* イシルドゥア [#b49ae53a]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Isildur|
|~異訳|イシルデュア|
|~その他の呼び名||
|~種族|[[人間]]([[ドゥーネダイン]])|
|~性別|男|
|~生没年|[[第二紀]]3209年~†[[第三紀]]2年、享年233。在位第二紀3320~第三紀2年(122年間)|
|~親|[[エレンディル]](父)|
|~兄弟|[[アナーリオン]](弟)|
|~配偶者|不明|
|~子|[[エレンドゥア>エレンドゥア(イシルドゥアの息子)]]、[[アラタン]]、[[キアヨン]]、[[ヴァランディル>ヴァランディル(イシルドゥアの息子)]](息子)|

** 解説 [#Explanation]

[[エレンディル]]の長子で[[アナーリオン]]の兄。[[ヌーメノールの没落>アカルラベース]]を逃れた[[ドゥーネダイン]]であり、弟と共に[[ゴンドール]]を創建した初代の王。
父の[[ナルシル(折れたる剣)>アンドゥリル]]を使って[[サウロン]]の指を切断し、[[一つの指輪]]を奪い取った人物。

*** ヌーメノールでのニムロス救出 [#t1d01e50]

イシルドゥアは[[ヌーメノール]]にいる頃、祖父の[[アマンディル]]の話を聞いて、(当時ヌーメノールにいて[[アル=ファラゾーン]]に取り入っていた)[[サウロン]]に滅ぼされようとしていた[[ニムロス>ニムロス(植物)]]の実生を救おうと決意。イシルドゥアはただ一人で宮殿に忍び込み、ニムロスの実生を盗み出して、警備兵に追われながらも逃げ延びた。彼は変装していたため正体はばれなかったが、警備兵より受けた傷によって長いこと臥せっていた。だがニムロスの実生が若木に成長すると回復する。後にニムロスは、[[ゴンドール]]の[[白の木]]となる。

*** 中つ国への漂着と最後の同盟の戦い [#v752dc97]

イシルドゥアは[[エレンディル]]、[[アナーリオン]]らと共に[[ヌーメノール]]の没落から逃れ、[[忠実なる者]]たちとともに[[中つ国]]に漂着する。イシルドゥアとアナーリオンたちの船は[[ペラルギア]]に漂着し、彼らはその地にヌーメノール人の亡命者の国として、[[南方王国]][[ゴンドール]]を築き、弟の[[アナーリオン]]と共同統治者となった。[[オスギリアス]]には、イシルドゥアとアナーリオンの玉座が隣り合って置かれた(父エレンディルは、[[リンドン]]に漂着して[[北方王国]]の[[アルノール]]を築いた)。

イシルドゥアは[[ミナス・イシル>ミナス・モルグル]]の城主となったが、ミナス・イシルが[[サウロン]]の攻撃を受けた時、イシルドゥアは白の木の実生を持って脱出。[[アナーリオン]]が[[オスギリアス]]と[[ミナス・アノール>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]を防衛している間、イシルドゥアは北方[[アルノール]]の[[エレンディル]]の元に救援を求めに行った。またその前後、イシルドゥアは[[エレヒ]]にて、自分に忠誠を誓った山々の人間を、サウロンとの戦いに召集しようとする。だが彼らが、かつて崇拝していたサウロンと戦うことを拒むと、イシルドゥアは怒って彼らに呪いをかけた(彼らは後の[[死者の軍勢]]となる)。
[[最後の同盟]]が締結され、[[エレンディル]]と[[ギル=ガラド]]の軍勢の進軍が始まると、イシルドゥアは、妻と最年少の息子である[[ヴァランディル>ヴァランディル(イシルドゥアの息子)]]を[[裂け谷]]に残して、年長の息子たちとともに自らも戦いに参加。イシルドゥアは[[バラド=ドゥーア]]包囲戦にて、エレンディル、ギル=ガラドとサウロンが共に倒れるのを目撃する。この時イシルドゥアは折れた[[ナルシル]]の柄本で、サウロンの指を切り取って[[一つの指輪]]を奪った。

