#author("2022-09-19T02:11:57+09:00;2022-09-10T08:08:04+09:00","","")
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-始祖ベオルの一族の首領ボロミル(Boromir)については、[[ボロミル(ボロンの息子)]]を参照してください。
-ゴンドール11代目の執政ボロミル(Boromir)については、[[ボロミル(デネソール一世の息子)]]を参照してください。
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* ボロミル [#fb8fce9b]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Boromir|
|~異訳|ボロミア|
|~その他の呼び名|白の塔の長官(High Warden of the White Tower) &br; 白の塔の大将(Captain of the White Tower) &br; 総大将(Captain-General)|
|~種族|[[人間]]|
|~性別|男|
|~生没年|[[第三紀]]2978~†3019年2月26日(享年41)|
|~親|[[デネソール二世]](父)、[[フィンドゥイラス>フィンドゥイラス(アドラヒルの娘)]](母)|
|~兄弟|[[ファラミル]](弟)|
|~配偶者|なし|
|~子|なし|

** 解説 [#Explanation]

[[指輪の仲間]]の一人。[[ゴンドール]]の[[執政]][[デネソール二世]]の長子で、[[ファラミル]]の兄。

ゴンドールだけではなく[[ローハン]]にまで名が届く勇猛な武将として知られた、剛勇の人物。その人となりは[[エアルヌル]]に似ていたと言われ、武芸を好み伴侶を持つことはなかった。
彼は自信と誇りに満ちあふれており、時にはそれが尊大に感じられることもあったが、本質的には礼儀正しく誠実な人物である。[[ガンダルフ]]が[[バルログ]]と対峙したとき、[[アラゴルン>アラゴルン二世]]とともにガンダルフを助けるため引き返そうとしたほどの勇気の持ち主でもある。

>それから、少し離れたところに、気品のあるりっぱな顔立ちの、背の高い人が一人坐っていました。その人の髪の色は黒っぽく、灰色の目は誇り高くきびしい光をたたえていました。
かれのマントといい、編上げ靴といい、騎馬旅人のなりでしたが、現に、そのぜいたくな衣服も、毛皮の裏のついたマントも、長旅に汚れはてていました。かれは白い石の一つはまった銀の襟かざりをつけ、肩のあたりで巻き毛を切りそろえていました。肩から斜めにわたした飾り帯には[[銀の口金のついた大きな角笛>ゴンドールの角笛]]をさしていたのですが、それは今は膝の上にのっていました。((『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「エルロンドの会議」))((『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「エルロンドの会議」))

*** ゴンドールの総大将 [#i55e69ca]

父の[[デネソール>デネソール二世]]や弟の[[ファラミル]]とは違い、[[西方の血>ドゥーネダイン]]はほとんど発現していなかった。外見的には父に似ていたものの、自尊心を除けば性格的には全く似ておらず、そのためにデネソールは一層彼を愛した。父親には冷遇されがちだったファラミルとも強い絆で繫がれており、二人の幼少期にはボロミルがファラミルの援助者であり保護者であったという。
ボロミルは長きに渡り[[ゴンドール]]を守ってきた[[執政家]]を非常に誇りに思っていたが、心の底では[[執政]]が決して王にはなれないことへの不満も抱いていた。

長じると勇猛果敢な武将として知られるようになり、ゴンドールの総大将として、再興した[[モルドール]]の脅威を食い止めるべく奮戦した。国民からの信望も厚く、彼はゴンドール第一の人物と目されており、そんなボロミルをデネソールは大いに寵愛した。
だが[[3018年>大いなる年#year3018]]6月、[[モルドール]]より突如大軍が押し寄せて[[イシリエン]]と[[オスギリアス]]の駐屯部隊は撤退を余儀なくされる。この時モルドール軍は[[魔王]]以下[[ナズグール]]が指揮を執っており、ボロミルとファラミルはただ一つ残っていた橋を落とすことで辛うじて[[アンドゥイン]]の西岸を防衛することができた。

*** イムラドリスへの旅 [#n104eebc]

オスギリアスでの戦い以降、[[ファラミル]]は何度も[[謎のお告げ>ボロミルの謎歌]]が語られる夢を見るようになり、ボロミルも一度は同じ夢を見た。二人はこの夢の言葉の意味をほとんど理解できなかったが、[[デネソール>デネソール二世]]はお告げにある「イムラドリス」とは賢者[[エルロンド]]が住む北方の隠れ里の古称であることを教える。するとお告げの謎を解くため、ファラミルがイムラドリスを捜す旅に出ようとしたが、その旅路が不確かで危険に満ちているとしてボロミルがこの旅を買って出た。デネソールはこれに反対したものの、ボロミルは自分の意思を押し通し、イムラドリスを求めて[[ゴンドール]]を出発した。

