#author("2023-08-07T10:38:35+09:00;2022-09-25T20:49:04+09:00","","")
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* アンドゥーリル [#u49765e4]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[物・品の名前]]|
|~スペル|Andúril|
|~異訳|アンデュリル、アンドゥリル|
|~その他の呼び名|ナルシル(Narsil) &br; 折れたる剣(Sword that was Broken) &br; 鍛え直されたる剣(Sword Reforged)|

** 解説 [#Explanation]

[[クウェンヤ]]で「西方の&ruby(ほのお){焰};(Flame of the West)」((「西」の意のアンドゥーネ(andúnë)と、「輝き」の意のリル(ril)を合わせた語。夕陽のことではない。))の意。[[アラゴルン二世]]の剣。
[[エレンディル]]の剣であった''折れたる剣ナルシル''が鍛え直されたもの。

*** ナルシル [#Narsil]

>[[エレンディル]]の剣は[[オーク]]と[[人間]]を恐怖に陥れ、[[太陽]]の光と[[月]]の光に輝き、ナルシルと名づけられていた。((『[[シルマリルの物語]]』「力の指輪と第三紀のこと」))

元々は[[第一紀]]の[[ドワーフ]]の名工[[テルハール]]によって鍛えられたという剣であり、[[クウェンヤ]]で''ナルシル''((『[[The Letters of J.R.R.Tolkien]]』#347(1972年)によると、[[エルフ語]]の語幹で「火(fire)」のNARと、「白い輝き(white light)」のTHIL。すなわち闇の敵である[[太陽]](Anar)と[[月]](Isil)のこと))と呼ばれていた。

[[最後の同盟]]で[[エレンディル]]の振るうナルシルは、[[ギル=ガラド]]の振るう槍[[アエグロス>アエグロス(武器)]]と共に[[モルドール]]の軍勢に多大なる脅威を与え、同盟軍は[[ダゴルラド]]の戦いで勝利を得る。[[滅びの山]]の山腹で行われた最後の戦いにおいても、エレンディルはナルシルを手に[[サウロン]]と戦ったが、エレンディルは斃されてナルシルは彼の体の下で二つに折れた。
[[イシルドゥル]]は折れたナルシルの柄本に残った刃で、斃れたサウロンの指を切り取って[[一つの指輪]]を我が物とする。

こうしてナルシルは''折れたる剣''となったが、サウロンの手から指輪を失わせたこの剣は、サウロンにとって憎しみと恐怖の的になる。

*** 折れたる剣 [#Broken]

>[[かれ>アラゴルン二世]]は[[エルロンド]]の前に置かれたテーブルに自分の剣を投げ出しました。剣の刃は二つに折れていました。「ここに『折れたる剣』がある!」と、かれはいいました。((『[[指輪物語]] [[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「エルロンドの会議」))

[[イシルドゥル]]はこの折れた父の剣も携えて[[アルノール]]への帰路についたが、その途中[[あやめ野]]で[[オーク]]に襲撃されて落命する。ナルシルの破片は、イシルドゥルに命じられてその場を脱出した[[オフタール]]によって持ち出され、オークの略奪から救われた。

以後ナルシルは[[北方王国]]の宝器として受け継がれ、北方王国が滅亡してからは他の宝器([[バラヒルの指輪]]、[[アンヌーミナスの王笏]]、[[エレンディルミア]])と共に[[裂け谷]]に預けられた。
その間ずっとナルシルは折れたままにされていたが、これは'''サウロンの[[一つの指輪]]が再び見出されたとき、折れたる剣も鍛え直されるべし'''と[[エルロンド]]によって予言されたからである。

[[アラゴルン二世]]が成人すると、折れたままのナルシルは、[[エルロンド]]からアラゴルンに与えられた。[[躍る小馬亭]]で[[フロド・バギンズ]]が初めてアラゴルンと会ったときにも、アラゴルンは折れたままのナルシルを帯びていた。

*** アンドゥーリル [#Anduril]

>その刀身には、[[弦月>月]]と放射状の[[太陽]]の間に[[七つの星]]を並べた図様が刻まれ、その図様の周りにはたくさんの[[ルーン文字>キルス]]が書かれました。 … ふたたび完全に作り直された剣は&ruby(こうこう){耿々};たる光を放ち、陽の光が射せば&ruby(かくかく){赫々};と燃え、月の光が当たれば&ruby(しんしん){沈々};と輝きました。そしてその&ruby(やいば){刃};は堅牢鋭利でした。((『旅の仲間』「指輪、南へいく」 弦月と訳されている原語は'''the crescent Moon'''(三日月や暁月のような細い月のこと)。))

