#author("2018-01-13T00:23:49+09:00","","")
* ロヴァニオン [#z6d1b275]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Rhovanion|
|~その他の呼び名|荒地のくに、荒れ地の国(Wilderland)|

** 解説 [#Explanation]

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[[シンダール語]]で「荒れ地の国」の意。[[霧ふり山脈]]の東、[[灰色山脈]]の南、[[カレナルゾン]]と[[モルドール]]の北、[[赤水川]]の西にあたる広大な地域の伝統的な名で、[[闇の森]]と[[アンドゥイン]]の北部流域が含まれる。闇の森と[[リューンの湖]]の間の地域をロヴァニオンと呼び、[[ドルイニオン]]を除くリューンの湖そのものもロヴァニオンの一部だと考える場合もある。

『[[unfinished index]]』によると''荒れ地の国''とは[[ホビット]]の言葉での名で、この語では[[霧ふり山脈]]の西側(東[[エリアドール]])も含む場合が多かったとされている([[荒地のくにのさかい]]も参照)。
『[[Guide to the Names in The Lord of the Rings]]』では、荒れ地の国は[[共通語]]の名と思われ、霧ふり山脈と[[早瀬川]]の間の地([[闇の森]]も含む)とされている。

*** 諸勢力 [#people]

-[[北方の自由の民]]
--[[北国人]]
--[[エオセオド]]
--[[森人]]
--[[ビヨルン一党]]
--[[谷間の国の人間]]
--[[湖の人]]

-[[ドワーフ]]([[長鬚族]])

-[[シルヴァン・エルフ]]
--[[闇の森のエルフ>森の王国]]
--[[ガラズリム]]

-[[大鷲]]

-[[オーク]]([[ゴブリン]])
-[[ワーグ]]
-[[蜘蛛]]
-[[龍]]

*** 地名 [#r0ddf3b5]

-[[霧ふり山脈]]
--[[グンダバド]]
--[[ゴブリン町]]
--[[オオカミ広場]]
--[[ワシの巣]]

-[[アンドゥイン]]
--[[カーロック]]
--[[カーロックの渡し]]
--[[あやめ野]]

-[[闇の森]]
--[[森の王国]]
---[[エルフ王の岩屋]]
--[[森の川]]
--[[闇の森山脈]]
--[[エルフ道]]
--[[古森街道]]
--[[魔の川]]
--[[ロスゴベル]]
--[[ドル・グルドゥア]]
--[[東入地]]

-[[たての湖]]
--[[エスガロス(湖の町)>エスガロス]]

-[[ケルドゥイン(早瀬川)>ケルドゥイン]]

-[[エレボール(はなれ山)>エレボール]]
--[[からすが丘]]
--[[谷間の国]]
-[[スマウグの荒らし場]]

-[[くろがね連山]]
-[[カルネン(赤水川)>カルネン]]

-[[エレド・ミスリン(灰色山脈)>灰色山脈]]
--[[ヒースのかれ野]]

-[[茶色の国]]
-[[エミン・ムイル]]
-[[死者の沼地]]
-[[無人の国]]

** 歴史 [#History]

[[星々の時代]]に[[大いなる旅]]を行く[[エルダール]]が[[霧ふり山脈]]を目前にした時、それを越えることを拒んだ一派が[[ナンドール]]だった。ナンドールは[[アンドゥイン]]に沿って南下しつつ周辺の森林に住み着いた。ナンドールの内、後に[[ベレリアンド]]へ渡った者達は[[緑のエルフ]]と呼ばれるようになったが、それに対しそのままロヴァニオンに留まり続けた者達は[[シルヴァン・エルフ(タワルワイス)>シルヴァン]]と呼ばれた。
やがて[[グンダバド]]で目覚めた[[長鬚族]]は[[カザド=ドゥーム]]に王国を築き、霧ふり山脈と[[灰色山脈]]に沿って広がっていった。かれらは東方で目覚めた[[ドワーフ]]の氏族と交流するため、ロヴァニオンの中央を貫く[[ドワーフ道>古森街道]]を築いた。
[[太陽の第一紀>第一紀]]以後、ロヴァニオンには西方へ向かった[[エダイン]]の分かれである[[北方の自由の民]]が広がり始める。さらに[[第二紀]]以後は、[[サンゴロドリム]]の崩壊を逃れた[[オーク]]や[[龍]]といった[[モルゴス]]配下の邪悪な者達がこの地方に隠れ潜んだ。
以後、ロヴァニオンは[[自由の民]]と[[サウロン]]との絶えざる係争の地となる。

