* グアサング [#o427ba88]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|物・品の名前|
|~スペル|Gurthang|
|~その他の呼び名|アングラヘル(Anglachel)、黒の剣(Black Sword)、[[ブレシル]]の黒き棘(Black Thorn of Brethil)|

** 解説 [#Explanation]

「死の鉄」の意。アングラヘルが、[[ナルゴスロンド]]にて[[トゥーリン]]のために鍛え直されたときに与えられた名。
隕石から作られた黒く輝く刀身を持ち、大なるも小なるも、ひとたびこの剣に噛まれて生きていられる者は誰もいないと言われたという。

*** アングラヘルの名で [#g4c4365b]

元々は[[エオル>エオル(マイグリンの父)]]が隕石から作った、[[アングイレル]]と対になった剣であり、アングラヘルと呼ばれていた。この剣はエオルが[[ナン・エルモス]]に住む許しを得るのと引き替えに、[[シンゴル]]に贈られた。
[[ベレグ>ベレグ(ドリアス)]]が[[トゥーリン]]を捜しに旅立つ時、シンゴルはベレグに餞別として何なりと望みの品を与えることを約束し、ベレグはアングラヘルを賜るよう希望。シンゴルはこれに応える。だがこの時[[メリアン]]は、'''この剣には邪気があります。刀を作った鍛冶の黒い心が、今もこの剣にひそんでいるのです。これは使い手を愛さず、また、そなたの手に長くは留まらぬでしょう'''と、アングラヘルの呪われた運命を予言している。

実際にその後、[[オーク]]に捕らえられたトゥーリンは、自分を救出に来たベレグを誤って敵だと思い込み、ベレグから奪ったアングラヘルで彼を殺してしまった。

*** グアサングの名で [#y56a8dd5]

[[ベレグ>ベレグ(ドリアス)]]の死後、この剣はベレグを埋葬した[[グウィンドール]]が'''土の中に無益に置かれているよりは[[モルゴス]]の召使いに怨みを晴らすがよい'''としてトゥーリンに渡した。グウィンドールによれば、アングラヘルはベレグの死を悼んだために刃が鈍っていたが、[[ナルゴスロンド]]にて鍛え直され、グアサングという新たな名を与えられる。グアサングの黒い刀身のため、トゥーリン自身も「黒の剣」の意であるモルメギルと呼ばれた。
トゥーリンがトゥランバールと名乗って[[ブレシル]]で暮らしていた頃は、この剣は「ブレシルの黒き棘」とも呼ばれていた。

グアサングによってトゥーリンは宿敵[[グラウルング]]を仕留めるが、それによってグラウルングの呪いのために実の兄トゥーリンと結婚していたことを知った[[ニエノール]]は、崖から身を投げて死ぬことになった。トゥーリンはニエノールの死の真実を認められずに、無実の[[ブランディア]]をもグアサングの刃にかけてしまう。その後全てを知ったトゥーリン自身もまた死を望み、グアサングに対し'''やあやあグアサング!汝は汝を揮う手のほかはいかなる主も持たず、忠誠心も知らぬ。汝はいかなる血にも怯まぬであろう。それ故、汝、トゥーリン・トゥランバールを受けるや。速やかにわが命を奪うや'''と自らの命を奪うよう問いかけた。グアサングはこの時意思があるかのように冷たい声を発し'''然り、喜んで汝の血を呑もうぞ。わが主人[[ベレグ>ベレグ(ドリアス)]]の血と、不当に弑せられた[[ブランディア]]の血を忘れるためだ。いかにも汝の命を速やかに奪ってやろう'''((上の引用は全て『[[シルマリルの物語]]』第二十一章より))とトゥーリンの問いに答えた。トゥーリンは、この答えを聞くとグアサングの刃に身を投げて自害した。
グアサングはこの時に砕け、破片は[[マブルング>マブルング(ドリアス)]]らによって、トゥーリンの亡骸の傍らに埋められた。

『[[The History of Middle-Earth]]』によると、[[ダゴール・ダゴラス]]では、この剣でもって[[トゥーリン]]が[[メルコール(モルゴス)>モルゴス]]に止めを刺すとされている。

** コメント [#Comment]

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