#author("2016-05-03T20:25:31+09:00","","")
#author("2024-01-18T00:42:56+09:00","","")
* アヴァリ [#m2286523]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Avari((単数形アヴァール(Avar) ))|
|~その他の呼び名||

** 解説 [#Explanation]

[[クウェンヤ]]で「応ぜざる者たち」(the Unwilling)、「辞退者たち」(the Refusers)の意。
[[二つの木の時代]]に[[クイヴィエーネン]]から西方の[[アマン]]へ向かう旅に出ることを拒んだ[[エルフ(クウェンディ)>エルフ]]の総称。これに対し、西へ向かう旅に出たエルフが[[エルダール]]である(だが、エルダールのすべてがアマンへ到達したわけではない)。
[[クウェンヤ]]で「応ぜざる者たち(the Unwilling)」「辞退者たち(the Refusers)」の意。
[[二つの木の時代]]に[[ヴァラール]]の招致を拒み、[[クイヴィエーネン]]から西方の[[アマン]]へ移住する[[大いなる旅]]に出なかった[[エルフ(クウェンディ)>エルフ]]のこと。これに対し、大いなる旅に出たエルフが[[エルダール]]である。

『[[シルマリルの物語]]』『[[ホビットの冒険]]』『[[指輪物語]]』等の物語本編には、アヴァリであると明言されている、名のあるエルフはいない。
エルフの中でも[[ヴァラール]]との関係が最も小さいため、知識や技量はエルフの中で最も劣る。だがアヴァリは[[第一紀]]に[[ヒルドーリエン]]で目覚めた[[人間]]の最初の教師となった。
エルフの中でも[[ヴァラール]]との関係が最も小さいため、知識や技量はエルフの中で最も劣る。
アヴァリは[[第一紀]]に[[ヒルドーリエン]]で目覚めた[[人間]]の最初の教師となった。

>しかし、伝えられるところによると、間もなくかれら(人間)は、いろいろな場所で[[暗闇のエルフ]]と出会い、かれらによって助けられることになった。そして人間は、その揺籃期に、[[ヴァリノール]]に至る旅路に足を踏み出したこともなく、[[ヴァラール]]のことも噂や遠い名前としてしか知ることのない、この古き民の友となり、弟子となった。((『[[シルマリルの物語]]』「第十二章 人間のこと」、目覚めたばかりの人間について))
>しかし、伝えられるところによると、間もなくかれらは、いろいろな場所で[[暗闇のエルフ]]と出会い、かれらによって助けられることになった。そして人間は、その&ruby(ようらん){揺籃};期に、[[ヴァリノール]]に到る旅路に足を踏み出したこともなく、[[ヴァラール]]のことも噂や遠い名前としてしか知ることのない、この古き民の友となり、弟子となった。((『[[シルマリルの物語]]』「人間のこと」))

物語の主な舞台となる[[中つ国]]の北西部にはエルダールが住みついたが、それ以外の土地ではその後も多数のアヴァリがいたようである。
『[[シルマリルの物語]]』『[[ホビットの冒険]]』『[[指輪物語]]』等の物語本編には、アヴァリと明言されている名のあるエルフは登場しない。物語の主な舞台となる[[中つ国]]北西部に住みついているエルフはほとんどが[[エルダール]]だが、それ以外の土地には多数のアヴァリがいたようである。

>[[中つ国]]のほかの場所では、長い間平和が続いた。しかし、[[ベレリアンド]]の住民が移り住んだところを除き、大部分の地は野蛮で荒れ果てていた。そこには[[エルフ]]たちも大勢住んではいた。数えられないほど長い年月の間そこに住みつき、海から遠い広大な土地を自由に放浪して歩いていたのである。しかし、かれらはアヴァリで、かれらにとってベレリアンドの出来事は噂に過ぎず、[[ヴァリノール]]に至っては遠い名前に過ぎなかった。((『シルマリルの物語』「力の指輪と第三紀のこと」、[[第二紀]]の[[中つ国]]について))
** 『[[The War of the Jewels>The History of Middle-earth/The War of the Jewels]]』の記述 [#gc036191]

** [[Iron Crown Enterprises]]による設定 [#id2b63ab]
「Quendi and Eldar」に、アヴァリについての記述が存在する。

[[エルダール]]が旅立った後の歴史や氏族について、[[トールキン>ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]]の残した草稿を基に大きく設定が強化されている。
*** 歴史 [#p87f4aac]

