#author("2022-09-10T20:43:09+09:00;2022-03-06T13:36:41+09:00","","")
#author("2024-01-27T00:08:32+09:00;2023-07-23T15:13:49+09:00","","")
* トロル [#p6f2dc4b]
#contents
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Troll(単) / Trolls(複)|
|~その他の呼び名|トログ(Torog)((単数形))|

** 解説 [#Explanation]

[[シンダリン]]の''トログ''の翻訳名。[[上古]]に[[冥王]][[モルゴス]]が生み出した、巨体と怪力を持つ種族。

『[[ホビットの冒険]]』においては[[バート]]、[[トム]]、[[ウイリアム]]という名のトロルが登場し、[[ビルボ・バギンズ]]たちを襲った。ただし童話的な性質の『ホビットの冒険』においては、トロルの描写は『[[指輪物語]]』などに登場するものとはかなり雰囲気が異なっており、トロルの財布がしゃべるという描写もある。

『指輪物語』では直接描写は少なく、[[サウロン]]の軍勢に加わっているのが数カ所で触れられている他、[[木の鬚]]が「エントのまがいもの」として言及している程度である。
『[[シルマリルの物語]]』でも、やはり[[モルゴス]]の軍勢の中にいる記述がわずかにあるだけで描写は少ない。

** 特徴 [#eaf90a5e]

***外見 [#lbda1b7c]

氏族によって若干ばらつきがあるが、いずれも[[エルフ]]や[[人間]]より巨体。石のように固い皮膚を持ち、並の剣で歯が立たない。血は[[オーク]]と同じく黒い。

***能力 [#a0c1ba9d]

怪力を持つが、一般的に知能は低い。元々は言語を持たなかったが、彼らを利用しようとした[[サウロン]]に知恵を仕込まれた結果、使える範囲の言葉を[[オーク]]から習い憶えるようになった。
[[太陽]]の光を浴びると石になってしまう((『[[ホビットの冒険]]』ではその理由を「トロルが生まれたもとの山の岩にもどって、動きだせなくなる」と説明されている。一方『[[追補編>指輪物語/追補編]]』では、彼らが[[上古]]の薄明で生まれた種族なので、[[太陽]]の光に耐えられないことが示唆されている。))ので、日の当たらない環境や夜間にのみ活動する。ただし[[オログ=ハイ]]は陽光に耐えることができる。

***文明・文化 [#k834feb1]
ほとんど文明や文化らしいものは持たない。おそらく国家の概念もないが、[[冥王]]の意志の下に隷属している。
『[[ホビットの冒険]]』に登場した岩のトロル([[バート]]、[[トム]]、[[ウイリアム]])は上着を含む服を着ており、ビールをジョッキで飲み、[[動物]]や他種族の者を調理して食べている((作中では羊肉を火で炙っており、[[ビルボ>ビルボ・バギンズ]]と[[13人のドワーフ>ソーリンとその仲間]]も料理されかけた。また[[ウイリアム]]は[[バート]]と[[トム]]が二人だけで[[人間]]の村を一つと半分食べ尽くしたと言っている。))。

***住居 [#xf010263]
''トロルの岩屋''(troll-hole, trolls' lair)と呼ばれる住処を作り、昼はそこで過ごす。住居の中には略奪品や食糧などが蓄えられていることが多い。[[冥王]]の軍に所属していないトロルは、そのような住居で少数で共同生活をしていると思われる。

***歴史 [#k1f6967c]
『[[指輪物語]]』での[[木の鬚]]の発言によれば、[[モルゴス]]が[[エント]]のまがいとして作り出した生き物だという。[[第一紀]]のモルゴスの軍勢の中に既にトロルはいたが、トロル独自での団体行動というものをしないためか、あまり歴史上にはトロルの事は出てこない。
[[第二紀]]、[[第三紀]]以降のサウロンの軍では、しばしばトロルが強力な部隊として登場し、[[モルドール]]のみならず[[霧ふり山脈]]や[[エテン高地]]などの[[エリアドール]]北方にも半独立的に出没するようになった。