*** 一つの指輪を自らのものにして、裏切られる [#sd1b16f0]

イシルドゥアは一つの指輪に魅せられ、これを[[オロドルイン]]の[[滅びの罅裂]]に投じるべきだという[[エルロンド]]と[[キーアダン]]の意見を退け、戦利品として自分の物にすると宣言する。
戦いが終わると、イシルドゥアは甥にあたる[[メネルディル]]に、[[ゴンドール]]の統治を任せる。そして自分は、戦死したエレンディルの後を継いで[[アルノール]]を治めるため、北方に向かおうとした。『[[終わらざりし物語]]』によれば、この時には一つの指輪が自分の手にあまる危険な物であることに気付いており、急ぎ[[裂け谷]]に助言を求めるつもりであったのだという。
だがその旅の途中、[[あやめ野]]で[[オーク]]の残党に攻撃される。一つの指輪が敵を呼び寄せていることに気付いたイシルドゥアは、[[オホタール]]らに[[ナルシル]]の破片を預けて先に脱出させた。イシルドゥア自身は他の兵を集め、指輪を守って敵の包囲を破ろうとするが、その中で多くの護衛の兵士と、息子[[アラタン]]、[[キアヨン]]が死ぬか負傷する。追い詰められたイシルドゥアは、長子[[エレンドゥア>エレンドゥア(イシルドゥアの息子)]]の勧めにより、姿を消す一つの指輪の力を使い単身脱出を試みた。だが指輪は彼を裏切って[[アンドゥイン]]に抜け落ち、姿を隠せなくなったところをオークに射殺されて死んだ。

イシルドゥアの遺体はついに発見されなかった。イシルドゥアを守って留まった中で唯一の生存者[[エステルモ]]の証言などから、イシルドゥアは指輪と共に大河に沈んだであろうとは推測されたが、その死の詳細は[[第四紀]]になるまでわからなかった。
『[[終わらざりし物語]]』によれば、[[エレスサール王>アラゴルン二世]]らが[[オルサンク]]を捜索した際に、イシルドゥアが最後まで身に着けていたはずの[[エレンディルミア]]などの装身具を発見している。一つの指輪を見いだすべく、密かにあやめ野を捜索した[[サルマン]]がイシルドゥアの遺骨を発見し、これを侮辱するために焼き捨てたのではないかと考えられている。

*** 略歴 [#bf589a5a]

- [[第二紀]]3209年 生誕
-3219年 10歳。弟[[アナーリオン]]誕生
-3255年 46歳。[[アル=ファラゾーン]]即位
-3262年 53歳。[[サウロン]]が[[ヌーメノール]]へやってくる。この頃、[[白の木]]の実を救う
-3319年 110歳。[[ヌーメノール]]滅亡、[[忠実なる者]]達は9隻の船で逃れる
-3320年 111歳。アナーリオンと共に[[ゴンドール]]を創建(父は[[アルノール]]を創建)
-3429年 220歳。[[モルドール]]と開戦。[[ミナス・イシル]]が陥落し、北方の父の許へ赴く
-3430年 221歳。嫡子[[ヴァランディル>ヴァランディル(イシルドゥアの息子)]]誕生。[[最後の同盟]]が結ばれる
-3434年 225歳。同盟軍[[霧ふり山脈]]を越え、[[ダゴルラド]]の合戦で勝利。[[バラド=ドゥア]]包囲戦始まる
-3440年 231歳。アナーリオン討死
-3441年 232歳。[[ギル=ガラド]]、エレンディル、サウロンが倒れるのを目撃。[[折れたる剣]]でサウロンから[[一つの指輪]]を奪う
-[[第三紀]]2年 233歳。[[ミナス・アノール]]に白の木の苗を移植、ゴンドールを[[メネルディル]]に引渡し、自身は[[父の王国>アルノール]]を継ぐため北方へ去る。[[あやめ野]]の凶事

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

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|~俳優|ハリー・シンクレア(Harry Sinclair)|
|~日本語吹き替え|[[吉田裕秋]]|

人物像の描かれ方や、一つの指輪との関係などは大幅に省略されている。

** コメント [#Comment]

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