:外見|[[エルダール]]と比べると小柄で、大半は髪も目も黒いが一部には赤毛や金髪、銀髪がいる。肌の色は青白い、又は黄色がかった者が多いが、氏族や住む地域によっては薄紫色やオリーブ色、黒、赤、茶色い肌の色をした者も見られる。
:文化|[[ヴァラール]]に師事していないため、知識や技量で劣りエルダールと比べると原始的だった。[[太陽]]の光を苦手とし、星々と夜空を愛する。山脈や森林の奥深く、暗い地底での生活を好んでおり、自らの居住地を離れることはめったになく、例外としてネルヤールの民だけが船やボート(これもエルダールのそれと比べると原始的で単純な造りだった)で海を往来する生活をしていた。常命の種族を嫌う傾向にあったが、タトゥヤールの民の一部は東方の[[ドワーフ]]、特に石脚族の友になり、その細工師や石工から技術を学んでいた。また、影の支配下にはならず、[[トロル]]や[[オーク]]たちのような闇の種族とは決して友好的な関係にはならなかった。
:歴史|エルダールと袂を分かった後、東方に残ったエルフ達はノモルウェ(Morwe)とヌルウェ(Nurwe)によって治められており、ヒシルディ(Hisildi)と呼ばれる民を構成していた。その内の一人であるヌーイン(Nuin)は、その南方を巡る流浪の途上で、風の山脈(Mountains of the Wind)の山間にあるムルメナルダ(Murmenalda)の隠れ谷に足を踏み入れ、そこで眠っている最初の[[人間]]の子供たちを見つけた。その後、アヴァリは目覚めた人間達の最初の師となり世界についての知恵を授けた。しかし、[[モルゴス]]やその配下の[[マイア]]が彼らの元に現れ、人間とエルフの中を引き裂き、自らの陣営に引き込もうと働きかけるようになった。その結果、多くの人間がモルゴスの側に寝返ってしまう。やがてアヴァリとの友情を守り続ける人間にドワーフを含めた陣営と、堕落した人間を含む闇の陣営の間で戦争が勃発。この[[パリソール]]の大戦(Battle of Palisor)の後、アヴァリは人間と袂を分かち[[中つ国]]の各地へと四散した。その内、ウィンダン(Windan)とペンニ(Penni)という氏族はタレグ(Tareg)「族長」に付き従い西方へ、残りは北方や南方、あるいはさらに東の地へと去って行った。
:氏族|『HoME』の記述によれば、[[クイヴィエーネン]]に住んでいたエルフの最初の氏族をミンヤール、タトゥヤール、ネルヤールと言い、西方へと旅立ったミンヤールは[[ヴァンヤール]]に、タトゥヤールは[[ノルドール]]に、ネルヤールは[[テレリ]]になった。ICE設定では東方に残ったエルフたちをまとめてヒシルディ、「黄昏のエルフ」(Twiglight-Elves)と呼ぶ。うちタトゥヤールはロタリ、ネルヤールはエルリニという氏族を形成した。
原始のエルフは[[ミンヤール]]、[[タトゥヤール]]、[[ネルヤール]]の3つの氏族に分かれて暮らしていた。そのうちミンヤールは一族の全員が[[アマン]]へ向けて[[大いなる旅]]を開始したが、タトゥヤールは一族の半分、ネルヤールは三分の一が東方に留まった。これがアヴァリの起源とされる。

|>|>|>|>|>|>|>|>|>|~アヴァリの分類|
|>|>|>|>|>|>|>|>|>|ヒシルディ|
|>|>|>|>|>|>|>|>|ロタリ(タトゥヤーリン・アヴァリ|エルリニ(ネルヤーリン・アヴァリ)|
後の時代、アヴァリも次第に西方の土地に広がるようになり、一部の者たちは[[アンドゥインの谷間]]に定住した[[ナンドール]]族に合流したり、[[エリアドール]]に住み着く者もいた。
それ以外にも、アヴァリの小さな集団たちが南方から[[ベレリアンド]]に入り洞窟や森の奥地に住み着いたが、彼らは[[エルダール]]に対して嫉妬や敵意を抱き、距離を置いていた(特にアマンから帰還した[[ノルドール]]族を嫌っていた)。だが彼らの中にも、[[シンダール]]族に同化する者たちが僅かながらいたという。

西方のアヴァリの多くは時代を下るごとに[[シルヴァン・エルフ]]と大差無くなっていったが、それでも[[第三紀]]の時点でkindi(キンディ)、cuind(クインド)、hwenti(フウェンティ)、windan(ウィンダン)、kinn-lai(キン=ライ)、penni(ペンニ)の六つの氏族の名((これらの氏族名はどれも原始クウェンディ語のkwendīを由来とする。[[クウェンヤ]]でkwendīを由来とする語であるクウェンディ(quendi)は全ての[[エルフ]]を指すが、アヴァリでは各氏族の言葉における自称となった。))が記録されている。

*** 呼称と言語 [#j0a0e7fa]

[[テレリ語]]ではAbari(アバリ)やMoripendi(モリペンディ)等と呼ばれていた。[[シンダリン]]ではEvair(エヴァイル)、Morben(モルベン)、Mornedhel(モルネゼル)等と呼ばれていたがその内Morbenはシンダール族以外のエルダールや[[人間]]である[[エダイン]]、稀に[[東夷]]にも適用されていた。

上記の氏族名以外に明確にアヴァリ語に由来すると分かる固有名詞や単語は確認されていないが、作中に登場するエルフ語の人名の内、意味の分かっていない[[エオル>エオル(マエグリンの父)]](Eöl)はアヴァリ語の名前である可能性がある。

#include(Include/エルフ,notitle)

** コメント [#Comment]
#pcomment(,,noname,,,,reply)
#pcomment(,,,,,,reply)