***氏族 [#oc7f5d62]
具体的な差ははっきりしないが以下のように呼び分けられることがあり、それぞれ特徴があると思われる。ただしこれらの呼称は、同じものを別の語で言い表しただけのものを含んでいる可能性があり、必ずしも呼び分けの数だけ氏族があるということを意味しない。
:石のトロル、岩のトロル (Stone-troll)|『[[ホビットの冒険]]』の[[バート]]、[[トム]]、[[ウイリアム]]がこれにあたる。
:岩穴トロル (cave-troll)|[[指輪の仲間]]が[[モリア]]の中で遭遇し、[[フロド>フロド・バギンズ]]が[[つらぬき丸]]で突き刺した相手と思われるトロル。緑がかった鱗がある黒っぽい皮膚に、指のない扁平な大足を持つ。
:山のトロル (mountain-troll)|[[ペレンノール野の合戦]]で破城槌[[グロンド>グロンド(破城槌)]]を操作したトロル。
:山トロル (hill-troll)((山のトロル(mountain-trolls)と紛らわしいが、[[瀬田貞二]]・[[田中明子]]訳の『[[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』『[[追補編>指輪物語/追補編]]』本文の表記に従った。))|[[黒門の戦い]]に集団で現れた、[[ゴルゴロス]]から来たトロル。体躯は人間より高く厚みがあり、鉤爪のある節こぶだらけの手を持つ。角質の鱗を網目状に緊密に組み合わせた鎧(あるいは皮膚)のみを身にまとい、黒い円形の盾と重い槌で武装していた。倒した者の喉を噛み切るならわしを持つ。
[[アラドール]]は山トロルの一団によって殺されたという。
:[[オログ=ハイ]] (Olog-hai)|[[サウロン]]が種の交配で生み出したトロルの改良種。[[太陽]]の光への耐性を持つ。
:トロル人間 (troll-men)|[[ペレンノール野の合戦]]で[[モルドール]]の同盟軍として言及される。[[オーク]]や[[ヴァリアグ]]と同じく[[太陽]]の光を忌むとされるが正体は不明。また下記の半トロルとの関連も不明だが、同一の者である可能性もある。
:半トロル (half-troll)|[[ペレンノール野の合戦]]で[[モルドール]]の同盟軍だった[[遠ハラド]]の黒い人間が「半分トロルのような(like half-trolls)」と言及されている。実際に半トロルという種族がいるのか、あくまでも比喩なのかは不明。また上記のトロル人間との関連も不明だが、同一の者である可能性もある。
:雪トロル (snow-troll)|雪の中を白装束で単身敵陣へ殴り込む[[ヘルム]]の様子を表わす比喩として登場する。実際にそのような種族がいるのかは不明。

***言語 [#w6333f00]
オークから習った言葉([[オーク語]])を使った。また西方諸国の岩のトロル([[バート]]、[[トム]]、[[ウイリアム]])は崩れた[[西方語]]を用いた。[[サウロン]]は[[暗黒語]]をトロルにも使わせて、自身の下僕の共通語にしようとしたが、[[オログ=ハイ]]を除いて失敗した。

***偏見 [#b032212d]
他のほとんどの種族を嫌っている。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

[[モリア]]の洞窟トロルほか、[[モルドール]]の軍勢の中には[[黒門]]の開閉や攻城兵器の運用を担うトロル、[[ペレンノール野の合戦]]や[[黒門の戦い]]で鎧を帯びて最前線で戦う戦闘用のトロルが多数登場する。オーディオ・コメンタリーで[[ピーター・ジャクソン]]は、モリアの洞窟トロルは低い知性をオークに利用されていると語っている。
また[[裂け谷]]への道中では『[[ホビットの冒険]]』で石になった3匹のトロルが背景として登場する。

*** グッズ [#g04f1567]

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** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]

