* グリマ [#nb901124]
#author("2024-01-27T00:08:32+09:00;2023-11-08T03:35:12+09:00","","")
* グリーマ [#nb901124]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Gríma(([[古英語]]で「見せかけ、欺き」の意))|
|~異訳|グリーマ|
|~その他の呼び名|蛇の舌(Wormtongue) &br; 蛇(Worm)|
|~種族|[[人間]]([[ロヒアリム]])|
|~異訳|グリマ|
|~その他の呼び名|蛇の舌(Wormtongue)(([[古英語]]で蛇の舌(snake-tongue)の意味のwyrm-tungaを現代化した形))、蛇(Worm)|
|~種族|[[人間]]([[ロヒルリム]])|
|~性別|男|
|~生没年|不明~[[第三紀]]3019年11月3日|
|~親|[[ガルモド]](父)|
|~兄弟|不明|
|~配偶者|なし|
|~子|なし|
|~生没年|不明~†[[第三紀]]3019年11月3日|
|~親|[[ガールモード]](父)|

** 解説 [#Explanation]

通称''蛇の舌''。父親の名は[[ガルモド]]。
[[セオデン]]王の相談役だが[[サルマン]]に買収されて裏切り者となり、[[アイゼンガルド]]の利益となるように[[ローハン]]を誘導していた。グリマはセオデンに毒の言葉(或いは本物の毒物)を注ぎ込んで彼の気力を萎えさせて健康を害し、[[エドラス]]の実権を握ったが、[[大いなる年]]に[[ガンダルフ]]によって正体を暴かれて追放された。その後は凋落したサルマンに影のように付き従った。
''蛇の舌''と呼ばれる。
[[セーオデン]]王の相談役だったが[[サルマン]]に買収されて裏切り者となり、[[アイゼンガルド]]の利益となるように[[ローハン]]を誘導していた。グリーマはセーオデンに毒の言葉(或いは本物の毒物?)を注ぎ込んで彼の気力を萎えさせて健康を害し、[[エドラス]]の実権を握ったが、[[大いなる年]]に[[ガンダルフ]]によって正体を暴かれて追放された。その後は凋落したサルマンに影のように付き従った。

>また足許には賢人めいた青白い顔に瞼の重たくかぶさる目をした、しなびた男が一人、階段に腰を下ろしていました。((『[[指輪物語]] [[二つの塔]] 上』「六 黄金館の王」))
>また足許には賢人めいた青白い顔に瞼の重たくかぶさる目をした、しなびた男が一人、階段に腰を下ろしていました。((『[[指輪物語]] [[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』「黄金館の王」))

*** 王の相談役 [#m6cb6f09]

ガンダルフによると'''こやつも元来こうであったわけではない。かつては人間だったこともあり、この者なりに殿にご奉公をしたこともある'''((同上))という。

だが『[[終わらざりし物語]]』によると[[第三紀]]3014年頃より術策を弄してセオデンの健康を損ね、彼が自らの助言に依存するように仕向けはじめる。そして[[アイゼンガルド]]の脅威を過小評価してローハンが行動を起こすことを妨げるとともに、[[セオドレド]]や[[エオメル]]といった有力者たちが宮廷から排除されるよう絶えず王に働きかけた。
[[アイゼンの浅瀬の合戦]]でセオドレドが殺されると、グリマは[[エルケンブランド]]からの援軍要請を握りつぶし、さらにエオメルへの不信感を王に植え付ける。
だが『[[終わらざりし物語]]』によると[[第三紀]]3014年頃より術策を弄してセーオデンの健康を損ね、彼が自らの助言に依存するように仕向けはじめる。そして[[アイゼンガルド]]の脅威を過小評価してローハンが行動を起こすことを妨げるとともに、[[セーオドレド]]や[[エーオメル]]といった有力者たちが宮廷から排除されるよう絶えず王に働きかけた。
[[アイゼンの浅瀬の合戦]]でセーオドレドが殺されると、グリーマは[[エルケンブランド]]からの援軍要請を握りつぶし、加えてエーオメルへの不信感を王に植え付ける。

