ジブリの名プロデューサー VS 世界的鬼才監督
君は、そこまで言うのか!?
忖度いっさいなし。“悪友”同士が語りつくす、40余年の愛憎。仕事観、人生観、旅、思い出……アニメと映画の未来まで『君たちはどう生きるか』を“宣伝なき宣伝”で大ヒットさせた、スタジオジブリのカリスマプロデューサー゠鈴木敏夫と、世界的に評価される作品を作り続けてきた映画監督゠押井守による初の対談集。
両氏ダブルネームでの初書籍となる本書は、まさに、ファンのみならず、全クリエイター、迷えるビジネスパーソンも必読の一冊です。
語りの達人であるふたりが、これまでおこなってきた対談の集大成。歴代のジブリアニメや押井作品、共同作業となった『天使のたまご』『イノセンス』などについて、雑誌・新聞・ラジオ・イベントでおこなわれた数々の対談に加え、80年代「アニメージュ」誌(徳間書店)での座談会やコメントもピックアップ。さらに、本書のための〈新規特別対談〉も収録!!
「押井さん」「敏ちゃん」と呼び合う“悪友”ならではの、他の誰にも許されない本音の応酬は、痛快で、スリリングで、刺激的。ここでしか読めない秘話の数々が、日本のアニメーション史・映画映像史の一断面を明かします。
押井守と鈴木敏夫の過去の対談を集め、新規も収録した対談集『されどわれらが日々』が発売されました。当初は2023年12月発売の予定だったものが、延期されつつも電子書籍版と同時に発売されました。
ふたりは因縁のある仲? で、もともとは鈴木氏がアニメージュ編集部にいたときに押井氏が『天使のたまご』が制作されてからの付き合いであり、その後なんやかやあり、『イノセンス』では鈴木氏がプロデューサーを務めて宣伝を担当し(『攻殻機動隊2』ではなく『イノセンス』というタイトルにしたのも鈴木氏の意見によるもの)、押井氏の作品『KILLERS』『立喰師列伝』にも出演していてどちらも劇中で殺されています。押井氏によると鈴木氏は「悪徳プロデューサー」「きっと本人は殺されたがっている」ということらしく。
……と、前回書いた文章をそのまま引っ張ってきました。
またこの発売にあわせ、アニメージュプラスに押井守が鈴木敏夫との対談本で振り返った「時代を共有した無駄話」の歴史という記事に押井守氏のインタビューが掲載されております。
]]>押井 それは、敏ちゃんを構ってあげる人間が私以外にいないから。いまやすっかり偉くなっちゃって、悪口を言ってくる人や腹を割って話せる人なんて、まずいないんだから。こちらの気持ちとしては「不憫」っていう言葉が一番ピッタリくるかな。
まあお互い友達がいない人だし、たまに会うとやっぱり嬉しそうな顔するわけですよ。私の方でも「死なれたらちょっと寂しいな」という思いもあるわけでね。
小島秀夫氏のドキュメンタリー映画、ディズニープラスで2月23日に配信決定! - ネット「超たのしみ」「見ねば!」 | マイナビニュース
以前から話題に上がっていた、ゲームクリエイター小島秀夫氏のドキュメンタリー映画が2月23日よりディズニープラスで一般公開開始(まあ私は契約していないので見られないんですけど)。こちらに押井守氏も出演しているということが報じられています。
小島秀夫氏は押井作品のファンである事を語っており、『メタルギアソリッド2』などで『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』をオマージュしたシーンが入っています。逆にゲーム好きとして知られる押井氏は『ぶらどらぶ』に『デス・ストランディング』のネタを仕込むといったこともしていました。両者の対談も何度も行われております。押井守氏が『デス・ストランディング』を語る動画もあります。
最近では、小島氏のもとで押井氏がモーションキャプチャの撮影素材を体験する光景が公開されており、2025年発売予定の『デス・ストランディング2』に登場するのではと言われています(同作では1作目から、多数の人物がカメオ出演しています)。
]]>AIと人類の共存」をテーマに、日立アカデミーが日立グループ向けに開催した「Hitachi Academy Open Day 2023」で、「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」「イノセンス」などを手掛けた押井守監督が、“押井節”全開の講演を行いました。示唆に富んだ押井監督の講演内容をお届けします。
日立グループ講演レポート|映画監督 押井守氏「人間に残されたフロンティアを語る:AIは「魂」を宿すのか」|株式会社 日立アカデミーのストーリー|PR TIMES STORY
日立アカデミーが何を考えて企画したのか判りませんが(担当者の趣味?)、日立グループ向けのイベントで押井守氏が講演を行ったらしく、そのレポートが公開されています。
