* トロル [#p6f2dc4b]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Troll|
|~その他の呼び名|トログ(Torog)|

** 解説 [#Explanation]

巨軀と怪力を持った怪物。[[シンダール語]]ではトログ。[[第一紀]]に[[冥王]][[モルゴス]]が、[[エント]]を真似て作った存在と言われるが、正確な起源は定かではない。
[[シンダール語]]のトログの翻訳名。[[上古]]に[[冥王]][[モルゴス]]が生み出した、巨軀と怪力を持つ種族。

『[[ホビットの冒険]]』においては[[バート]]、[[トム]]、[[ウイリアム]]という名のトロルが登場し、[[ビルボ・バギンズ]]たちを襲った。ただし童話的な性質の『ホビットの冒険』においては、トロルの描写は『[[指輪物語]]』などに登場するものとはかなり雰囲気が異なっており、トロルの財布がしゃべるという描写もある。

** 特徴 [#eaf90a5e]

:外見|~氏族によって若干ばらつきがあるが、いずれも人間より巨体。石のように固い皮膚を持ち、並の剣で歯が立たない。血は[[オーク]]と同じく黒い。
:能力|~怪力を持つが、一般的に知能は低い。[[第一紀]]の頃は言葉もしゃべれず、ほとんど獣と変わるところが無かったというが、[[サウロン]]の時代になってからは使える範囲の言葉を[[オーク]]から習い、ある程度組織的な行動がとれるようになった。[[太陽]]の光を浴びると石になってしまうので、夜間にのみ活動する。ただし[[オログ=ハイ]]のみは太陽光への耐性を持つ。
:能力|~怪力を持つが、一般的に知能は低い。元々は言葉を持たず、ほとんど獣と変わるところが無かったというが、彼らを利用しようとした[[サウロン]]に知恵を仕込まれた結果、使える範囲の言葉を[[オーク]]から習い、ある程度組織的な行動がとれるようになった。[[太陽]]の光を浴びると石になってしまう((『[[ホビットの冒険]]』ではその理由を「トロルが生まれたもとの山の岩(the stuff of the mountains they are made of)にもどって、動きだせなくなる」と説明されている。一方『[[追補編]]』では、彼らが[[上古]]の薄明(the twilight of the Elder Days)で生まれた種族なので、陽光に耐えられないことが示唆されている))ので、夜間にのみ活動する。ただし[[オログ=ハイ]]のみは太陽光への耐性を持つ。
:文明・文化|~ほとんど文明や文化らしいものは持たない。おそらく国家の概念もないが、[[冥王]]の意志の下に隷属している。&br;『[[ホビットの冒険]]』に登場した岩のトロル([[バート]]、[[トム]]、[[ウイリアム]])は上着を含む服を着ており、ビールをジョッキで飲み、[[動物]]や他種族の者((作中では羊肉を火で炙って食べており、[[ビルボ]]と[[13人のドワーフ>トーリンとその仲間]]が料理されかけている。また[[ウイリアム]]は[[バート]]と[[トム]]が二人だけで[[人間]]の村を一つと半分食べ尽くしたと言っている))を調理道具で料理して食べている。
:住居|~''トロルの岩屋''(troll-hole, trolls' lair)と呼ばれる住処を作り、昼はそこで過ごす。住居の中には略奪品や食糧などが蓄えられていることが多い。[[冥王]]の軍に所属していないトロルは、そのような住居で少数で共同生活をしていると思われる。
:歴史|~([[木の鬚]]によると)[[エント]]を真似て[[モルゴス]]が作った生き物と言われている。[[第一紀]]のモルゴスの軍の中に既にトロルはいたが、トロル独自での団体行動というものをしないためか、あまり歴史上にはトロルの事は出てこない。
[[第二紀]]、[[第三紀]]以降のサウロンの軍では、しばしばトロルが強力な部隊として登場する。サウロンが知恵を仕込んだために、トロルはある程度の言葉を話したり組織的な行動が取れるようになっていき、[[モルドール]]のみならず[[霧ふり山脈]]や[[エリアドール]]北方にも半独立的に出没するようになった。第三紀末にはモルドールを中心に、サウロンの意志に支配され、陽光の下でも活動することできる[[オログ=ハイ]]という改良種も登場した。
:歴史|~『[[指輪物語]]』での[[木の鬚]]の台詞によれば、[[エント]]を真似て[[モルゴス]]が作った生き物だという((同じ台詞で[[木の鬚]]は「[[オーク]]が[[エルフ]]のまがいであるのと同じこと」と言っているが、実際のオークの起源に関しては不確かである))。[[第一紀]]のモルゴスの軍の中に既にトロルはいたが、トロル独自での団体行動というものをしないためか、あまり歴史上にはトロルの事は出てこない。
[[第二紀]]、[[第三紀]]以降のサウロンの軍では、しばしばトロルが強力な部隊として登場し、[[モルドール]]のみならず[[霧ふり山脈]]や[[エテン高地]]などの[[エリアドール]]北方にも半独立的に出没するようになった。第三紀末には、サウロンの意志に支配され、陽光の下でも活動することできる[[オログ=ハイ]]という改良種も登場した。
:氏族|~具体的な差ははっきりしないが以下のように呼び分けられることがあり、それぞれ特徴があると思われる。
--石のトロル、岩のトロル (stone-troll)
『[[ホビットの冒険]]』の[[バート]]、[[トム]]、[[ウイリアム]]がこれにあたる。
&br;
--岩穴トロル (cave-troll)
[[指輪の仲間]]が[[モリア]]の中で遭遇し、[[フロド]]が[[つらぬき丸]]で突き刺したトロル。緑の苔むした岩のような黒っぽい皮膚に、指のない扁平な大足を持つ。
&br;
--山のトロル (mountain-troll)
[[ミナス・ティリスの包囲戦>ペレンノール野の合戦#vd330717]]で破城槌[[グロンド]]を操作したトロル。
&br;
--山トロル (hill-troll)(([[瀬田貞二]]・[[田中明子]]訳の『[[王の帰還]]』『[[追補編]]』本文の表記に従った))
[[黒門の戦い]]で隊伍を組んで攻撃してきたトロル。体躯は人間より高く厚みがある程度で、鉤爪のある節こぶだらけの手を持つ。角質の板状の鎧(あるいは皮膚)を身にまとい、黒い円形の盾と重い槌で武装していた。倒した者の喉を噛み切るならわしを持つ。[[ピピン]]は[[塚山出土の剣]]でこのトロルの首領(troll-chief)を倒している。
また[[アラゴルン二世]]の祖父[[アラドール]]は山トロルの一団によって殺されたという。
&br;
--[[オログ=ハイ]] (olog-hai)
[[サウロン]]が種の交配で生み出したトロルの改良種。陽光への耐性を持つ。
&br;
--トロル人間 (troll-men)
[[ペレンノール野の合戦]]で[[モルドール]]の同盟軍として言及される。[[オーク]]や[[ヴァリアグ]]と同じく日の光を忌むとされるが正体は不明。また下記の半トロルとの関連も不明。
&br;
--半トロル (half-troll)
[[ペレンノール野の合戦]]で[[モルドール]]の同盟軍だった[[遠ハラド]]の黒い人間が「半分トロルのような」(like half-trolls)と言及されている。実際に半トロルという種族がいるのか、あくまでも比喩なのかは不明。また上記のトロル人間との関連も不明。
&br;
--雪トロル (snow-troll)
雪の中を白装束で単身敵陣へ乗り込んだ[[ヘルム]]の外見を表わす比喩として登場する。実際にそのような種族がいるのかは不明。
:言語|~オークから習った言葉([[オーク語]])を使った。また西方諸国の岩のトロル([[バート]]、[[トム]]、[[ウイリアム]])は崩れた[[西方語]]を用いた。[[サウロン]]は[[暗黒語]]をトロルにも使わせて、闇の種族の共通語にしようとしたが、[[オログ=ハイ]]を除いて失敗した。
:言語|~オークから習った言葉([[オーク語]])を使った。また西方諸国の岩のトロル([[バート]]、[[トム]]、[[ウイリアム]])は崩れた[[西方語]]を用いた。[[サウロン]]は[[暗黒語]]をトロルにも使わせて、自身の僕の共通語にしようとしたが、[[オログ=ハイ]]を除いて失敗した。
:偏見|~他のほとんどの種族を嫌っている。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

