-ゴンドールの王オンドヘアの息子については、[[ファラミア(オンドヘアの息子)]]を参照してください。
-ペレグリン・トゥックの息子ファラミアについては、[[ファラミア・トゥック]]を参照してください。

* ファラミア [#e99bf707]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Faramir|
|~その他の呼び名|ゴンドールの大将(Captain of Gondor) &br; ファラミア公(Prince Faramir)|
|~種族|[[人間]]([[ドゥーネダイン]])|
|~性別|男|
|~生没年|[[第三紀]]2983~[[第四紀]]82(享年120)|
|~親|[[デネソール二世]](父)、[[フィンドゥィラス>フィンドゥイラス(アドラヒルの娘)]](母)|
|~兄弟|[[ボロミア]](兄)|
|~配偶者|[[エオウィン]]|
|~子|[[エルボロン]]|

** 解説 [#Explanation]
|>|>|~[[ゴンドール]]の[[統治権を持つ執政>執政#u6c07482]]|h
|CENTER:第26代&br;[[デネソール二世]]&br;2984 - 3019|CENTER:第27代&br;''ファラミア''&br;第三紀3019|CENTER:'''王の帰還'''&br;統治権の返上|

|>|>|~[[ゴンドール]]の[[執政]]|h
|CENTER:先代&br;[[デネソール二世]]|CENTER:[[エレスサール>アラゴルン二世]]王の執政&br;''ファラミア''|CENTER:次代&br;不明&br;([[エルボロン]]?)|

[[デネソール二世]]と[[フィンドゥイラス>フィンドゥイラス(アドラヒルの娘)]]の次男、[[ボロミア]]の弟。兄とは5歳違いになる。

>門番に話しかけながら、かれはしばらくの間誇りにみちたまじめな様子で立っていました。そのかれをじっと見つめていた[[ピピン>ペレグリン・トゥック]]は、かれがその兄の[[ボロミア]]にいかによく似通っているかに気づきました――ピピンは最初からボロミアのことが好きで、かの偉丈夫の威あって親切な態度に敬服していたのです。しかしファラミアに対しては突然かれの心はかつて覚えのない感動で奇体に動かされました。ここにいるのは、[[アラゴルン>アラゴルン二世]]が時として垣間見せる神秀高潔な風格を具えた人でした。もっともアラゴルンほど高貴な血統ではなく、かといってアラゴルンほどのうかがい知れない大きさや近づきがたさを感じさせませんが、後代に生まれた[[人間の王たち>ドゥーネダイン]]の一員でありながら、長上族、[[エルフ]]たちの智恵と悲しみをものぞかせるという人柄でした。[[ベレゴンド>ベレゴンド(バラノールの息子)]]が敬愛の念をこめてかれの名を口にした理由がかれには今わかりました。かれはたとえ[[黒い翼>恐るべき獣]]の影の下であろうと、人々がその後について行こうとする大将の器でした。ピピン自身だってその後について行くでしょう。((『[[指輪物語]] [[王の帰還]] 上』「四 ゴンドールの包囲」 ミナス・ティリスでピピンが目撃したファラミア))

兄とは異なる気質を持ち、物腰穏やかで伝承の学と音楽を愛したが、決して臆病ということはなく、戦いにおいて必要とあらば勇敢さを示した。控え目な性格のため、周囲の評価では兄に比べて見劣りする面もあったが、[[ゴンドール]]の民からの信頼は厚く、ファラミア自身も決して兄を妬むことはなく、兄弟の間には強い信頼と愛情があった。
父のデネソールは、兄のボロミアを誰よりも寵愛する一方で、ファラミアに対しては冷淡であった。ファラミアがかつて、[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]を訪れた[[ミスランディア(ガンダルフ)>ガンダルフ]]に親しみ、彼から多くのことを学んだことでも、デネソールの不興を買っていたようである。