]]>Amazon Prime会員向けに、押井守監督の出世作『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』が無料公開されています。いつまで無料対象かは不明なので早めに見ておいたほうがいいかと。dアニメストアでも会員向け無料公開対象になっていました。
この『うる星2』は、アニメにおける「ループもの」の元祖として知られています(実写作品では他に前例がありますがが)。その影響は『涼宮ハルヒの憂鬱』『魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』などにはっきりと現れています。現在『うる星やつら』の新TVアニメをやっていますが、原作準拠のそちらでは絶対やらないようなテイストの話を『ビューティフル・ドリーマー』ではやっているので、見たことがない人は一度は見たほうがいい作品です。
]]> なおこの映画について「原作者(高橋留美子氏)が怒り、押井守監督との仲が険悪になった」という説がありますが、後に高橋留美子氏本人が否定しています。ただ押井氏によると、この映画の試写のあと高橋氏は「人間性の違いです」と一言言っただけで(発言内容については当時その場にいた人の間で記憶の食い違いがありますが)、すぐに帰ったそうです。その理由はともかく、押井氏はそれを「原作者は気に入らなかった」と解釈して当時のことを語っているのが噂の発端になっており、それに尾ひれがついて「原作者と大げんか」みたいに語られています。後に高橋氏は『ビューティフル・ドリーマー』について「押井さんの映画」「お客さんとして楽しめました」といったコメントを出しています。ただ、この映画のプロデューサーを務めた落合茂一氏は「よくもこんな『うる星』作ってくれたな」「フィルム持って(公開前に)逃げようかと思った」などと語っており(同氏の回顧録『僕のプロデューサー(秘)かけだし日記』より)、また当時の原作ファンの間にも疑問、狼狽、怒りなどを呈する人々がいたのもまた事実です。そして高橋氏が旧アニメ版に全く怒らなかったかというとそんなこともなく、例えばTVシリーズでキャラクターの踏み絵をするアニメオリジナルの描写があったのですが、それには明確に拒否感を示していました。
ところでこのアニメは『ビューティフル・ドリーマー』ですが、これをモチーフにした押井守監督原案、本広克行監督による実写映画『ビューティフルドリーマー』があります。『ビューティフルドリーマー』に関しては以前下に書かせていただきました。
本広克行監督の映画『ビューティフルドリーマー』は実写版『うる星やつら2』メイキング風映画である
片方が『ビューティフル・ドリーマー』でもう一方が『ビューティフルドリーマー』の表記のため混乱します。
]]>押井守監督が大きな影響を受けたという、フランス映画『ラ・ジュテ』がYouTubeにて2週間限定で無料公開されています。
押井守監督の原点、SF映画「ラ・ジュテ」YouTubeで2週間無料公開。大塚明夫ナレーション - AV Watch
ほとんどが静止画のカットで繋がっている非常に独特な映画で、劇中での映像の作り方、オブジェの置き方、ループするような体験などで押井守作品に通じる点が見いだせるでしょう(特に『紅い眼鏡』を彷彿とさせるかと)。また『ラ・ジュテ』は『12モンキーズ』という長編映画として再構成されたことでも知られています。私は『ラ・ジュテ』を見ずに『12モンキーズ』を見たのですが大きく印象に残りました。ってかさらに『12モンキーズ』はTVシリーズにもなっていたんですね、そこまでは知らなかった。
Amazon Prime Video ラ・ジュテ(吹き替え版)
Amazon Prime Video 12モンキーズ(映画)
Amazon Prime Video 12モンキーズ(TVシリーズ)
2002年より公開された『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』は、全26話のTVアニメシリーズとして制作されました。そのストーリーの中核にあったのが《笑い男》の話です。本編は西暦2030年の設定ですが、2024年2月1日という「過去」に起こった《笑い男》事件が2030年によみがえり、それを草薙素子ら公安9課が追っていくというのがメインストーリーとなっています。
このシリーズの話から《笑い男》関連の話だけをピックアップし長編OVAとして発売したのが『The Laughing Man』です(のちに劇場イベント公開なども実施)。ただ「TVシリーズ全話のDVDを集めるのは金額的にハードルが高い」ために買い控えていた人に対してのパッケージという側面が強かったため、『The Laughing Man』はどうしても「詰め込んだ総集編」という印象がぬぐえません。長編内で統一感を出すための作画の修正、編集したところの整合性を合わせるためのセリフの修正と再アフレコなど手間のかかることをいろいろとやっていることはわかるのですけど、やはり時間がある人はシリーズ全26話を通して観ることをお勧めします。シリーズでは《笑い男》とは全く関係ない話が混ざっているからこそのインパクトもありましたし、今ならストリーミング配信で比較的安価に見られますので。