[[モリア]]の洞窟トロルほか、[[モルドール]]の軍勢の中には[[黒門]]の開閉や攻城兵器の運用を担うトロル、鎧を帯びて最前線で戦う戦闘用のトロルが登場する。
また[[裂け谷]]への道中では『[[ホビットの冒険]]』で石になった3匹のトロルが背景として登場する。

*** グッズ [#g04f1567]

#amazon(B0002ZGVHO)
#amazon(B0002ZGVHE)
#amazon(B0002ZGVH4)
#amazon(B0002ZGVGU)
#amazon(B00092H6RO)
#amazon(B000HZJCAC)
#amazon(B005GJ589S)
#amazon(B00JA93ZFY)

** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]

『思いがけない冒険』に原作通り、[[バート]]、[[トム]]、[[ウイリアム]]の3匹のトロルが登場する。
『ロード・オブ・ザ・リング』では言葉らしい言葉を発していなかったトロルだが、若干童話要素が薄められたものの、バートたちは原作に近い、やや間抜けな会話をしている。

原作で描写がなかった[[五軍の合戦]]にも複数のトロルが登場しており、背中に投石機を背負ったものなどもいた。
原作で描写がなかった[[五軍の合戦]]には複数の武装したトロルが登場する。背中に投石機を背負っていたり、捨て身の頭突きで城壁を突き崩す者など、「自走式攻城兵器」と化しているものもいる。

*** グッズ [#a6af0e15]

#amazon(B00E8PYY9G)
#amazon(B00HK1B5Z6)
#amazon(B00HP92WPU)

** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#Lotro]

トロルと[[フオルン]]の中間の姿のような、木トロル(wood-troll)という氏族が登場する。他のトロルに比べて小型だが、動きが素早い。

** コメント [#Comment]

#pcomment(,,noname,,,,reply)