#author("2020-06-05T22:57:51+09:00;2020-05-31T23:13:06+09:00","","")
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* マルローン [#we8ac134]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[植物]]|
|~スペル|mallorn((複数形メルリルン(mellyrn) ))|
|~その他の呼び名|マリノルネ(malinornë)((複数形マリノルニ(malinorni) ))、金色の木(Golden Tree)|

** 解説 [#Explanation]

[[シンダール語]]で「金の木」の意。[[クウェンヤ]]での名はマリノルネ。[[第三紀]]の[[中つ国]]では[[ロスローリエン]]にのみ生えていた樹木。この木々のために、ロスローリエンは「黄金の森」やそれに類する名で呼ばれた。
一つの幹から枝がほとんどまっすぐに伸びた後に反り上がり、樹冠付近で王冠状に枝分かれする。[[ガラズリム]]の[[フレト]]はその間に設けられる。

>「あの土地の木々に似た木はどこにもない。秋になっても葉は落ちないで金色に変わります。春が来て、新緑が萌え出して、はじめて金色の葉が落ち、枝々には黄色い花がたわわに咲いて、森の床は一面に金色、屋根も金色、そしてその柱は銀色になるのですよ。木々の樹皮がすべすべとなめらかで灰色に光っているんですから。」((『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「ロスロリアン」 [[レゴラス]]の言葉))

銀色の堅い殻におおわれた小さな種子をつけ、[[ガラドリエル]]から[[サムワイズ・ギャムジー]]に贈られた[[小箱]]の中には、このマルローン樹の種子が彼女の庭の土と共に入れられていた。この[[贈り物>ガラドリエルの贈り物]]は[[サルマン]]とその配下の[[ごろつき]]によって傷つけられた[[ホビット庄]]を修復するのに大きな力を発揮し、種子は切り倒された[[誕生祝いの原]]の木の代わりに植えられ、遠方から人々が見物に来るほど見事な樹に育った。ホビット庄のマルローン樹は、[[大海]]より東、[[霧ふり山脈]]より西にある唯一のマルローン樹となった。

*** 『[[終わらざりし物語]]』での記述 [#f754292c]

>だがここだけにしか生えない木もあった。巨大な黄金の木マリノルネである。樹齢五百年を経たこの木の高さは、エレッセアにあるものとほとんど変わらないくらいだった。樹皮はなめらかで銀色をしており、枝は[[橅]]のように、やや上向きに曲がっていた。枝は一つの幹以外からは決して育たなかった。葉は橅に似ていたがもっと大きく、葉先の薄緑と枝元の銀は陽光に映えて輝いた。葉は秋になっても落ちず、ただ薄い金色に変わるだけだった。春には、桜のように鈴なりに黄金色の花が開く。この花は夏の間中咲き続けるのだった。花が開くとすぐに葉が落ちる。そのため、春から夏にかけてのマリノルネの森はさながら、黄金造りの床と屋根と銀灰色の柱の並ぶ広間のようだった。その実は堅い銀色の殻に覆われていた。((『[[終わらざりし物語]]』「ヌーメノールの島について」 [[ニーシマルダール]]のマルローンについての説明))

一説によると、元々マルローン樹は[[トル・エレッセア]]に生育していたもので、そこから[[エルフ]]によって[[ヌーメノール]]西部の[[ニーシマルダール]]にもたらされた。さらにその種子を[[タル=アルダリオン]]が[[ギル=ガラド]]に贈り、ギル=ガラドはその一部を縁者の[[ガラドリエル]]に与えた。マルローンはギル=ガラドの[[リンドン]]では根付かなかったが、ガラドリエルの[[ロスローリエン]]では彼女の力によって成長し、生い茂った。だがロスローリエンでもニーシマルダールのものほどの大きさには育たなかった。
しかし[[クリストファー・トールキン]]はローリエンはガラドリエルが統治する以前から「黄金の森」を意味する名で呼ばれており、『[[指輪物語]]』劇中での記述からもマルローン樹はもともとローリエンに自生していたと考えるのが自然であり、ガラドリエルがもたらしたというこの説は考えづらいと述べている。

また、[[第一紀]]の[[ゴンドリン]]にも生えていたとの記述がある。

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