-始祖ベオルの一族の首領ボロミア(Boromir)については、[[ボロミア(ボロンの息子)]]を参照してください。
-ゴンドール11代目の執政ボロミア(Boromir)については、[[ボロミア(デネソール一世の息子)]]を参照してください。
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* ボロミア [#fb8fce9b]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Boromir|
|~その他の呼び名||
|~種族|[[人間]]([[ドゥーネダイン]])|
|~性別|男|
|~生没年|[[第三紀]]2978~3019†|
|~親|[[デネソール二世]](父)、[[フィンドゥイラス>フィンドゥイラス(アドラヒルの娘)]](母)|
|~兄弟|[[ファラミア]](弟)|
|~配偶者|なし|
|~子|なし|

** 解説 [#Explanation]

[[指輪の仲間]]の一人。[[ゴンドール]]の[[執政]][[デネソール二世]]と、その妻[[フィンドゥイラス>フィンドゥイラス(アドラヒルの娘)]]の間に生まれた長男。弟の名は[[ファラミア]]。
ゴンドールだけではなく[[ローハン]]にまで名が届く勇猛な武将として知られ、父親に特に寵愛されていた。父親には冷遇されがちだったファラミアとも強い絆で繋がれており、二人の幼少期にはボロミアがファラミアの援助者であり保護者であったという。その人となりは[[エアルヌア]]に似ていたと言われ、武芸を好み伴侶を持つことはなかった。
ボロミアは自信と誇りに満ちあふれており、時にはそれが尊大に感じられることもあったが、本質的には礼儀正しく誠実な人物である。[[ガンダルフ]]が[[バルログ]]と対峙したとき、ガンダルフを助けるため[[アラゴルン>アラゴルン二世]]とともにガンダルフの元に戻ろうとしたほどの勇気の持ち主でもある。

>それから、少し離れたところに、気品のあるりっぱな顔立ちの、背の高い人が一人坐っていました。その人の髪の色は黒っぽく、灰色の目は誇り高くきびしい光をたたえていました。
かれのマントといい、編上げ靴といい、騎馬旅人のなりでしたが、現に、そのぜいたくな衣服も、毛皮の裏のついたマントも、長旅に汚れはてていました。かれは白い石の一つはまった銀の襟かざりをつけ、肩のあたりで巻き毛を切りそろえていました。肩から斜めにわたした飾り帯には銀の口金のついた大きな角笛をさしていたのですが、それは今は膝の上にのっていました。((『指輪物語 旅の仲間 下』「二 エルロンドの会議」))

*** イムラドリスへの旅 [#n104eebc]

父の[[デネソール]]や弟の[[ファラミア]]と違い、[[西方の血>ドゥーネダイン]]はほとんど発現していなかった。外見的には父に似ていたものの、自尊心を除けば性格的には全く似ておらず、そのためにデネソールは一層彼を愛していたという。
彼は非常に勇猛果敢な武将であり、弟と共に[[ゴンドール]]の大将として再興したモルドールの脅威を食い止めるべく戦った。だが[[3018年>大いなる年#year3018]]に突如モルドールより大軍が押し寄せると、[[イシリアン]]と[[オスギリアス]]の駐屯部隊は撤退を余儀なくされる。この時モルドール軍は[[魔王]]以下[[ナズグール]]が指揮を執っており、ボロミアとファラミアはただ一つ残っていた橋を落とすことで辛うじて大河の西岸を防衛することができた。

ボロミアは、弟のファラミアが何度も見て、自分自身も一度見た夢のお告げの答えを求める。

>[[折れたる剣>アンドゥリル]]を求めよ。
 そは[[イムラドリス>裂け谷]]にあり。
かしこにて助言を受くべし、
 [[モルグル]]の呪魔より強き。
かしこにて兆を見るべし、
 滅びの日近くにありてふ。
[[イシルドゥアの禍>一つの指輪]]は目覚め、
 [[小さい人>ホビット]]ふるいたつべければ。(([[指輪物語]] [[旅の仲間]]に登場する、兄弟が見たという夢より))

ゴンドールの人間にはこの夢の言葉はほとんど理解できなかったが、ボロミアとファラミアは、言葉の中からただひとつ、イムラドリス即ち[[裂け谷]]の意味を[[デネソール二世]]より聞く。すると他の謎を解くため、ファラミアが裂け谷に向かおうとするが、危険な旅であるとしてボロミアがこの旅を買って出た。デネソールはこれに反対したものの、ボロミアは自分の意思を押し切って、裂け谷を求め[[ゴンドール]]を出発した。
ボロミアは[[ローハン]]で馬を借り、[[ローハン谷]]を西へ抜けて[[エネドワイス]]を北上する。だが北へ向かう[[旧南街道]]と[[緑道]]は使われなくなって久しく、ほとんど消失してしまっており、とうに橋の落ちた[[サルバド]]の浅瀬では馬を失うなど、その旅は困難を極めた。
三か月あまりをかけてどうにか[[裂け谷]]へ到達した彼は、その翌朝に開かれる[[エルロンドの会議]]に出席して謎解きを乞うこととなった。