Amazon Prime Video 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
《笑い男》事件特設サイトも開設されております。
]]> さて《笑い男》事件が起こったということは、『攻殻S.A.C.』の世界において2024年にはすでに作中の人物のほとんどは電脳化しており、当然サイボーグもいることになっているはずなのですが、現実はなかなかそううまくは進んでいません。先日は人体に脳インプラント、マスク氏のニューラリンクが初の臨床試験というニュースがありましたが、これくらいのインプラント臨床試験、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)実験はけっこう前からあちこちで行われていますけど、目立った進歩や実用化の話は伝えられてきません。一方ではスマートフォン依存が現在の“電脳”というところでしょうか。“人形使い”はまだ誕生しそうにありませんが、AIによる画像技術の発達によりフェイク映像などによる情報操作が氾濫するようになったのは、ある意味《笑い男》事件における視覚のハッキングに通じるところがあるとも言えます。そもそも『攻殻S.A.C.』はインターネットから発生する社会現象をテーマとしているところもありますし。
ちなみにちなみについ先日、『攻殻機動隊』公式Twitter(X)アカウントが乗っ取り被害を受けるという事件があり、「プロモーションの一環としての演出では」という噂も上がりました。
]]>やっぱり今時のアニメは、配信場所を限定しても話題にはならないと思うのですよね。Netflix限定配信アニメとかさっぱり話に出てこない……。「配信サイトが金を出すので確実に赤字は防げる」という安全パイ扱いなところが多分あるんでしょうけど。
]]>『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(押井守劇場版1作目)のラベルによるウイスキーが、明日11日から15日までが受付という短い間のみの受付で合計220本の抽選販売。値段高っ! 40700円もしくは53900円でボトル一本って! 私は酒を飲まないから相場わからないんですけど……。熟成年数は25~27年、サイボーグなら一瞬で分解できるから関係ないだろうけどアルコール度数は42.3~49.5%。原材料はモルトで原産地はスコットランド。何でもウイスキー評論家の山岡秀雄が『攻殻機動隊』に合わせ厳選したそうです。
]]>『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』のキービジュアルとして使用されていたふたつのイラストを、ふたつのウイスキーにあしらいました。
1本は、映画公開年に蒸留された「レダイグ1995」。マル島にあるトバモリー蒸留所で、 ピートを焚かないノンピートタイプの「トバモリー」に対し、ヘビリーピーテッドを焚くのが「レダイグ」。いまはそう区別していますが、1995年ごろは、ノンピートのレダイグも流通しています。これはノンピートタイプで、珍しい1本です。
もう1本は、「シークレットスペイサイド1997」。スペイサイド地域のどこかの蒸留所で蒸溜されたという謎に包まれた、リフィルホグスヘッドの25年熟成です。
萌えイラストをつけたりアニメコラボしたりの地酒などは結構出ておりますがウイスキーはなかなか聞きませんね。しかし描き下ろしではなく使い回しの版権イラストというのが……。どうせなら久し振りにGITS版の描き下ろし素子も見てみたいんですけど。そしてなぜウイスキーなのか。『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』にはワインを題材にした話がありましたが。そして原作は講談社のマンガなのに、扱うのは小学館集英社プロダクションというのも謎です。いやまあ単純に版権ものを扱う会社だからであって小学館・集英社しか扱わないというわけではないんでしょうけど。
]]>『機動警察パトレイバー2 the Movie』上映30周年突破記念として、記念上映とトークショーがユナイテッドシネマ豊洲にて行われることになりました。上映日は2024年2月4日(チケットは12月29日より販売)。トークショーの出演者は大林隆介氏(後藤喜一役)、榊原良子氏(南雲しのぶ役)に加え、竹中直人氏(荒川茂樹役)となっています。大林氏、榊原氏が出演するトークショーは何度かありましたが竹中直人氏は極めて珍しく、リバイバル上映では初めてではないでしょうか。