そのため翌3019年に領内に侵入した[[ウルク=ハイ]]を討伐するためエオメルが自らの一存で[[エオレド]]を出動させると、グリマは王の命に背く行動だとしてこれを非難。さらにエオメルがグリマを斬ろうとしたため、反逆罪の咎で彼を投獄させることに成功した。
グリマは[[サルマン]]が勝利した暁には、[[エオウィン]]を我が物にしようと目論んでおり、絶えず彼女につきまとい毒の言葉を囁きかけていた。(エオメルが宮廷で剣を抜いたのもこれに気付いたためであった)
そのため翌3019年に領内に侵入した[[ウルク=ハイ]]を討伐するためエーオメルが自らの一存で[[エーオレド]]を出動させると、グリーマは王の命に背く行動だとしてこれを非難。さらにエーオメルがグリーマを斬ろうとしたため、反逆罪の咎で彼を投獄させることに成功した。
グリーマは[[サルマン]]が勝利した暁には、[[エーオウィン]]を我が物にしようと目論んでおり、絶えず彼女につきまとい毒の言葉を囁きかけていた(エーオメルが宮廷で剣を抜いたのもこれに気付いたためであった)。
加えて[[ヘルグリム]]をはじめとした貴重品をくすねて自らの櫃の中に隠し貯めていた。

*** [[指輪戦争]] [#he798dc6]

しかしその後[[エドラス]]を訪れた[[ガンダルフ]]によってセオデンは蘇生され、グリマはアイゼンガルドへの内通を暴かれる。そこで実権を取り戻したセオデンにより、合戦に同行して忠義を示すか、ローハンを追放されてサルマンの許へ去るかの選択肢を与えられると、後者を選んで[[アイゼンガルド]]へ逃亡した。
しかし[[大いなる年]]3019年の3月2日、[[エドラス]]を訪れた[[ガンダルフ]]によってセーオデンは蘇生され、グリーマは[[アイゼンガルド]]への内通を暴かれる。そこで実権を取り戻したセーオデンにより、合戦に同行して忠義を示すか、ローハンを追放されるかの選択肢を与えられると、後者を選んで[[アイゼンガルド]]へ逃亡した。

しかしグリマが到着した時、アイゼンガルドは既に[[エント]]によって破壊されてサルマンは敗北しており、もはや行き場のないグリマは彼とともに[[オルサンク]]に閉じ込められることを余儀なくされる。
ガンダルフとセオデンの一行がサルマンと談判するためにオルサンクを訪れると、彼はその真価を知らずに[[パランティーア]]を塔から投げ落とした。([[アラゴルン>アラゴルン二世]]は'''あいつはあなた(ガンダルフ)とサルマンのどちらをより憎んでるのか自分でも心を決めかねていたんですよ。'''((同上「十 サルマンの声」))と推察している)
しかしグリーマが到着した時、アイゼンガルドは既に[[エント]]によって破壊されてサルマンは敗北しており、もはや行き場のないグリーマはサルマンとともに[[オルサンク]]に閉じ込められることを余儀なくされる。
ガンダルフとセーオデンの一行がサルマンと談判するためにオルサンクを訪れると、グリーマはその真価を知らずに[[パランティール]]を塔から投げ落とした。パランティールは、サルマンとガンダルフの頭すれすれを落ちていったが、[[アラゴルン>アラゴルン二世]]は'''あいつはあなた(ガンダルフ)とサルマンのどちらをより憎んでるのか自分でも心を決めかねていたんですよ。'''((同上「サルマンの声」))と推察している。

そのままサルマンと共に塔に閉じ込められていたが、[[サウロン]]が滅亡してサルマンが塔を脱出すると、彼に付き従って物乞いをして歩くようになる。故郷へ凱旋する途中の[[指輪所持者]]らの一行に出会った時、サルマンから虐待されるグリマを見たガンダルフは彼から離れて自由になるよう薦めたが、グリマは主人への恐怖のために憎しみを抱きながらもそこから逃れることができなかった。
そのままサルマンと共に塔に閉じ込められていたが、[[サウロン]]が没落するとサルマン共々塔を脱出。そしてサルマンに付き従って物乞いをして歩くようになる。故郷へ凱旋する途中の[[指輪所持者]]らの一行に出会った時、サルマンから虐待されるグリーマを見たガンダルフは彼から離れて自由になるよう薦めたが、グリーマは主人への恐怖のため、憎しみを抱きながらもサルマンから逃れることができなかった。