ボロミルは[[ローハン]]で[[馬]]を借り、[[ローハン谷]]を西へ抜けて[[エネドワイス]]を北上する。だが北へ向かう[[南北街道]]は使われなくなって久しく、ほとんど消失してしまっており、とうに橋の落ちた[[サルバド]]の浅瀬では馬を失うなど、その旅は困難を極めた。
三か月あまりをかけてどうにか[[イムラドリス(裂け谷)>裂け谷]]へ到達したボロミルは、その朝に開かれた[[エルロンドの会議]]に出席して謎解きを乞うた。その会議上で、彼は夢のお告げで語られていた「イシルドゥルの禍」である[[一つの指輪]]、「折れたる剣」である[[ナルシル]]、そして「小さい人」である[[ホビット]]を実際に見ることになった。

*** 指輪の旅 [#cbaf2039]

ボロミルは[[指輪の仲間]]の一員に選ばれ、[[フロド・バギンズ]]達と旅を共にする。彼は一行の中では[[ガンダルフ]]の、ガンダルフが[[モリア]]で行方不明になった後には[[アラゴルン>アラゴルン二世]]の意見と指示に基本的に従っていたが、ゴンドールの大将としての責務があるため、途中で[[モルドール]]へ向かう道を逸れて仲間と別れ、[[ゴンドール]]に帰国する予定であった。

だがボロミルはゴンドールを救う強大な力を求めており、[[一つの指輪]]を用いればすべて禍に転ずるという[[エルロンド]]や[[ガンダルフ]]の言葉に心底から納得したわけではなかった。
無意識に一つの指輪を用いることを望むようになったボロミルは、[[ロスローリエン]]で[[ガラドリエル]]にその望みを指摘された後は、次第に一つの指輪の魔力に誘惑されて苦しむようになる。やがて[[パルス・ガレン]]にて我を忘れた彼は、フロドから力ずくで指輪を奪い取ろうとした。
その直後ボロミルは正気に戻りフロドに許しを請うが、すでにフロドは逃げ失せて彼の声は耳に届いていなかった。フロドはこれがきっかけとなり、仲間から離れて一人でモルドールへ向かう決意をする。

これを大いに悔いたボロミルは、仲間が[[オーク]]に襲撃された時、身を挺して[[メリアドク・ブランディバック]]と[[ペレグリン・トゥック]]を守るために孤軍奮闘した。彼は[[ゴンドールの角笛]]を吹き鳴らしたものの援軍が駆けつけることはなく、大勢のオークを倒したが最後には無数の矢を射かけられて彼自身も倒れた。ボロミルは、自身のいまわの際を看取った[[アラゴルン>アラゴルン二世]]に[[ホビット]]がさらわれたことを知らせ、また自分がフロドから指輪を奪おうとしたことを告白し、ゴンドールを救ってくれるよう言い残して息絶えた。

>「おさらば、アラゴルン! ミナス・ティリスに行き、わが同胞を救ってください! わたしはだめだったが。」
「違う!」アラゴルンはそういうと、かれの手をとり、その額に口づけしました。「あなたは打ち勝ったのだ。このような勝利を収めた者はほとんどおらぬ。心を安んじられよ! ミナス・ティリスを陥落させはせぬ!」
ボロミルはほほ笑みました。((『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』「ボロミルの死」))

ボロミルの遺体はアラゴルン、[[レゴラス]]、[[ギムリ]]の手により、[[ロスローリエン]]の[[小船]]に乗せられて、[[アンドゥイン]]に流されて葬られた。
その船はエルフの魔法のなせる業か、[[ラウロスの大瀑布>ラウロス]]に巻き込まれても沈むことなくアンドゥインを下り続け、[[オスギリアス]]に近い浜辺を流れているところを[[ファラミル]]に目撃された。さらに船はアンドゥインを下り続け、ある星の夜に[[大海]]へ放たれていったと伝えられている。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

|~俳優|[[ショーン・ビーン]]|
|~日本語吹き替え|[[小山力也]]|

字幕及び吹替での名前は『[[指輪物語]]』書籍[[新版]]に従い''ボロミア''。
最期は[[ウルク>ウルク=ハイ]]の[[ラーツ]]と戦って倒れる。原作でボロミルの死が描かれているのは『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』冒頭だが、映画では『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』のラストシーンに変更されている。
『二つの塔 [[エクステンデッド・エディション]]』では、[[ファラミル]]の回想シーンに登場。[[オスギリアス]]を奪回した戦いの後でファラミル、[[デネソール>デネソール二世]]と会話している。そのシーンでは[[夢歌>ボロミルの謎歌]]のことは登場せず、デネソールは[[エルロンド]]の招集に応じてボロミルを[[エルロンドの会議]]に派遣したことになっている。
『[[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』では、デネソールがボロミルの幻影を見るシーンがある。

*** 画像 [#xc38975f]

&ref(vlcsnap-00037.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるボロミル); &ref(vlcsnap-00038.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるボロミル); &ref(vlcsnap-00096.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるボロミル(回想シーン));

*** グッズ [#Goods]

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** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

&ref(ScreenShot00670.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における裂け谷でのボロミル);

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** コメント [#Comment]

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