***ファラミアの見た夢 [#v1692c97]

ファラミアは、父[[デネソール]]と同様に[[西方の血>ドゥーネダイン]]が強く発現していたらしく、常人よりはるかに明敏な感覚を持っており、遠方のことを見通し、人の心を読み取ることができた。
[[指輪戦争]]の前、ファラミアは謎のお告げが出てくる夢を繰り返し見る。

>[[折れたる剣>アンドゥリル]]を求めよ。 &br;  そは[[イムラドリス>裂け谷]]にあり。 &br; かしこにて助言を受くべし、 &br;  [[モルグル]]の呪魔より強き。 &br; かしこにて兆を見るべし、 &br;  滅びの日近くにありてふ。 &br; [[イシルドゥアの禍>一つの指輪]]は目覚め、 &br;  [[小さい人>ホビット]]ふるいたつべければ。((『 [[旅の仲間]]』[[エルロンドの会議]]でボロミアが報告した兄弟で同じものを見たという夢の言葉))

一度はボロミアも同じ夢を見たが、ファラミアはこの謎の答えを求め、イムラドリス(裂け谷)を捜す旅に出ようとする。だがその旅路が不確かで危険に満ちているとして、イムラドリス捜索はボロミアが買って出た。
そのままボロミアは[[ゴンドール]]に帰らず、[[パルス・ガレン]]で命を落とした。この時、ファラミアは彼の吹き鳴らした[[角笛>ゴンドールの角笛]]の音を聞いたように思ったという。さらにその三日後の夜半、[[大河]]の岸辺でボロミアの亡骸を載せた小舟が[[大海]]へ運び去られていくのに対面し、彼の死を悟る。

*** [[指輪戦争]]におけるファラミア [#g3e4f5f0]

兄と共にファラミアはゴンドールの大将として、[[モルドール]]の脅威から母国を守っていた。だが[[3018年>大いなる年#year3018]]、不意にモルドールから送り出された大軍のために、[[イシリアン]]および[[オスギリアス]]の駐屯部隊は撤退を余儀なくされる。兄弟は橋を落とすことでかろうじて敵が西岸に渡ることは防いだものの、大河の東岸はほとんど敵の手に奪われてしまった。
ボロミアが裂け谷へと旅立った後、ファラミアは[[カイア・アンドロス]]および[[ヘンネス・アンヌーン]]を拠点に、イシリアンに唯一残った遊撃部隊([[イシリアンの野伏]])を指揮してモルドールへのゲリラ活動および大河の防衛を続けていた。

[[3019年>大いなる年#year3019]]の3月7日、モルドールの召集に応えて北上してきた[[ハラドリム]]の部隊をイシリアンで攻撃していた際に、モルドールへ侵入する道を捜していた[[フロド・バギンズ]]と[[サムワイズ・ギャムジー]]に接触し、彼らを捕らえた。取り調べのため、彼らをヘンネス・アンヌーンまで連行したが、始終丁重に扱うなど高潔な人柄を示し、二人の信頼を勝ち得る。ファラミアはフロドが持つ[[一つの指輪]]のこと、それをボロミアが欲したことに気付いたが、一つの指輪の危険性を正しく認識してそれを目にすることも触れることも望まなかった。またこの時、フロドとサムにボロミアの死を伝えている。
フロドの指輪滅却の任務を知ったファラミアは彼に協力し、死罪になるはずだった[[ゴクリ]]の命を助け、[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]へ連行する決まりになっていた三人を釈放すると、食糧と助言、祝福を与えて送り出した。だがこのために尚更デネソールの不興を買うことになる。