[[第三紀]]1050年に復活したサウロンは、[[闇の森]]南部の[[ドル・グルドゥア]]に居を構えて[[死人占い師]]と呼ばれ、その影の下で邪悪な者達は再び活動を活発化した。
森に広がる影のために、[[シルヴァン・エルフ]]の[[森の王国]]は次第に北へと追いやられていった。[[霧ふり山脈]]には[[オーク]]が現れて[[ドワーフ]]を襲い、1980年には[[バルログ]]のために[[カザド=ドゥーム]]が滅びる。
かつてロヴァニオンの南東部には[[ゴンドール]]の同盟者である[[北国人]]の連合体があり、[[東方>リューン]]からの侵入する[[東夷]]を阻んでいたが、かれらは1636年より起こった[[悪疫]]のために壊滅的な打撃を受け、1851年より続く[[馬車族]]の侵入のために各地に追い散らされる。その一派は一時アンドゥインの谷間に定住したが、死人占い師の影を恐れて遥か北方に移住し[[エオセオド]]となった。
このため、ロヴァニオンと[[リューン]]の間の通行を妨げる者は何も無くなった。

[[ドル・グルドゥア]]の力の強まりを危惧した[[ガンダルフ]]の働きにより、[[サウロン]]は一時東へ逃れ、2063年から2460年にかけて[[警戒的平和]]がもたらされた。だが結局、サウロンはさらに力を増してドル・グルドゥアに戻る。
防ぎ手のいないロヴァニオンの南東部はドル・グルドゥアの支配下にある[[バルホス族]]に占拠されるようになり、この時バルホスとドル・グルドゥアの脅威のために[[アンドゥイン]]東岸はほとんど無人となった。2510年の[[ケレブラントの野の戦い]]によってバルホスは駆逐され、[[エオセオド]]は[[カレナルゾン]]に移住して[[ロヒアリム]]となった。
しかしドル・グルドゥアの力が取り除かれることはなく、[[霧ふり山脈]]に巣食う[[オーク]]は山道を掌握するとともに周辺地域への襲撃を繰り返し、また[[灰色山脈]]で育った[[龍]]達は[[ドワーフ]]を襲い、2770年には黄金龍[[スマウグ]]によって[[エレボール]]と[[谷間の国]]が滅ぼされる。[[闇の森]]は危険な場所となり、[[古森街道]]は荒廃してオークの他には使う者がなかった。
こうしてロヴァニオンの[[自由の民]]は分断され、消耗していった。

2941年、事態を重く見た[[ガンダルフ]]の働きかけにより、[[五軍の合戦]]および[[白の会議]]によるドル・グルドゥアへの攻撃がなされる。
これにより、[[スマウグ]]が倒され、霧ふり山脈のオークもほとんどが滅ぼされた。[[ビヨルン一党]]、[[森の王国]]のエルフ、[[谷間の国の人間]]、[[エレボール]]のドワーフは連帯し、ロヴァニオン北方の交通の安全が実現した。
サウロンはドル・グルドゥアの要塞を捨てて逃亡し、再び平和が訪れるはずだった。

しかし、その逃亡は見せかけのものであり、2951年にサウロンは[[モルドール]]で公然と名乗りを上げ、[[ナズグール]]を派遣してドル・グルドゥアを再占領する。モルドールの前哨地となったドル・グルドゥアの下、霧ふり山脈では再びオークが増え、[[東夷]]の脅威が再びロヴァニオンへ迫っていった。
[[指輪戦争]]によってサウロンが敗北したことで、ようやくドル・グルドゥアは破壊され、その影も取り除かれた。

*** ロヴァニオン王家 [#Kingdom]

[[エルダカール>エルダカール(ヴァラカールの息子)]](「ロヴァニオンの王」[[ヴィドゥガヴィア]]の娘[[ヴィドゥマヴィ]]と、[[ゴンドール]]王[[ヴァラカール]]との間の子)の親類から出た[[北国人]]による王家。かつては[[闇の森]]の先におり、[[第三紀]]1851から約100年間にわたる[[馬車族]]の侵入前には、[[アンドゥイン]]の中流の平原を中心に多数の人々が住んでいて、[[ゴンドール]]とも友好的な関係にあった。彼らは第三紀1975年の[[魔王]]と[[アングマール]]の敗北を耳にすると、[[霧ふり山脈]]の東にいたアングマールの残党を追い払った。だがその後、[[オーク]]や[[ドル・グルドゥア]]の勢力の増加により、ロヴァニオンの人口は大幅に減少した。
やがて第三紀2510年、ロヴァニオン王家の末裔であるという[[北国人]]の[[エオセオド]]王家が、[[エオル>エオル(レオドの息子)]]に率いられて[[ゴンドール]]を救うため[[ケレブラントの野の戦い]]に参加。その謝礼として[[カレナルゾン]]の地を与えられ、そこに移住して[[ローハン(マーク)>ローハン]]を建国した。

