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* ロヴァニオン [#z6d1b275]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Rhovanion|
|~その他の呼び名|荒地のくに、荒れ地の国(Wilderland)|

** 解説 [#Explanation]

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[[シンダール語]]で「荒れ地の国」の意(直訳すると野生の地)。[[灰色山脈]]の南、[[カレナルゾン]]と[[モルドール]]の北、[[霧ふり山脈]]の東、[[赤水川]]の西にあたる広大な地域の伝統的な名で、[[闇の森]]と[[アンドゥイン]]の北部流域が含まれる。[[闇の森]]と[[リューンの湖]]の間の地域をロヴァニオンと呼び、[[ドルイニオン]]を除く[[リューンの湖]]そのものもロヴァニオンの一部だと考える場合もある。

*** 諸勢力 [#people]

-[[北方の自由の民]]
--[[北国人]]
--[[エオセオド]]
--[[森人]]
--[[ビヨルン一党]]
--[[谷間の国の人間]]
--[[湖の人]]

-[[ドワーフ]]([[長鬚族]])

-[[シルヴァン・エルフ>シルヴァン]]
--[[闇の森のエルフ>闇の森#Realm]]
--[[ガラズリム]]

-[[大鷲]]

-[[オーク]]([[ゴブリン]])
-[[狼(ワーグ)>ワーグ]]
-[[ワーグ]]([[狼]])
-[[龍]]

** 歴史 [#History]

[[星々の時代]]に[[大いなる旅]]を行く[[エルダール]]が[[霧ふり山脈]]を目前にした時、それを越えることを拒んだ一派が[[ナンドール]]だった。ナンドールは[[アンドゥイン]]に沿って南下しつつ周辺の森林に住み着いた。ナンドールの内、後に[[ベレリアンド]]へ渡った者達は[[緑のエルフ]]と呼ばれるようになったが、それに対しそのままロヴァニオンに留まり続けた者達は[[シルヴァン・エルフ]]と呼ばれた。
やがて[[グンダバド]]で目覚めた[[長鬚族]]は[[カザド=ドゥーム]]に王国を築き、霧ふり山脈と[[灰色山脈]]に沿って広がっていった。かれらは東方で目覚めた[[ドワーフ]]の氏族と交流するため、ロヴァニオンの中央を貫く[[大ドワーフ道>古森街道]]を築いた。
[[太陽の第一紀>第一紀]]以後、ロヴァニオンには西方へ向かった[[エダイン]]の分かれである[[北方の自由の民]]が広がり始める。さらに[[第二紀]]以後は、[[サンゴロドリム]]の崩壊を逃れた[[オーク]]や[[龍]]といった[[モルゴス]]配下の邪悪な者達がこの地方に隠れ潜んだ。
以後、ロヴァニオンは[[自由の民]]と[[サウロン]]との絶えざる係争の地となる。

[[第三紀]]1050年に復活したサウロンは、[[闇の森]]の[[ドル・グルドゥア]]に居を構えて[[死人占い師]]と呼ばれ、その影の下で邪悪な者達は再び活動を活発化した。
森に広がる影のために、[[シルヴァン・エルフの王国>闇の森#Realm]]は次第に北へと追いやられていった。霧ふり山脈にはオークが現れてドワーフを襲い、1980年には[[バルログ]]のために[[カザド=ドゥーム]]が滅びる。
かつてロヴァニオンの南東部には[[ゴンドール]]の同盟者である[[北国人]]の連合体があり、[[東方>リューン]]からの侵入者を阻んでいたが、かれらは1636年より起こった[[悪疫]]のために壊滅的な打撃を受け、1851年より続く[[馬車族]]の侵入のために各地に追い散らされる。その一派は一時アンドゥインの谷間に定住したが、死人占い師の影を恐れて遥か北方に移住し[[エオセオド]]となった。
このため、ロヴァニオンと[[リューン]]の間の通行を妨げる者は何も無くなった。

ドル・グルドゥアの力の強まりを危惧した[[ガンダルフ]]の働きにより、サウロンは一時東へ逃れ、2063年から2460年にかけて[[警戒的平和]]がもたらされた。だが結局、サウロンはさらに力を増してドル・グルドゥアに戻る。
防ぎ手のいないロヴァニオンの南東部はドル・グルドゥアの支配下にある[[バルホス族]]に占拠されるようになり、この時バルホスとドル・グルドゥアの脅威のために[[アンドゥイン]]東岸はほとんど無人となった。2510年の[[ケレブラントの野の戦い]]によってバルホスは駆逐され、エオセオドは[[カレナルゾン]]に移住して[[ロヒアリム]]となった。
しかしドル・グルドゥアの力が取り除かれることはなく、霧ふり山脈に巣食うオークは山道を掌握するとともに周辺地域への襲撃を繰り返し、また灰色山脈で育った龍達はドワーフを襲い、2770年には黄金龍[[スマウグ]]によって[[エレボール]]が滅ぼされる。闇の森は危険な場所となり、[[古森街道]]は荒廃してオークの他には使う者がなかった。
こうしてロヴァニオンの[[自由の民]]は分断され、消耗していった。