ゴンドールへの本格攻撃を決意した[[サウロン]]が軍勢の第一波を送り出すと、イシリアンの残存部隊は掃討され、オスギリアスもモルドール軍の手に落ちる。生き残った部隊とファラミアは[[白のガンダルフ>ガンダルフ]]に救われて辛くも[[ナズグール]]の追撃を逃れ、ミナス・ティリスまで帰り着いた。
しかしデネソールが、ゴンドールの諸卿にアンドゥイン西岸側のオスギリアス防衛を求めると、ファラミアは亡きボロミアの代わりとして勤めを果たそうとし、この苛酷な要求を引き受ける。だが、モルドールの大軍による攻撃によって部隊は敗北し、敵のアンドゥイン渡河を許してしまう。ファラミアは[[ランマス・エホール]]まで後退しながら部隊を立て直そうとするが、[[ナズグール]]および[[恐るべき獣]]がもたらす恐怖によって部隊は潰走状態となり、ファラミア自身も負傷し[[黒の息]]に冒された状態で、かろうじて[[イムラヒル]]らの部隊に救出され、ミナス・ティリスに帰還した。
高熱と昏睡状態に陥ったファラミアを目にしてデネソールは絶望し、彼と共に焼身自殺を図ろうとする。だがファラミアは、[[近衛兵>城塞の近衛部隊]]の[[ベレゴンド>ベレゴンド(バラノールの息子)]]と[[ペレグリン・トゥック]]によって救出され、[[ペレンノール野の合戦]]後に、[[アラゴルン二世]]の手によって黒の息から癒された。その一瞬、アラゴルンを王と認め、忠誠を誓った。

*** 指輪戦争後 [#w2cba7df]

ファラミアは、[[黒門の戦い]]には参加せず、ミナス・ティリスの[[療病院]]に留まって療養を続けていたが、そこで同じく黒の息に冒されてアラゴルンに癒されていた[[ローハン]]の[[エオウィン]]と出会い、彼女に魅かれるようになる。ファラミアは生きる望みを失っていたエオウィンに希望を与え、後に彼女と結婚した。
[[指輪戦争]]の終結後、ファラミアは[[デネソール二世]]の死を受けて、[[執政]]として[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]の大門前で執り行われた[[エレスサール王>アラゴルン二世]]の戴冠式を司る。その戴冠式でエレスサール王によって改めて執政に任じられた。またエレスサール王による[[ベレゴンド>ベレゴンド(バラノールの息子)]]の裁きの場で、ファラミアは[[イシリアン]]を領国(princedom)とする大公(Prince)に封ぜられた。
その後ファラミアはエレスサール王の命で、父祖代々の所領であった[[エミン・アルネン]]に住まった。エオウィンとの間に生まれた息子の名は[[エルボロン]]、孫の名は[[バラヒア>バラヒア(ファラミアの孫)]]であり、ファラミアは[[第四紀]]82年に120歳で没したという。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

|~俳優|[[デヴィッド・ウェンハム]]|
|~日本語吹き替え|[[宮本充]]|

『[[二つの塔]]』にて[[フロド・バギンズ]]の持つ[[一つの指輪]]のことに気がついたファラミアは、フロドと[[サムワイズ・ギャムジー]]、[[ゴラム>ゴクリ]]をミナス・ティリスに連れて行くため、[[オスギリアス]]まで連行する。だが、[[ナズグール]]を前にしたフロドの行動を見て一つの指輪の魔力とその危険さを思い知り、フロド達を解放する。
『[[王の帰還]]』では、[[オスギリアス]]からの撤退戦で負傷するかわりに、[[デネソール二世]]の命で、オスギリアス奪回のため無謀な突撃を行って、負傷するが部隊の中で唯一生き残り、自分の馬に引きずられながらかろうじて[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]に戻ってくるという形にアレンジされている。また[[エクステンデッド・エディション]]では、ミナス・ティリスにおいて[[ピピン>ペレグリン・トゥック]]に与えられた鎧は、ファラミアが子供のころ使っていた物だったという設定が追加。

[[エオウィン]]との恋愛の話はカットされたが、『エクステンデッド・エディション』に、[[療病院]]でわずかに見詰め合う二人と城壁の上で会話するシーンが登場。

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