上した[[ノルドール]]の[[上級王]][[フィンゴルフィン]]は単身[[アングバンド]]の城門まで乗馬[[ロハッロール]]で駆け、[[モルゴス]]に一騎打ちを挑んで斃れた。

***その後の局地的な合戦とその影響 [#m696629c]

北方にいた[[灰色エルフ]]の大多数はこの時南下して[[ドリアス]]や[[ナルゴスロンド]]、[[ファラス]]の港に避難し、また東の[[オッシリアンド]]や、その先の[[エリアドール]]の荒野へ逃れる者もいた。
[[中つ国]]の東方にいた人間たち([[東夷]])にも、戦争と、[[アングバンドの包囲]]が破られたという噂が伝えられた。

[[バラヒル>バラヒル(ブレゴルの息子)]]の妻[[エメルディル]]に率いられた[[ベオルの族]]の生き残りの女子供は[[ドルソニオン]]を脱出し、[[ブレシル]]や[[ドル=ローミン]]に逃れたが、バラヒル自身は息子の[[べレン>ベレン(バラヒルの息子)]]と生き残っていた男たちと共に[[ドルソニオン]]に踏みとどまった([[ドルソニオンの無宿者たち]])。

ダゴール・ブラゴッラハからほぼ二年近くが経過した頃、[[オロドレス>オロドレス(フィナルフィンの息子)]]が守備していた[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(トル・シリオン)]]の塔が[[サウロン]]の襲撃を受け陥落し、[[シリオンの山道]]が奪われた。
これによって[[ハラディンの族>ハレスの族]]が住む[[ブレシル]]にも[[オーク]]が襲来した。ハラディンの族長[[ハルミル]]は[[ドリアス]]の王[[シンゴル]]に急使を送り、ドリアスの国境警備隊長[[ベレグ>ベレグ(ドリアス)]]が指揮する[[シンダール]]の軍勢の救援を得て、侵入してきたオークの軍団を潰滅させた。
この戦いの時に[[フーリン>フーリン(ガルドールの息子)]]と[[フオル]]は味方と切り離され、[[ブリシアハ]]の浅瀬でオークに包囲されたが、[[ウルモ]]の加護によって[[シリオン]]川から立ち上った霧に姿を隠され、浅瀬を渡って[[ディンバール]]に遁れた。そこで[[ソロンドール]]によって救出されて[[ゴンドリン]]に連れて行かれ、[[トゥルゴン>トゥルゴン(フィンゴルフィンの息子)]]の客人として一年近く滞在した後、[[ドル=ローミン]]に送り届けられた。

ダゴール・ブラゴッラハから七年が経過した頃、[[モルゴス]]が新たな攻撃に打って出て、[[ヒスルム]]に大軍を送り込んだ。[[エレド・ウェスリン(影の山脈)>エレド・ウェスリン]]への攻撃は苛烈で、[[エイセル・シリオン]]の包囲戦において[[ガルドール>ガルドール(ハドルの息子)]]が討ち死にしたが、息子の[[フーリン>フーリン(ガルドールの息子)]]が[[オーク]]を撃退した。
[[フィンゴン]]は北から攻めて来た軍勢を相手にヒスルムの平原で戦い、数に押されて苦境に陥ったが、[[キールダン]]の船隊が[[ドレンギスト]]の入り江を遡って西から救援に駆けつけたおかげで、辛うじて勝利を収めた。

同じ頃、[[ドルソニオン]]に踏みとどまっていた[[バラヒル>バラヒル(ブレゴルの息子)]]ら[[ドルソニオンの無宿者たち]]たちは、[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]を除いて皆殺しにされた。
それからさらに四年後、ベレンはようやく[[ドリアス]]に逃れ、そこで[[ルーシエン]]に出会った。

#include(Include/宝玉戦争,notitle)

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