*** エレボールの山の下の王国と、谷間の国 [#Erebor]

[[バルログ]]によって[[モリア]]を追われた[[スライン一世]]ら[[ドワーフ]]によって、[[第三紀]]1999年に[[エレボール]]の山の下の王国が築かれ、数々の財宝を生み出す。またエレボールの麓には、[[人間]]による[[谷間の国]]が築かれ、交易によって共に栄えた。
だが第三紀2770年の[[スマウグ]]の襲来により両国は滅ぼされ、エレボールのドワーフは四散。[[谷間の国の人間]]も[[エスガロス]]などに逃れた。
2941年、[[トーリン二世(オーケンシールド)>トーリン二世]]は[[ガンダルフ]]が立てた計画に従い、エレボールを奪還するための旅を行う(『[[ホビットの冒険]]』)。その結果スマウグは滅び、また[[五軍の合戦]]が発生したが、山の下の王国と谷間の国は再建された。

*** 闇の森とロスローリエンのエルフ [#h1ccf443]

[[闇の森]]と[[ロスローリエン]]には、それぞれ[[シルヴァン・エルフ>シルヴァン]]が住まっていたが、双方とも次第に[[ドル・グルドゥア]]の脅威にさらされることになる。特にロスローリエンのエルフは、[[モリア]]に現れた[[バルログ]]の影響もあって、[[アマン]]へと去って行くものが増えた。
闇の森のエルフは、[[シンダール]]である[[オロフェア]]、[[スランドゥイル]]の統治下にあり、[[エスガロス]]や[[ドルイニオン]]と交易を行うなど、ロヴァニオン北東部の[[人間]]には比較的よく知られていた([[森の王国]])。
一方でロスローリエンのエルフ([[ガラズリム]])は[[アムディーア]]と[[アムロス]]、その後は[[ケレボルン]]と[[ガラドリエル]]というシンダール(ガラドリエルは[[ノルドール]])の統治下にあった。ロスローリエンは、[[ローハン]]や[[ゴンドール]]の人間からは「迷い込んだら二度と戻ってこられない森」という、神秘的で危険なイメージに捕らえられ、外部との交流はほとんどなく、閉ざされ秘められた地となっていた。
[[指輪戦争]]によってドル・グルドゥアが破壊されると、闇の森は「緑葉の森」を意味するエリン・ラスガレンと改名され、北部はスランドゥイルの領土に、南部は東ローリエンとしてケレボルンの領土に、中部は[[ビヨルン一党]]と[[森人]]の土地として分割された。スランドゥイルの民は[[第四紀]]に入っても落ち着いて暮らしていたが、ロスローリエンの民は、ガラドリエルが[[アマン]]へ去り、その後ケレボルンも[[裂け谷]]へ移った後は、わずかな者しか残らなかった。

** [[Iron Crown Enterprises]]による設定 [#ICE]

***地名 [#wee92c55]

北国人の国があった森の東側の平原を初め、独自の地名が多数存在する。その他、原作で[[西方語]]の名前で触れられた土地の一部にも[[シンダール語]]による名前が付けられている。

-灰色山脈
--キリス・ミスリム(Cirith Mithlim)
--キリス・ヒムニノンド(Cirith Himninond)
--タラス・オイオヘルカ(Talath Oiohelka)
--メン・ミスリム(Men Mithlim)
--メン・リューネン(Men Rhunen)
--キリス・フェアディン(Cirith Feadin )
--バル・リスリン

-闇の森
--カラス・アムラス(Caras Amrath)
--アラドフリンド(Aradhrynd,エルフ王の岩屋)
--エミン・サング(Emyn Thang)
--エミネン(Emynen)
--エミン=ヌ=フイン(Emyn-nu-Fuin)
--コル=アンガララドゥ(Cor-Angalaladh)
--森人の町(Woodmen Town)

-北国人の国
--メン・ケルドゥイン(Men Celduin)
--メン=イ=ア(Men-i-A)
--アウル・エスガルバール(Aur Esgarbar)
---ビュハル=ウィドゥ(Buhr-Widu)
--東入地
---ビュハル=アイリラ(Buhr-Ailyra)
--[[タラス・ハルロク]](Talath Harroch)
---ストレイホルド(Strayhold)

-アンネン(Annen,たての湖)

-アエリナーン(Aelinann,たての沼地)

-ケルドゥイン
--ロンダロス(Londaroth)
--イアフ・ケルドゥイン(Iach Celduin)

-アンドゥイン
--シル・ニングロール(Sir Ninglor)

-ロエグ・ニングロレン(Loeg Ningloren,あやめ野)

-ドル・フィルネン(茶色の国)

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