2941年、事態を重く見たガンダルフの働きかけにより、[[五軍の合戦]]および[[白の会議]]によるドル・グルドゥア攻撃がなされる。
これにより、ロヴァニオンに残っていた最後の火龍が倒され、霧ふり山脈のオークもほとんどが追い散らされた。[[ビヨルン一党]]、闇の森のエルフ、[[谷間の国の人間]]、[[エレボール]]のドワーフは連帯し、ロヴァニオン北方の交通の安全が実現した。
サウロンは要塞を捨てて逃亡し、再び平和が訪れるはずだった。

しかし、その逃亡は見せかけのものであり、2951年にサウロンは[[モルドール]]で公然と名乗りを上げ、[[ナズグール]]を派遣してドル・グルドゥアを再占領する。モルドールの前哨地となったドル・グルドゥアの下、霧ふり山脈では再びオークが増え、[[東夷]]の脅威が再びロヴァニオンへ迫っていった。
[[指輪戦争]]によってサウロンが敗北したことで、ようやくドル・グルドゥアは破壊され、その影も取り除かれた。

*** ロヴァニオン王家 [#Kingdom]

[[エルダカール>エルダカール(ヴァラカールの息子)]](「ロヴァニオンの王」[[ヴィドゥガヴィア]]の娘[[ヴィドゥマヴィ]]と、[[ゴンドール]]王[[ヴァラカール]]との間の子)の親類から出た[[北国人]]による王家。かつては[[闇の森]]の先におり、第三紀1851から約100年間にわたる[[馬車族]]の侵入前には、[[アンドゥイン]]の中流の平原を中心に多数の人々が住んでいて、[[ゴンドール]]とも友好的な関係にあった。彼らは[[第三紀]]1975年の[[魔王]]と[[アングマール]]の敗北を耳にすると、[[霧ふり山脈]]の東にいたアングマールの残党を追い払った。だがその後、[[オーク]]や[[ドル・グルドゥア]]の勢力の増加により、ロヴァニオンの人口は大幅に減少した。
やがて第三紀2510年、ロヴァニオン王家の末裔であるという[[北国人]]の[[エオセオド]]王家が、[[エオル>エオル(レオドの息子)]]に率いられて[[ゴンドール]]を救うため[[ケレブラント]]の合戦に参加。その謝礼として[[カレナルゾン]]の地を与えられ、そこに移住して[[ローハン(マーク)>ローハン]]の国を打ち立てた。

*** エレボールの山の下の王国と、谷間の国 [#Erebor]

[[バルログ]]によって[[モリア]]を追われた[[スライン一世]]ら[[ドワーフ]]によって、[[第三紀]]1999年に[[エレボール]]の山の下の王国が築かれ、数々の財宝を生み出す。またエレボールの麓には、[[人間]]による[[谷間の国]]が作られ、交易によって共に栄えた。
だが第三紀2770年の[[スマウグ]]の襲来により両国は滅ぼされ、エレボールのドワーフは四散。[[谷間の国の人間]]も[[エスガロス]]などに逃れた。
2941年、[[トーリン二世(オーケンシールド)>トーリン二世]]は[[ガンダルフ]]が立てた計画に従い、エレボールを奪還するための旅を行う(『[[ホビットの冒険]]』)。その結果スマウグは滅び、また[[五軍の合戦]]が発生したが、山の下の王国と谷間の国は再建された。

*** 闇の森とロスローリエンのエルフ [#h1ccf443]

[[闇の森]]と[[ロスローリエン]]には、それぞれ[[シルヴァン]]の[[エルフ]]が住まっていたが、双方とも次第に[[ドル・グルドゥア]]の脅威にさらされることになる。特にロスローリエンのエルフは、[[モリア]]に現れた[[バルログ]]の影響もあって、[[西方>アマン]]へと去って行くものが増えた。
闇の森のエルフは、[[シンダール]]である[[オロフェア]]、[[スランドゥイル]]の統治下にあり、[[エスガロス]]や[[ドルイニオン]]と交易を行うなど、ロヴァニオン北東部の[[人間]]には比較的よく知られていた。
一方でロスローリエンは[[アムディーア]]と[[アムロス]]、その後は[[ケレボルン]]と[[ガラドリエル]]というシンダール(ガラドリエルは[[ノルドール]])の統治下にあった。ロスローリエンは、[[ローハン]]や[[ゴンドール]]の人間からは「迷い込んだら二度と戻ってこられない森」という、神秘的で危険なイメージに捕らえられ、外部との交流はほとんどなく、閉ざされ秘められた地となっていた。
[[指輪戦争]]によってドル・グルドゥアが破壊されると、闇の森は「緑葉の森」を意味するエリン・ラスガレンと改名され、北部はスランドゥイルの領土に、南部は東ローリエンとしてケレボルンの領土に、中部は[[ビヨルン一党]]の土地として分割された。スランドゥイルの一族は[[第四紀]]に入っても落ち着いて暮らしていたが、ロスローリエンのエルフは、ガラドリエルは[[指輪所持者]]として西方へ去り、その後ケレボルンも裂け谷へ移ったのちは、わずかな者しか残らなかった。

** コメント [#Comment]

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