#author("2023-10-28T22:17:18+09:00;2023-03-02T18:29:45+09:00","","")
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* ドル・グルドゥル [#e93d342c]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Dol Guldur|
|~異訳|ドル・グルドゥア、ドル・グルデュア|
|~その他の呼び名|アモン・ランク(Amon Lanc)|

** 解説 [#Explanation]

[[シンダリン]]で「妖術の丘(Hill of Sorcery)」の意。[[闇の森]]の南部にある[[死人占い師]]の要塞。

>ただ遥か先の方で土地はふたたび高くなり、あたかも暗い荒涼とした長城が横わたっているかのように見えました。[[ロスローリエン]]を照らす太陽も、あの遥かな高い土地をおおう影をはらう力はありませんでした。
「あそこにあるのは南[[闇の森]]の要塞です。」と、[[ハルディル>ハルディル(ロスローリエン)]]がいいました。「暗い[[&ruby(もみ){樅};>樅]]の林でおおわれていて、その木々が互いに張り合い、枝々はみな枯れ朽ちています。真ん中の高くなった岩の上にドル・グルドゥルがあります。[[われらの敵>サウロン]]が長い間身を隠して住んでいたところです。」((『[[指輪物語]] [[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「ロスローリエン」))

*** 地理 [#rf2a88ab]

[[闇の森]]南西部の端の高地にある、頂上に木が生えていない丘。[[アンドゥイン]]を挟んで[[ロスローリエン]]の東の対岸に位置している。
『[[ホビットの冒険]]』では'''あいつ([[死人占い師]])の黒い塔の見渡すかぎりの土地'''((『[[ホビットの冒険]]』「ふしぎな宿り」))と描写されている。

*** 歴史 [#j048cd2c]

元々は「はだか山(Naked Hill)」の意である''アモン・ランク''と呼ばれていた。
[[第二紀]]に[[緑森大森林>闇の森]]のエルフ王だった[[オロフェル]]の一党は、[[モルドール]]で[[サウロン]]が勃興した噂を聞いて北へ移るまではこの丘の周辺に住まっていた。

[[第三紀]]1050年頃から緑森大森林に影が広がると、1100年頃にこの地が[[死人占い師]]の要塞となっていることが判明する。
その恐怖の影から逃れるため、当時[[アンドゥインの谷間]]にいた[[ホビット]]と[[エーオセーオド]]はそれぞれ西と北へ移住。さらに[[エリアドール]]では[[北方王国]]が終焉し、[[ゴンドール]]では王統が途絶え、[[霧ふり山脈]]では[[モリア]]が滅亡するなど、各地で災禍が続発した。
こうして2060年にはドル・グルドゥルの力が強まり、[[賢者たち>白の会議]]は[[サウロン]]が復活したのではないかと恐れた。そこで2063年、[[ガンダルフ]]はドル・グルドゥルに潜入。正体の露呈を恐れた死人占い師は東に逃れ、しばらく[[警戒的平和]]がもたらされた。

2460年、死人占い師は力を増してドル・グルドゥルに戻り、警戒的平和が終わった。
[[モルドール]]からは[[ウルク>ウルク=ハイ]]が現れ、[[灰色山脈]]では[[龍]]が襲い、[[霧ふり山脈]]では[[オーク]]が拠点を増やすなど、再び[[自由の民]]の敵たちの動きが活発化した。2510年に[[ケレブラントの野の戦い]]で[[カレナルゾン]]に侵入した[[バルホス族]]はドル・グルドゥルの支配下にあり、[[ロヴァニオン]]南東部を事実上占拠していた。
[[モルドール]]からは[[ウルク>ウルク=ハイ]]が現れ、[[灰色山脈]]では[[龍]]が襲い、[[霧ふり山脈]]では[[オーク]]が拠点を増やすなど、再び[[自由の民]]の敵たちの動きが活発化した。2510年に[[ケレブラントの野の戦い]]で[[カレナルゾン]]に侵入した[[バルホス族]]はドル・グルドゥルの支配下にあり、[[リョヴァニオン]]南東部を事実上占拠していた。
2845年、放浪していた[[スラーイン二世]]がこの地に捕らえられ、彼が持っていた[[七つの指輪]]の最後のひとつが取り上げられた。
2850年、[[ガンダルフ]]は再びドル・グルドゥルに潜入し、死人占い師の正体が間違いなく[[サウロン]]であることを突き止めた。またこの時、ガンダルフは土牢に放置されていたスラーインから[[スロールの地図]]と[[エレボール]]の鍵を受け取った。

