* イスタリ [#ga21964e]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Istari(([[クウェンヤ]]。単数形イスタル(Istar) 「賢者」の意。 ))|
|~その他の呼び名|魔法使い(Wizard)((wis「賢い」+-ard「大いに……するもの」からなる語で、原義は「賢者」の意である。))、賢人団(the Wise)イスリン(Ithryn)(([[シンダール語]]。単数形イスロン(Ithron) ))|

** 解説 [#Explanation]

[[人間]]からは魔法使いと呼ばれたが、厳密には異なる。
かれらは人間の老人のような姿をしているが、長年の心労でわずかに老けていくのみで、様々な技や力を身に着けていた。それぞれが固有の「色」の衣に身を包み、杖を携えている。
イスタリは[[西方>アマン]]から[[中つ国]]に派遣された使者であり、彼らの任務は中つ国の[[自由の民]]が[[サウロン]]の脅威に抗するのを援助することだった。
だが中つ国の民の中で、彼らの正体と目的を正しく把握しているのは[[キーアダン]]、[[エルロンド]]、[[ガラドリエル]]などのごくわずかな[[エルフ]]の賢者達に限られていた。

(『[[終わらざりし物語]]』によると)イスタリの正体は[[ヴァラール]]より遣わされた[[マイア]]の精霊達である。
かつてヴァラールは[[エルフ]]を自らに従わせようとした時([[クイヴィエーネン]]から[[アマン]]に導く時など)、自らの威光と力を誇示したため、それが後に[[中つ国]]に災厄をもたらすことになったと悔いていた。そのためイスタリは、直接力でもって[[サウロン]]に対抗することも、中つ国の住民を支配することも禁じられ、あくまで助言者で援助者という立場からサウロンおよびその下僕と戦うことが要求された。
ゆえにイスタリは見せかけではない[[人間]]の老人の肉体を身に纏っており、その本来の力と知恵は曇り、飢えや恐れなどの肉体的な危険に脅かされ、容易に堕落することも死ぬこともありえた。
結果的に、任務を完遂して帰還したのは[[ガンダルフ]]ただ一人であった。

>このように、自ら進んで流浪の苦しみとサウロンの罠に耐えることで、かれらはその時代の悪を正したと言えるかもしれない。((『[[終わらざりし物語]] 下』「Ⅱ イスタリ」))

*** 魔法使いの結社(ヘレン・イスタリオン) [#order]

> 「われら両人はともに、この中つ国では最もすぐれた、古い歴史のある高等なる結社の成員ではないか?」(([[ガンダルフ]]を懐柔しようと試みるサルマンの言葉。『[[指輪物語]] [[二つの塔]] 下』「十 サルマンの声」より。))

魔法使いの結社(Order of Wizards)、[[クウェンヤ]]でヘレン・イスタリオン(Heren Istarion)とは中つ国においてイスタリが所属する組織であり、かれらの総称である。[[白の会議]]とは別個のもの。
単に賢人団・結社(Order)とも呼ばれる。白の[[サルマン]]が彼らの長と見なされていた。

結社についての詳細は不明である。彼らは[[第三紀]]1000年頃に中つ国へやってきて、人知れず中つ国の知識と[[サウロン]]に対抗する方法を探し求めていた。やがてサウロンが[[闇の森]]で[[死人占い師]]としての姿をとり、その影が伸びると、イスタリは[[自由の民]]の援助者として立ち上がり、その活動が賢者や王侯達に広く知られるようになる。
イスタリの持つ性向や能力はそれぞれ異なっており、かれらは結社として一丸となるというよりも、それぞれの異なった側面から独自に自由の民を助けることを想定されていたという。

『[[指輪物語]] [[追補編]]』によると、彼らの中で上に立つふたりは[[サルマン]]と[[ガンダルフ]]とされ、追補編の他本文中でも全員で五人だと読める記述が多い(([[アイゼンガルド]]でのガンダルフに対するサルマンの言葉に「五人の魔法使の杖を手に入れ」という言葉がある))。だが彼らイスタリの総数は実のところ不明であり、『[[追補編]]』等では『終わらざりし物語』ではその「指導者」が五人であるとする記述を紹介している。

*** イスタリの名 [#x6bddd1e]

- 白の[[クルモ(サルマン)>サルマン]]
- 灰色の[[オローリン(ガンダルフ)>ガンダルフ]]
- 茶の[[アイウェンディル(ラダガスト)>ラダガスト]]
- 青の[[アラタール]]
- 青の[[パルランド]]

以上は『[[終わらざりし物語]]』に登場する[[クウェンヤ]]による名である。
『[[終わらざりし物語]]』によれば[[クルモ>サルマン]]は[[アウレ]]に、[[オローリン>ガンダルフ]]は[[マンウェ]]と[[ヴァルダ(エルベレス)>エルベレス]]に、[[アイウェンディル>ラダガスト]]は[[ヤヴァンナ]]に、[[アラタール]]と[[パルランド]]は[[オロメ]]に仕えていたとされる。
ただし青の魔法使いの二人に関しては『[[The Peoples of Middle-Earth]]』などに異説もあり、はっきりしない。詳細は''[[イスリン・ルイン]]''を参照。

** コメント [#Comment]

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