『思いがけない冒険』に原作通り、[[バート]]、[[トム]]、[[ウイリアム]]の3匹のトロルが登場する。
『ロード・オブ・ザ・リング』では言葉らしい言葉を発していなかったトロルだが、若干童話要素が薄められたものの、バートたちは原作に近い、やや間抜けな会話を行っている。

原作でトロルの描写がなかった[[五軍の合戦]]には、オークに使役されている形で複数の武装したトロルが登場する。背中に投石機を背負っていたり、捨て身の頭突きで城壁を突き崩す攻城兵器の役回りの者、[[スタンピー]]のように道具扱いされている者もいた。

*** グッズ [#a6af0e15]

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** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

敵として多数登場するほか、[[PvMP>ロード・オブ・ザ・リングス オンライン#PvMP]]時のセッションプレイでトロルが操作可能。
またロード・オブ・ザ・リングス オンラインでは、時間経過でフィールドの昼夜が変化するため、トロルは夜のみフィールドに現れるか、昼でも日陰となる場所もしくは陽光のない場所にのみ出現するようになっていることが多い。

***氏族 [#ea675b43]
:Stone-troll (石トロル)|トロルの森でみられる。背筋が伸びており、体に対して上部に頭がある。
:Rock-troll (岩トロル)|北連丘の森や洞窟でみられる。外見は石トロルに準拠する。
:Hill-troll (丘トロル)|エテン高地でみられる。外見は石トロルに準拠する。
:Cave-troll(洞窟トロル)|多くの洞窟でみられる。背筋が丸く、体に対して前部に頭がある。
:Mountain-troll(山トロル)|Retake Weathertop(風見が丘の奪還)クエスト以外では登場せず。外見は洞窟トロルに準拠する。
:Iron-troll(鉄トロル)|アングマールでみられる。外見は洞窟トロルに準拠する。アングマールは日中でも日が差さないため、昼間でも出現する。
:Snow-troll(雪トロル)|エレド・ルインのサルヌーアの洞窟でみられる。外見は洞窟トロルに準拠する。
:Globsnaga Troll|モリアでみられる。全身が菌に侵されている洞窟トロル。
:Balt-olog(バルト・オログ)|さびし野でみられる。外見は洞窟トロルに準拠する。陽光の出ているフィールドでも出現するが、陽光に対する耐性があるのか、ゲーム的表現であるかは不明。
:Curr-olog(カー・オログ)|霧ふり山脈でみられる。外見は洞窟トロルに準拠する。陽光の出ているフィールドでも出現するが、陽光に対する耐性があるのか、ゲーム的表現であるかは不明。
:Olog-hai(オログ=ハイ)|ドル・グルドゥル、オルサンク、モルドールでみられる。背筋が伸びており、体に対して上部に頭がある。明確に陽光に対する耐性があり、日の出ているフィールドでも活動する。
:Gorthorog(ゴルトログ)|アングマールに生息する、またはアングマリムと同行するオログ=ハイの呼称。背筋が伸びており、体に対して上部に頭がある。明確に陽光に対する耐性があり、日の出ているフィールドでも活動する。
:Half-troll(半トロル)|ハラドリムと共にゴンドール各地で侵略を行う姿が見られる。外見は全体的にウルク=ハイに近いが、人間とトロルの中間程度の体躯である。明確に陽光に対する耐性があり、日のでているフィールドでも活動する。
:Wood-troll(木トロル)|主にトロルの森、ファンゴルン、闇の森で見られる。邪悪な存在であり、森の腐敗を進ませるとして討伐対象となっている。トロルとエントの中間の姿をしており、他のトロルに比べて小型であるが、動きが素早い特徴がある。森の中で出現するため、陽光に対する耐性は不明。
:Two-headed troll(双頭トロル)|主にグンダバド周辺で見られる。背筋が伸びており、体に対して上部に二つ頭がある。
頭一つ毎に名前が付いているようで、名前付きの場合はXxxx-and-Yyyyのように呼称され、ふたつの頭がそれぞれ会話するという描写もある。陽光の出ているフィールドでも出現するが、陽光に対する耐性があるのか、ゲーム的表現であるかは不明。

** コメント [#Comment]

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