上映は2部に分かれており、1部はオリジナル音声版、2部はサウンドリニューアル版となっております(『パト2』は劇場上映時2chでしたが、DVD化にあたって5.1chでの再収録が行われていて一部でアフレコ音声の撮り直しも実施されています。DVD/BDでは音声を選択可能)。
トークショーは1部上映後、2部上映前となっており、チケットはそれぞれ6000円。正直かなり割高ですが、この3人が揃うことは今後ないのではないかと思える貴重な機会と言えるでしょう。またチケット購入者にノベルティグッズの配布のほか、会場物販もあるとのことです。
]]>私の原稿は「プラトンは正しかった」というタイトルで、『パトレイバー2』劇中に描かれている「MiG-25の亡命騒ぎ」「陸幕調査部別室」「自衛隊の海外派遣」「攻撃ヘリ」などについて、現代(現在)のリアルな事情と比較検証して語ったり振り返ったりするという内容になっています。それがなんで「プラトン」なのかは、まあ勘のいいガキは気づくでしょう、あの言葉が使いたかっただけです。
この原稿を書くために、久々に複数の資料文献を引っ張り出しました(前回の『ぼざろ』原稿の時も参考に過去の音楽アニメなどを大量に見たんですけど)。私個人としてはあくまで「アニメと現実の差」について書こうと(少なくとも当初は)思っていたはずですが、編集長の奥田氏には「大作」「ひとつの戦争論」とまで言ってもらえるほど大いに気に入ってもらえたようで(何度も修正お願いしてご迷惑をお掛けしたのですが)少し驚いております。「戦争論」かどうかは置くとして、アニメと現実の違いなどから入っているので多分とっつきやすいかと。というかいつものことですけど私は「評論」を書いているつもりはないのです。
しかし映画上映当時から現在に至るまでの自衛隊・世界情勢年表まで作ったのは正直手間過ぎて若干後悔したというか。ウクライナ情勢についても触れましたが、こちらはリアルタイムで状況が変化しているため少々ビクビクしておりますけれど、とにかく気に入って貰えたら幸いです。
WWFさんの同人誌では、他にも『ガールズ&パンツァー(Vol.54)』『ガンダム(Vol.64)』『ぼっち・ざ・ろっく!(Vol.65)』でも書かせてもらっています。
]]>『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』にあわせてのインタビューですが、田名克子氏が最初に草薙素子を演じた、押井守監督による『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』についてもけっこう触れています。
]]>1951年生まれの監督・押井守がハマったというのがYouTube。
“いま”が凝縮した動画を視聴しながら気づいたその面白さ、そこから垣間見えた現代社会の状況、今を生きる人にとっての「幸福論」、そしてYouTubeというメディアとは一体何なのか?
昨年『押井守のサブぃカルチャー70年』という本が発売されましたが、今度はYouTubeに内容を絞ったものらしいです。2023年12月28日発売。
]]>『ニルスのふしぎな旅』はスウェーデンの児童文学ですが、日本にてスタジオぴえろ(現ぴえろ)にてアニメ化されたものがNHKで放送されました(その後海外版も放送)。監督は、押井守監督が師匠と呼ぶ鳥海永行氏(故人)。押井氏は『ニルス』には各話演出で参加しており、いろいろと経験したと話しています。なんでも予算はたっぷりあり、動画をたくさん使わないと逆に怒られる贅沢な現場、しかも余裕もあるスケジュールで作れてみんなホクホクだったとか。シリーズ後半になると鳥海氏は現場にどんどん好きにさせる(放置?)ようになり、みな趣味に走った演出をするようになって、押井氏は「鳥を爆撃機のように飛ばす」ことにこだわったとかなんとか。
この作品では動物がたくさん出てくるため、のちにSFアニメ『ダロス』をぴえろで作ることになったとき押井氏は「ぴえろならサイボーグの犬が描ける!」と喜んで出した、なんて話もあります。
]]>そして12月2日にグランドシネマサンシャイン池袋にて行われる上映にて、『SAC_2045』総監督の神山健治氏と共に(本作には関係ないはずの)押井守氏が舞台挨拶に立つことになりました。
正直なところ私はNetflixの契約をしていないし、シーズン1の劇場版『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』も見ていないのでさっぱりなのですが。
]]>上映は12月3日、登壇は監督の沖浦啓之氏と、キャラクターデザイン/作画監督の西尾鉄也氏。西尾鉄也氏描き下ろしのステッカーなどが入場者特典として配布。チケットは12月24日1900時からオンラインで、また11月25日より劇場窓口にて(席が残っていた場合)販売とのことです。
テアトル新宿 12/3(日) EMOTION 40th Anniversary Program 『人狼 JIN-ROH』舞台挨拶付き初DCP上映会
prime video 人狼 JIN-ROH