*** 指輪の旅 [#cbaf2039]

ボロミアは[[エルロンドの会議]]において、実際に「イシルドゥアの禍」である[[一つの指輪]]、「折れたる剣」である[[ナルシル]]、そして「小さい人」[[ホビット]]を見ることになる。
それからボロミアは[[ゴンドール]]へ戻る途中、[[指輪の仲間]]の一人として、フロド達と行動を共にする。ボロミアは、一行の中ではガンダルフの、ガンダルフがモリアで行方不明になった後にはアラゴルンの意見と指示に基本的に従っていたが、ゴンドールの将軍としての責務もあるため、途中で[[モルドール]]へ向かう道を逸れて仲間と別れ、ゴンドールへと帰国する予定であった。

だがボロミアはゴンドールを救う強大な力を求めていたため(エルロンドの会議でも、一つの指輪を逆手に取り、[[サウロン]]を倒す武器に使うべきだという発言を行っていたが、[[エルロンド]]に否定されている)、旅の途中でも無意識に[[一つの指輪]]の力を望むようになり、[[ロスローリエン]]で[[ガラドリエル]]にその望みを指摘された後は、次第に一つの指輪の魔力に誘惑されて苦しむようになる。やがて[[パルス・ガレン]]にて我を忘れた彼は、[[フロド・バギンズ]]から力ずくで指輪を奪い取ろうとした。その直後ボロミアは正気に戻りフロドに許しを請うが、フロドはすでに逃げ失せて彼の耳には届かなかった。フロドはこれがきっかけとなり、仲間から離れて一人でモルドールへ向かう決意をする。
更にその後、指輪の仲間は[[オーク]]に襲撃される。ボロミアは[[ペレグリン・トゥック]]と[[メリアドク・ブランディバック]]を守るために孤軍奮闘し、[[ゴンドールの角笛]]を吹き鳴らしたものの援軍が駆けつけることはなく、大勢のオークを倒したが最後には[[アイゼンガルド]]の[[ウルク=ハイ]]に無数の矢を射かけられて彼自身も倒れた。ボロミアは、自身のいまわの際を看取った[[アラゴルン二世>アラゴルン]]にホビットがさらわれたことを知らせ、また自分がフロドから指輪を奪おうとしたことを告白し、ゴンドールを救ってくれるよう言い残して息絶えた。

>「おさらば、アラゴルン! ミナス・ティリスに行き、わが同胞を救ってください! わたしはだめだったが。」&br;「違う!」アラゴルンはそういうと、かれの手をとり、その額に口づけしました。「あなたは打ち勝ったのだ。このような勝利を収めた者はほとんどおらぬ。心を安んじられよ! ミナス・ティリスを陥落させはせぬ!」&br; ボロミアはほほ笑みました。((『指輪物語 二つの塔』「一 ボロミアの死」))

ボロミアの遺体はアラゴルン、[[レゴラス]]、[[ギムリ]]の手により、ボロミアが倒した敵の武器などといった大量の戦利品と共に、[[ロスローリエン]]の[[エルフ]]が作った小舟に乗せられて、[[アンドゥイン]]に流されて葬られた。
その船はエルフの魔法のなせる業か、[[ラウロスの大瀑布>ラウロス]]に巻き込まれても沈むことなくアンドゥインを下り続け、[[オスギリアス]]に近い浜辺を流れているところをファラミアに目撃された。さらに船はアンドゥインを下り続け、ある星の夜[[大海]]に放たれていったと伝えられている。
また、船に乗せられていた[[ゴンドールの角笛]]は、アンドゥインの川岸に流れ着いているところを発見され、回収されて父の許に届けられた。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

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|~俳優|[[ショーン・ビーン]]|
|~日本語吹き替え|[[小山力也]]|

最後は[[ラーツ]]という名の[[ウルク=ハイ]]と戦って倒れる。原作でボロミアの死が描かれているのは『[[二つの塔]] 』冒頭だが、映画では『[[旅の仲間]]』のラストシーンに変更されている。
最後は[[ラーツ]]という名の[[ウルク=ハイ]]と戦って倒れる。原作でボロミアの死が描かれているのは『[[二つの塔]]』冒頭だが、映画では『[[旅の仲間]]』のラストシーンに変更されている。
『二つの塔 [[スペシャル・エクステンデッド・エディション]]』では、ファラミアの回想シーンに登場。[[オスギリアス]]を奪回した戦いの後でファラミア、デネソールと会話している。そのシーンでは夢歌のことは登場せず、デネソールはエルロンドの招集に応じてボロミアを派遣したことになっている。
『[[王の帰還]]』では、デネソールがボロミアの幻影を見るシーンがある。

** コメント [#Comment]

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