2941年、[[五軍の合戦]]が行われた年、[[白の会議]]はドル・グルドゥルを攻撃してサウロンを追い出したが、今度の逃亡は見せかけであった。
[[モルドール]]に帰還したサウロンは、2951年に三人の[[ナズグール]]を派遣してドル・グルドゥルを再占領。[[指輪戦争]]までこの地はモルドールの前哨地であり続け、[[ロスローリエン]]及び[[闇の森の王国>闇の森#Realm]]を脅かした。

[[大いなる年]]、ドル・グルドゥルの軍勢はロスローリエンを三度攻撃したが、ロスローリエンの守りを破るには至らなかった。同時期に森の王国への攻撃も行われ、[[闇の森樹下の合戦]]が戦われた。
[[一つの指輪]]が破壊されサウロンが没落すると、ドル・グルドゥルは[[ケレボルン]]が指揮するロスローリエンの軍勢によって陥落し、要塞は[[ガラドリエル]]によって破壊され浄化された。

** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]

字幕及び吹替での名前は『[[指輪物語]]』書籍[[新版]]に従い''ドル・グルドゥア''。
『決戦のゆくえ』[[エクステンデッド・エディション]]のメイキングによると、元来は[[ヌーメノール]]の技術によって作られたことにされており、[[パランティール]]の一つが置かれている([[ガンダルフ]]を抱えた[[ガラドリエル]]が[[ナズグール]]に包囲される場面の、ガラドリエルの側にある彫像が持っている)。

『思いがけない冒険』では[[闇の森]]の異変を感じ取った[[ラダガスト]]が、この廃墟に潜入。[[ネクロマンサー(死人占い師)>死人占い師]]を発見し、証拠として[[モルグルの刃]]を持ち帰るシーンが描かれている。

『竜に奪われた王国』では、[[エレボール]]への旅の途中で[[闇の森]]に入る直前、[[ガラドリエル]]の警告を受けて(([[エクステンデッド・エディション]]では[[ビヨルン]]からもドル・グルドゥルの話を聞いている。))ガンダルフがエレボールへの道を逸れ、[[ラダガスト]]と共に、[[リュダウル]]にある[[魔王]]ら[[ナズグール]]の塚が空になっているのを確認したあと、ラダガストにガラドリエルへの伝言を頼んでから、ドル・グルドゥルに潜入。[[アゾグ]]や、[[死人占い師]]こと[[サウロン]]と対峙、その軍勢が集結していることも発見している。
さらに[[エクステンデッド・エディション]]ではガンダルフは、行方不明になっていた[[スラーイン>スラーイン二世]]ともドル・グルドゥル内で遭遇している。

『決戦のゆくえ』では、[[ラダガスト]]の伝言を聞き、ガンダルフを救うためにやってきた[[ガラドリエル]]の前に、九人の[[ナズグール]]が現れている。ナズグールは、ガラドリエルを助けに来た[[エルロンド]]、[[サルマン]]と戦い、最終的にはガラドリエルの力で撃退され、[[サウロン]]も東へ去った。

*** 画像 [#j8232952]

&ref(DolGuldur.jpg,,25%,『ホビット』におけるドル・グルドゥル);

** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

『Siege of Mirkwood』における[[闇の森]]南部最大の敵拠点として登場。この中の最も高い塔であるBarad Guldurには、[[恐るべき獣]]に乗った、[[ナズグール]]のひとりであるLieutenant of Dol Guldur(ドル・グルドゥルの副官)がいる(権利上の問題により直接表記はされていないが、このナズグールは[[ハムール]]であることが示唆されている)。
他にも、[[スラーイン二世]]が捕らえられていたという土牢(Dungeons of Dol Guldur)、[[ガンダルフ]]が潜入に使ったという秘密の通路も再現されている。

** コメント [#Comment]

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