#author("2019-12-30T18:22:32+09:00;2018-10-01T16:52:06+09:00","","")
#author("2020-01-18T03:39:21+09:00;2018-10-01T16:52:06+09:00","","")
* 怒りの戦い [#g1be4c00]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[歴史・事件]]|
|~スペル|War of Wrath|
|~その他の呼び名|大会戦、大合戦(Great Battle)|

** 解説 [#Explanation]

[[第一紀]]の[[宝玉戦争]]における最後で最大の戦い。[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]の嘆願に応じた[[ヴァラール]]の軍勢が[[ベレリアンド]]に上陸し、[[アングバンド]]に立てこもる[[モルゴス]]の軍勢と戦いこれを滅ぼした。
この戦いについては、ずっと後の時代に[[中つ国]]の[[エルフ]]が[[アマン]]の同族から聞いた話が伝わるのみで、詳細は知られていない。

>ともあれ、ついに西方から[[ヴァリノール]]軍が来襲し、[[エオンウェ]]が挑戦のために吹き鳴らすトランペットの響きは空を満たし、ベレリアンドはかれらの武器の燦たるきらめきで燃えるが如くであった。ヴァラールの軍勢は、若く、美しく、恐ろしげな姿をとって勢揃いし、山々はかれらの足下にどよめいた。 …
モルゴス側は[[王国>ドル・ダイデロス]]の全兵力を動員し、その総力は数えられないほど大きく、[[アンファウグリス]]に全員を容れることができないほどであった。そして、北方の地全土が戦火に燃え立った。((『[[シルマリルの物語]]』「エアレンディルの航海と怒りの戦いのこと」))
>ともあれ、ついに西方から[[ヴァリノール]]軍が来襲し、[[エオンウェ]]が挑戦のために吹き鳴らすトランペットの響きは空を満たし、[[ベレリアンド]]はかれらの武器の&ruby(さん){燦};たるきらめきで燃えるが如くであった。ヴァラールの軍勢は、若く、美しく、恐ろしげな姿をとって勢揃いし、山々はかれらの足下にどよめいた。
 西方と東方の軍勢の一大決戦は大会戦と名づけられ、怒りの戦いとも呼ばれている。モルゴス側は[[王国>ドル・ダイデロス]]の全兵力を動員し、その総力は数えられないほど大きく、[[アンファウグリス]]に全員を容れることができないほどであった。そして、北方の地全土が戦火に燃え立った。((『[[シルマリルの物語]]』「エアレンディルの航海と怒りの戦いのこと」))

ヴァラールの軍勢は[[マイア>マイアール]]の[[エオンウェ]]を総大将とし、[[ヴァンヤール]]族、[[フィナルフィン]]に率いられた[[アマン]]の[[ノルドール]]族などがこれに同行した。[[アルクウァロンデ]]の[[テレリ]]族([[ファルマリ]])は[[同族殺害]]の記憶から進んで戦いに同行することはなく、軍勢を運ぶ船を操る水夫たちを差し向けたのみで上陸しなかった。
[[中つ国]]の[[エルフ]]は戦いに参加しなかった。[[人間]]は[[エダイン]]三家の生き残りがヴァラールの側について戦ったのみで、他の大多数の人間はモルゴスの側についた。

モルゴスは全兵力を動員してこれを迎え撃ったが利あらず、[[オーク]]も[[バルログ]]も少数を残して殲滅された。モルゴスは最後の反撃として[[アンカラゴン]]を筆頭とする有翼の[[龍]]を繰り出し、これはヴァラールの軍勢を一時押し戻すほどの猛威を振るったが、そこに[[ヴィンギロト]]に乗った[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]と[[ソロンドール]]が率いる大鳥たちが到来し、両陣営は一昼夜空中戦を繰り広げ、日の出前にエアレンディルがアンカラゴンを討ち取ったことで勝敗が決した。アンカラゴンの落下によって[[サンゴロドリム]]の塔は毀たれ、日が昇る頃にはヴァラールの軍勢は龍のほとんどを殲滅した。

[[アングバンド]]は徹底的に破壊され、地の底に逃げていた[[モルゴス]]も捕らえられて再び[[アンガイノール]]の鎖で縛られた。[[鉄の冠]]からは二個の[[シルマリル]]が回収され、冠は打ち直されてモルゴスの首輪になった。こうして[[モルゴスの王国>ドル・ダイデロス]]は滅び、大勢の奴隷が地下の牢獄から解放された。
戦いのあまりの激しさのために[[ベレリアンド]]は引き裂かれ、[[リンドン]]と、[[トル・フイン>ドルソニオン]]、[[ヒムリング]]、[[トル・モルウェン]]が島として残ったほかは[[大海]]の下に没した。

*** 戦いの後 [#v09645c0]

[[マイズロス]]と[[マグロール]]は回収された二つの[[シルマリル]]の所有権を主張してこれを盗み出したが、シルマリルは二人の身を焼き、結局二つのシルマリルは大地の裂け目と海に投じられた。

ヴァラールの軍勢に同行した[[上のエルフ]]は[[大海]]の岸辺で船を建造し、[[アマン]]へ帰還した。中つ国のエルフの多くもアマンへ渡り、[[トル・エレッセア]]に定住したが、[[中つ国]]を去り難く留まる者もいた。
ヴァラールの側に立って戦った[[人間]]である[[エダイン]]には、報償として[[ヌーメノールの島>ヌーメノール]]が与えられた。

[[モルゴス]]は[[夜の扉]]から[[虚空]]へ放逐された。
彼の副官であった[[サウロン]]は[[エオンウェ]]に投降し、アマンで[[マンウェ]]の裁きを受けるよう命じられたが、エオンウェが去ると中つ国に逃れ、後にモルゴスに代わる第二の[[冥王]]として君臨した。

** コメント [#Comment]

#pcomment(,,,,,,reply)