[[エルロンドの会議]]で[[一つの指輪]]が確認され、[[指輪の仲間]]の出立が定まると、折れたる剣は[[エルフ]]の刀鍛冶によって鍛え直され、[[アラゴルン二世]]から新たに''アンドゥーリル''と命名されて彼の佩剣となった。

指輪の仲間が[[ロスローリエン]]を発つとき、[[ガラドリエル]]は[[この剣のためにしつらえた鞘>アンドゥーリルの鞘]]をアラゴルンに[[贈り物>ガラドリエルの贈り物]]として与えた。

[[角笛城の合戦]]の後、[[オルサンク]]の[[パランティール]]を手に入れたアラゴルンは、それを使って[[サウロン]]に挑戦し、鍛え直されたアンドゥーリルを目の当たりに示す。遺恨のあるこの剣が、[[エレンディル]]の世継ぎによって鍛え直されたと知ったサウロンは大いに怒り、予定より早く西方との全面戦争を引き起こした。
[[ペレンノール野の合戦]]では、戦場に駆けつけたアラゴルンの振るうアンドゥーリルは再び[[モルドール]]の軍勢の脅威となった。この戦いの後、アラゴルンはアンドゥーリルをもはや鞘に収めず[[黒門の戦い]]に撃って出た。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

字幕及び吹替での名前は『[[指輪物語]]』書籍[[新版]]に従い''アンドゥリル''。
[[アラゴルン>アラゴルン二世]]が[[フロド>フロド・バギンズ]]達と出会ったときに持っているのは別の剣で、彼が[[指輪の仲間]]と共に[[裂け谷]]を出発したときも、ナルシルは折れたまま裂け谷に保管されている。『[[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』において、ナルシルは[[アルウェン]]の助言によってアンドゥーリルに鍛え直され、[[エルロンド]]によって[[やしろ岡]]にいるアラゴルンのもとへ届けられた。
アンドゥーリルはアラゴルンが[[イシルドゥル]]の世継ぎであることの証として、[[死者の道]]で[[死者の軍勢]]を従わせるのに使われた。

柄頭には[[フェアノール文字]]で、次のような[[クウェンヤ]]が彫られている。

>'''Narsil essenya, macil meletya / Telchar carnéron Návarotesse'''
(ナルシル エッセンヤ、 マキル メレティア / テルハル カルネーロン ナーヴァロテッセ)
>Narsil my name, mighty sword / Telchar made me in Návarot
(ナルシルが我が名、大いなる剣 / [[テルハール]]が[[ナーヴァロト>ノグロド]]にて我を鍛えき)

刀身には柄側に彫られた[[太陽]]と剣先側に彫られた[[三日月>月]]の間に、[[アンゲルサス・ダエロン>キルス#daeron]]で次のような[[クウェンヤ]]が彫られている。更にこれらの単語の間に光線八条の[[七つの星]]が彫られている。

>'''Dndr(Anar) / Nányë Dndúril(Andúril) i né Narsil i macil Elendilo Lercuvanten i móli Mordórëo / Isil'''((一部の単語ではAのルーン文字が誤ってDの文字になっている。))
(アナール / ナーンイエ アンドゥーリル イ ネー ナルシル イ マキル エレンディロ レルクヴァンテン イ モーリ モルドーレオ / イシル)
>Sun / I am Andúril who was Narsil the sword of Elendil. Let the thralls of Mordor flee me / Moon
([[太陽]] / 我はアンドゥーリル、エレンディルの剣ナルシルたりし者。モルドールの奴隷は我から逃げよ / [[月]])

剣が鍛え直されるシーンは、映画で実際に武器を制作した職人が、エルフの刀鍛冶に扮してカメオ出演している。

『王の帰還 [[エクステンデッド・エディション]]』では、[[黒門の戦い]]に出発する直前のアラゴルンが[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]で[[パランティール]]を使って[[サウロン]]にアンドゥーリルを見せつけ、挑戦するシーンが追加されている。

*** 画像 [#q1f88806]

&ref(vlcsnap-00081.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』における、裂け谷で保管されているナルシル); &ref(vlcsnap-00107.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるアンドゥーリル); &ref(AragornandAnduril.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるアンドゥーリル);

*** グッズ [#Goods]
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** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

[[テルハール]]がナルシルを作ったとき、[[フェアノール]]が金剛石から作ったという、シリタールという宝石がはめ込まれた。折れたナルシルを鍛え直すのには、失われたシリタールが必要という設定になっている。[[アラゴルン>アラゴルン二世]]の依頼によってその宝石の在処を求め、[[夕おぼろ]]を捜索するクエストが存在する。

*** 画像 [#w66588e6]

&ref(アラゴルン二世/ScreenShot00004.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるアラゴルン(裂け谷で鍛え直されたアンドゥーリルに名を付けた場面));

** コメント [#Comment]

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