サルマンが[[旅人たち]]への復讐のため[[ホビット庄]]に赴いて[[袋小路屋敷]]を占拠すると、彼に命じられて眠っていた[[ロソ・サックビル=バギンズ]]を刺し殺す。(さらにサルマンの示唆によると、空腹のあまりその死体を食べたという)
[[水の辺村の合戦]]の後、[[フロド]]は再び彼にサルマンの束縛から離れて自由になるよう薦め、グリマも喜んでそれに応じる様子を見せた。だがサルマンによってロソ殺害を暴かれ、足蹴にされたことで、とうとうグリマはサルマンの喉首を掻き切って彼を殺す。そしてフロドが止める間もなく[[ホビット]]の射手によって射殺された。
サルマンが[[旅人たち]]への復讐のため[[ホビット庄]]に赴いて[[袋小路屋敷]]を占拠すると、彼に命じられて眠っていた[[ロソ・サックビル=バギンズ]]を刺し殺す(さらにサルマンの示唆によると、空腹のあまりその死体を食べたという)。
[[水の辺村の合戦]]の後、[[フロド>フロド・バギンズ]]は再び彼に、サルマンの束縛から離れて自由になるよう薦め、グリーマも喜んでそれに応じる様子を見せた。だがサルマンによってロソ殺害を暴かれ、足蹴にされたことで、とうとうグリーマはサルマンの喉首を掻き切って彼を殺す。そしてフロドが止める間もなく、[[ホビット]]の射手によって射殺された。

*** その他 [#b086f70c]
*** 備考 [#b086f70c]

『[[終わらざりし物語]]』の一説によると、[[ガンダルフ]]が[[アイゼンガルド]]に捕らわれて脱出した後、グリマは[[ガンダルフ]]を追う[[黒の乗手>ナズグル]]と遭遇している。そこでグリマは黒の乗手に脅され、[[ホビット庄]]のことを話してしまった。こうしてホビット庄の存在を知った黒の乗り手は、その地へ向かうことになった。
ただし[[クリストファー>クリストファー・トールキン]]によるとこれは時系列的に無理がある話であり、後の草稿では黒の乗手と遭遇したのはグリマではなくサルマン配下の別の男となっている。
『[[終わらざりし物語]]』の一説によると、[[ガンダルフ]]が[[アイゼンガルド]]に捕らわれて脱出した後、グリーマは[[ガンダルフ]]を追う[[黒の乗手>ナズグル]]と遭遇している。そこでグリーマは黒の乗手に脅され、[[ホビット庄]]のことを話してしまった。こうしてホビット庄の存在を知った黒の乗り手は、その地へ向かうことになった。
ただし[[クリストファ>クリストファ・トールキン]]によるとこれは時系列的に無理がある話であり、後の草稿では黒の乗手と遭遇したのはグリーマではなくサルマン配下の別の男となっている。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

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|~俳優|[[ブラッド・ドゥーリフ]]|
|~日本語吹き替え|[[金尾哲夫]]|

[[角笛城の合戦]]が始まる前に[[オルサンク]]に辿り着き、[[サルマン]]に[[角笛城]]の弱点や、[[アラゴルン二世]]の[[バラヒアの指輪]]についての情報をもたらしている。
劇場公開版では『[[二つの塔]]』にしか出番がないが、『[[王の帰還]] [[エクステンデッド・エディション]]』では、オルサンクの頂上で背後からサルマンを刺す。その直後[[レゴラス]]の矢を受けて死亡。
字幕及び吹替での名前は『[[指輪物語]]』書籍[[新版]]に従い''グリマ''。
原作では裏切りが知られた後、[[ガンダルフ]]の言葉もあり、戦いで改めて忠誠を示すか、すぐ[[エドラス]]から立ち去るかの二択を[[セーオデン]]に示される。一方映画では、セーオデンに斬り捨てられそうになったところを[[アラゴルン>アラゴルン二世]]が止め、アラゴルンが差しだした手に唾を吐いて逃げ出している(この時アラゴルンの[[バラヒルの指輪]]に気付いた形となっている)。

その後、[[角笛城の合戦]]が始まる前に[[オルサンク]]に辿り着き、[[サルマン]]に[[角笛城]]の弱点や、アラゴルンのバラヒルの指輪についての情報をもたらしている。
劇場公開版では『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』にしか出番がないが、『[[王の帰還>指輪物語/王の帰還]] [[エクステンデッド・エディション]]』では、オルサンクの頂上で背後からサルマンを刺す。その直後[[レゴラス]]の矢を受けて死亡。

*** 画像 [#iaad5906]

&ref(Grima.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』における蛇の舌グリーマ);

*** グッズ [#fc95cf67]

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** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

&ref(ScreenShot00693.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるグリーマと、ガンダルフに癒やされる前のセーオデン); &ref(e2953a26d02c0b8b243e1082d7820273.jpg,,15%,);

** コメント [#Comment]

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